本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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第2章新たな挑戦を始めた転機

「10年続けても世界は開けなかった。
ならば、他の方法で戦おうと。」

東京・南青山の「NORA」は天井が高く地下とは思えないほど開放的。一角にはパーソナルスタイリング&オーダーメイドスーツ専門店「GLANCE」を併設し、ヘアとファッションのトータルコーディネートを提案

2014年にはさらに広い125坪の物件に移転されています。今日おじゃましたのがそのサロンですが、本当に広くてイベントスペースのようですね。ここに移転したきっかけは?

前の物件で賃貸契約の更新時期が来て、家賃を3倍にするって言われて。さすがに高すぎでしょと思ったのがひとつ。あとは開業して8年経ち、規模は大きくなったけど、このままじゃまったく面白くないなと考えるようになっていました。人が増えた分だけヒューマントラブルも増えるし、「こんな割の合わない仕事ある?」って思いましたよ(笑)。それで環境を変えるためにも移転しました。

ヒューマントラブルというと?

人が増えるとどうしてもお互いに好き嫌いって出てくるし、意見の違いも出る。あとお客さんとスタッフのトラブルとか…、そういう処理に追われるのが嫌でしたね。僕はコミュニケーションを大事に考えているので、自分はそういう人間関係では困らないと思っていました。でもスタッフとの年齢が離れるにつれ、相手が僕に遠慮して「なんでも相談する」って感じではなくなっていたんでしょう。距離が近いと思っていたのは自分だけだったわけです。

現在は、社内の人間関係はとてもいいようですね。

昔は何でも全部、僕がやっていたんですけど、それをやめたんです。自分でやった方が早いって考えていたんですが、そうすると問題の対処に追われて新しいことにトライできなくなる。だから社内の環境維持は他の人に任せて、僕は新しいことを開拓していく、みたいな役割分担をすることに。するとうまく回りだしたので、そうやってスマートにシステム化することも大事だなって実感しました。

こちらのサロンでは絵画が展示してあったりイベントを開催したりと、いわゆるヘアサロンとは違った試みをしていますね。そうしたことを始めたきっかけは?

ここに移転する前後の時期、マンネリだと感じるようになっていて。開業した当初は漠然と、10年もやれば今とは違う世界が開けているだろうと思っていたけど、そんな風にはなっていない。それまではお客さんがいれば、まじめに働き続ければ何とかなる、と思っていたんですけど、それだけじゃダメなんだと考えるようになっていました。

そんな時、あるきっかけでお笑いタレントの西野亮廣さんと知り合いました。僕が西野さんのブログを見て興味を持って、連絡をしたら「じゃあ飲みましょう」ってなったのが最初です。それで「10年やっても新しい世界は開けていない」といった話をしたところ、ちょうど西野さんも同じような思いを抱えていて。その時に彼が言ったのは、「お笑いのルールで戦っても先輩たちは追い越せない、だったら他の方法で攻めた方がいい」ってこと。その考えにはすごく共感しましたね。それが、今から2年くらい前のことです。

  • 西野亮廣さん主催のオンラインサロンメンバーでもある広江さん。「どうせ行くならサロンメンバーのお店に!」という西野さんの想いもあるが、通い続けてくれるのは広江さんの人徳だろう

  • 2018年11月にアイウェアブランド「オンデーズ」代表・田中修治さんと広江さんによる講演会を「NORA」で開催。田中さんの著書『破天荒フェニックス』の表紙モデルは、田中さんが広江さんに髪を切ってもらった時に相談した縁で決まったという

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