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お客さまがお困りのことは?

それでは今度は障がいがあるお客さまがヘアサロン利用の際に困ったことをみていきましょう。

ヘアサロンを利用した際に困ったこと(TOP5)

複数回答、ランキングからはその他(21.7%)を除く(n=442)

「同じ姿勢のつらさ」や「トイレの不安」など、身体的な負担に関する項目が目立ちます。また、「コミュニケーション」の課題も上位に入っており、お客さまが自分の要望や状況をうまく伝えられない、と感じる場面があるようです。

では、こうした困りごとに対して、お店はどのように対応しているのでしょうか。

「お願いできなかった」という遠慮も

困りごとに対するお店の対応

単一回答(n=442)

ヘアサロンを利用した際の困りごとについて、「とても丁寧に対応してくれた」(33.3%)、「ある程度対応してくれた」(31.9%)を合わせると、約65%のお客さまが、サロンの対応に満足していることが分かります。

しかし、ここで注目したいのは「対応をお願いできなかった」(15.6%)という声です。「対応してくれなかった」(2.0%)はごく少数。つまり「お客さまが困っていることを言い出せない」という状況にあるのかもしれません。

お客さまは、「こんなことを言ったら、迷惑かな…」と遠慮してしまいがちです。 だからこそ、「言い出しやすい雰囲気」を作ることが大切になります。

例えば、施術を始める前に、「もし、しんどくなったり、トイレに行きたくなったりしたら、いつでも遠慮なく声をかけてくださいね」と一言伝える。

たったこれだけで、お客さまは「言ってもいいんだ」と安心でき、お店への信頼を深める何よりの気配りになるはずです。

お客さまが「安心して通える」サロンの条件とは?

障がいのあるお客さまが「ここなら安心して通える」「また来たい」と感じるサロンには、どんな共通点があるのでしょうか。2つのデータから見えてきたポイントをご紹介します。

各シーンで最も「求められる配慮」とは?

各シーンの1位を抜粋(各シーンn=442)

「事前に要望を伝えられる」「キャッシュレス決済が使える」など、お客さまが自分の状況に合わせて一番楽な方法を選べるようにすること。大掛かりな設備でなくても、こうした「選択肢」を少し用意することが、安心につながります。

安心して通えるヘアサロンの条件や理想像

複数回答(n=442)

「安心して通えるヘアサロンの条件や理想像」の調査結果からも、「無理に話しかけられず、自分のペースで過ごせる」は62.2%で、最も重視されています。お客さまにとっては「頑張って応えなきゃ」という負担になることもあります。「適度な距離感で接してくれる」「静かに過ごせるようにしてくれる」など、無理に話さなくてもいい、と感じられる心地よい雰囲気が大切です。

また「自分の体調や障がい特性を理解し、丁寧に対応してくれるスタッフがいる」は46.8%に上ります。専門的な知識がなくても構いません。「もし何かあったら、すぐに教えてくださいね」と伝えたり、お客さまの言葉にゆっくり耳を傾けたりと、「分かろう」と寄り添う姿勢そのものが、お客さまにとって何よりの安心材料になるでしょう。

POINT

  • 障がいのあるお客さまは、多くの方と同じように美容を楽しんでいる。「カット(シャンプーなし)」も利用が多い。
  • サロン選びでは「スタッフ対応が良い」ことが重視され、「無理に話さず自分のペースで過ごせる」という配慮が安心感につながる。
  • 困りごとがあっても「お願いできない」お客さまもいるため、「いつでも声をかけて」という一言が安心材料に!

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監修

株式会社ミライロ

「バリアバリュー」を企業理念とし、障がいのある当事者の視点から、社会におけるバリア(障害)をバリュー(価値)に転換するインフラやソリューションの提供を行っている。デジタル障害者手帳「ミライロID」によるインフラの提供、企業等への研修、リサーチ&コンサルティングの提供を軸として障がい者とその家族が今日を楽しみ、明日を期待できる社会を実現するための事業展開を行っている。

ミライロホームページ

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