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海外のお客様への取り組み
2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。
日本で観光やショッピングを楽しむ外国人の姿も、最近では珍しくなくなりました。こうした海外から訪れる旅行者は「インバウンド」と呼ばれ、彼らによって生まれる消費をさまざまな業界が注目しています。この連載では、美容サロンにおけるインバウンド需要の可能性や対策を探っていきます。第1回目は、まずインバウンド美容の現状と基礎知識を見てみましょう。
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A
海外から日本を訪れた「訪日外国人旅行者」のこと。2014年は年間で過去最高の1,342万人以上が訪れました。そして2015年は前年をさらに上回る勢いなんです!
日本では2003年から外国人旅行者の増加を狙う「ビジット・ジャパン」事業を推進し、2020年の東京オリンピック開催決定を受けてその勢いはますます加速。2020年までには外国人旅行者数が年間2,500万人になることを目標に掲げています。事業がスタートした2003年の訪日外国人は521万人でしたが、2014年には1,342万人まで増え、目標達成も現実味をおびています。
出典:日本政府観光局(JNTO)
2014年に日本を訪れた外国人旅行者は台湾から来た方が最も多く、その数は約283万人!以下、韓国、中国、香港とアジア圏が続きます。5番目に多かったのはアメリカで、ここ数年は順位を入れ替えつつトップ5は同じ顔ぶれ。中国は2014年の旅行者数が前年比83.3%もの伸び率を見せ、2015年の上半期も前年同期比で2倍以上の人が訪れています。(出典:日本政府観光局(JNTO))
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A
訪日旅行者数トップ5カ国への調査では、約41%の人が化粧品・香水を購入しています。日本の美容に対する関心は高く、美容サロンにもニーズが広がる可能性は大!
(出典:観光庁、2015年4~6月期調査)
2014年の訪日旅行者数トップ4であるアジア圏の方に「日本に行って体験してみたいこと」を聞いた調査では、グルメやショッピング、温泉に続いて4位に「化粧品ショップでの買物」がランクイン。コスメ商品を大量に買い込む、「爆買い」とも言われる光景に見覚えのある方もいるのでは。
そしてヘアサロンやネイルサロンといった「美容サロンへ行きたい」という回答も3割近くあり、これは世界遺産や名所旧跡への観光を望む声を上回るもの。特に中国人の関心は高く、過半数の方が希望しています。また、美容クリニックの利用を希望する回答も1割弱ありました。
出典:ホットペッパービューティーアカデミー<br>(2015年2月、調査対象:中国・香港・韓国・台湾在住の20~49歳の女性800名)<br>※美容サロンはヘアサロン、エステティックサロン、ネイルサロン、アイビューティサロンなど
Q
A
リラクゼーションサロンは4割近く、エステティックサロンも3割弱が利用!
訪日外国人の増加にともない、サロンの利用は今後も増えるでしょう。
上で紹介した調査では、実際に日本で体験したことがある美容サービスについても質問。結果をまとめたグラフを見て、想像以上に利用されていると感じた方も多いのでは?同調査によるとリラクゼーション施設やエステティックサロンの場合、街中にあるお店よりもホテルに併設された施設の利用者が多いことが判明。宿泊ついでに寄りやすい気軽さが、受けているのでしょう。街中にある美容サロンも、認知度や迎え入れる環境を向上させることで、利用者を増やすことができそうです。
出典:ホットペッパービューティーアカデミー<br>(2015年2月、調査対象:中国・香港・韓国・台湾在住の20~49歳の女性800名)
国別に利用状況を見てみると、中国がいずれの美容サービスでもトップに君臨。エステティックサロンは約半数が体験済みでした。この割合を2014年に日本を訪れた中国人旅行者数に当てはめてみると、約116万8,000人もの中国人旅行者がエステティックサロンを訪れた計算に!
Q
A
利用者の満足度は非常に高く、サロンの清潔感や衛生面、技術力など日本の「当たり前」が海外のお客さまに対しては強力なアピールポイントになっています。
実際に日本で各種美容サロンを利用したことがある、中国・香港・韓国・台湾から訪れた旅行者の満足度は非常に高いという調査結果が出ています。ヘアサロンは約88%、ネイルサロンとエステティックサロンは約91%の方が「満足した」と回答しました。
美容サロンを利用して満足した点を尋ねたところ、2位の「施術が上手」をはじめ、技術力に関する項目が上位に複数登場しました。日本の技術力は、海外のお客さまにも通用する様子!さらに注目は1位の「清潔で衛生的」。日本では「美」に関連する施設が清潔なのは当然という認識が高く、満足した点に挙がることは少ないでしょう。当たり前にできている衛生管理が、海外の人に対しては強みになっているのです。
出典:ホットペッパービューティーアカデミー<br>(2015年2月、調査対象:中国・香港・韓国・台湾在住の20~49歳の女性800名)
今回の内容を振り返ると、美容サロンとインバウンドの関係は盛りあがりをみせている様子。実際に海外からのお客さまがサロンを訪れる日に備えて、次回は来店時の対応について考えます。
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