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海外のお客様への取り組み
2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。
中国について学んだ前回に引き続き、美容を中心にした海外のライフスタイルをご紹介します。今回は2015年の訪日外国人旅行者数2位の韓国についての情報をピックアップ。日本でも「韓国コスメ」が話題になったことがあるなど、韓国は美容に関心が高いイメージ。実際の美容市場について、見てみましょう。
Q
A
1カ月の可処分所得は平均約6.3万円。
そのうち美容には約1.3万円を使っています。
訪日経験がある20歳~49歳の韓国人女性に対して2015年に行った調査では、1カ月あたりの可処分所得は平均で約6.3万円。「可処分所得」とは所得のうち支払い義務がある税金や社会保険料を差し引いて、自由に使える金額のこと。ここから家賃などの生活費や交際費をまかないます。
では、可処分所得のうち美容費にはどれくらい使っているのでしょう。同調査によると月に約1.3万円とのこと。可処分所得の5分の1弱にあたり、韓国人女性の美容にかける熱意の高さが感じられます。
Q
A
韓国の女性は1回あたり平均6,838円を利用。
約30.5%の人が月1回以上ヘアサロンへ。
ヘアサロンではどれくらいの金額を支払っているのでしょう。訪日経験がある20歳~49歳の韓国人女性に対して2012年に行った調査によると、ヘアサロン1回あたりの平均利用額は6,838円でした。ちなみに同年に調査した、20歳~64歳の日本人女性の平均利用額はというと6,679円。調査対象年齢や物価などに違いがあるので比べにくいですが、日本と韓国は金額的にはおおむね同じといえそうです。
ヘアサロンの利用状況もご紹介します。訪日経験がある20歳~49歳の韓国人女性に対して2015年に行った調査によると、1カ月に1回以上ヘアサロンを利用する女性は約30.5%。
一方、日本人で年に12回以上利用する人はわずか約6.2%(20歳~69歳の女性、2015年調査)。年に12回以上を月平均1回以上とみなすと、韓国は日本に比べて驚くほどヘアサロンを利用しています。
Q
A
ネイルサロン・エステティックサロン共に
日本より圧倒的に高い利用頻度!
訪日経験がある20歳~49歳の韓国人女性に対して2015年に行った調査では、ネイルやエステティック(ホテルスパ)の利用頻度も質問しています。その結果は、月1回以上ネイルサロンを利用する人は約26%、ホテルスパは約17.5%でした。
一方で日本での利用実態はどの程度あるのでしょう。20歳~69歳の日本人女性に対する2015年の調査では、年に12回以上(月平均1回以上)利用していた層は、ネイルサロンが約1.1%、エステティックサロン(フェイシャル)が約0.9%という結果でした。
ヘアサロン同様、ネイルサロン・エステティックサロンについても、日本に比べて利用頻度が高い人が多いようです。
全体的に、韓国人女性は日本人女性よりも、サロンの利用頻度が高い傾向にありました。これは訪日経験の有無も関係している可能性はありますが、他にはどんなことが考えられるのでしょうか。現地の韓国人女性に話を聞いてみると、こんな声が聞こえてきました。
「白髪染めをするようになると、利用頻度が高くなる印象。セルフカラーをする人はあまりいません。自分で染めるのは面倒ということもありますが、サロンに行って、友達や美容師と会話を楽しみたいという意識もあります」とのこと。
確かに、年代で区切って見てみると、35歳~49歳女性で月1回以上ヘアサロンを利用する人は20~34歳に比べて1.65倍と、かなり高い傾向にありました。サロンがお客さまにとっての「コミュニティ」として機能していることも影響していそうです。
中国、韓国に続いて、次回は台湾の人々のライフスタイルをご紹介します。
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