本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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第3章ヘアサロンの新しい価値とは

「リアルで対面して1時間を共有できる。
美容師の仕事って、すごい貴重です。」

サロン内はギャラリー機能を兼ね備え、注目のアーティストの作品を展示・販売。取材時はサンタモニカ在住のアーティスト「ガス・ハーパー」の絵画が展示され、数十万円の作品にも買い手がついていた

西野さんと出会う前、ここに移転する前のサロンでも生花店を併設するという試みをされていましたね。明確な言葉にはなっていなくても同じような考えを持っていたから、西野さんと意気投合されたんでしょうね。

サロンの一角に花屋さんを入れていたのは、お客さんとのタッチポイントを増やしたいと思ったんです。ヘアサロンに来るのは3カ月ごとって人が多い。一方、花って1週間くらいで枯れるから来店間隔が短いですよね。花をきっかけに来店して、ついでにヘアサロンも利用してくれるかも、という狙いでした。

今のサロンでアート作品を展示しているのも同じ考えで、アート鑑賞目当てにお客さんが来てくれたらいいなって思って。あとは「美容室ってフラッと入れない」というお客さんの声が多いので、立ち寄りやすいようにイベントをやってみたり…。

以前、「SONY」とコラボして、ヘッドホンに似合うヘアスタイルを見せるショーイベントをサロンで開催されました。これは、どういうところから?

僕が企画書を持ち込んだのが始まりです。お客さんにSONYの方がいて、「こんなのどうですか?」みたいな話から発展していって。これに限らず、お客さんきっかけで話が広がっていったり、自分から企画書を持ち込むことはよくあります。面白いお客さん同士を集めた飲み会もよくするし、そういう異業種交流会みたいなのはアシスタント時代からやっていました。

美容師さんは、いろんな業種のお客さんと会える仕事ですもんね。でもその環境を広江さんのように活かす人は、あまりいないのでは?

面倒だと思うんですかね?でも僕はインターネットを使って地引網的に広範囲を狙うよりも、一本釣りの方が強いと思っているんです。「リアルで対面して1時間を共有できる」って、すごい貴重ですからね。

僕は経営者ではあるけれど経営ノウハウに精通した「プロ経営者」ではないし、同じやり方じゃ彼らには勝てません。彼らに勝てるところは、僕は髪を切ることができて、1対1でプレゼンできる機会を持てること。だから今も週6日、オープンからラストまで店に出ています。

サロンではスタッフ向けの講習会も開いているそうですね。

お客さんに講師を依頼して、営業が早く終わる土日に開催しています。大手企業の人材トレーナーやマーケティング部門の方とか、外資系コンサル企業の方、占い師さんに依頼したこともあります。講習会をやる理由は、僕がそういうお客さんの話を聞いて面白かったからスタッフたちにも聞かせたいという気持ちもあるし、いろんな分野の話を聞くことはコミュニケーション力のアップにつながる。会話がつまらないって、失客につながりますからね。

  • 2015年にはSONYと組み「ヘアスタイル×ヘッドホン」を発信するイベントをサロンで開催。「ヘッドホン女子=ヘッドホンをつけている女の子は可愛い」というテーマ。「ヘッドホンに合う髪型を作りたい!」というスタッフの企画から広がった

  • 現在スタッフ数は約80名。「人を育てるのは好き」と話す広江さんは、女性が活躍できる場づくりも重視。「NORA」の店長も新卒採用から育て上げた女性が務めている

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