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先輩女性インタビュー
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.12
フリー契約したサロンで店舗の立ち上げを任され、ナチュラルな薬剤と上質なサービスにこだわった「Ange」を池袋にオープン。店長としてバリバリ活躍し、現在は6店舗を運営する取締役副社長の登坂さん。意外にも、「自分ひとりでは何もできない」と語ります。ではなぜ、着実にキャリアを積み、仕事の幅を広げられたのでしょうか?これまでの歩みや仕事への想いを伺いました!
Staff Data
登坂さおり(とさかさおり)さん 38歳
取締役副社長、スタイリスト、スパニスト。
スタイリスト歴14年。役員として「Ange Lug」ほか6店舗をマネジメントする一方、月に約120名のお客さまを施術するスタイリスト&スパニストとしても活躍中。
★…ターニングポイント
美容師の資格を取り、都内の中型サロンにアシスタントとして就職。
みんなが1カ月で受かるシャンプーの試験に4カ月かかるなど、不器用なうえ、覚えが悪く、毎日辞めたいと思いながら過ごしていた。
しかし、成績も技術も素晴らしい女性の先輩スタイリストに出会い、気持ちが一変。先輩のようになりたいと、人の3倍努力。美容づけの日々を過ごす。
努力を重ね、念願のスタイリストデビュー。
指名数・店販の売上とも1位を取り続けた。
実績が評価され、副店長に昇進。
年上の先輩、男性スタッフなど、不満を抱く同僚も多かったが、後輩スタッフのサポートのおかげでがんばることができた。
このとき支えてくれた後輩スタッフたちの多くは、現在、「Ange」に在籍。今も支えとなってくれている。
1年後、店長に昇進。
マネージャーとなり、2店舗をマネジメントすることに。
「人の良い部分を活かす」との考えのもと、経験不足の自分を幹部に採用し、育ててくださった前サロンの女性オーナーには、今も感謝の気持ちでいっぱい。
翌年6月、5年間の交際を経て、会社員の彼と結婚。
働き方や時間の使い方を見直して、出張が続くなど超多忙だった彼を妻としてフォローしたいと思い、退職。
スタイリストは辞めたくなかったため、マイペースで働けるフリーランスを選択。同ブランドの母体であるサロンで働き始める。
★オーナーより、「店舗を任せたい」との話をいただく。彼の仕事も落ち着いていたため、お話を受けることに。
サロン名やコンセプト決定など企画から手掛け、女性スタッフのみの「Ange」ブランド1号店「Ange hair」をオープン。
オーガニック中心の薬剤を使用、きめ細やかなマンツーマン接客など上質なサービスにこだわり、すぐに大盛況に。
役員になるまでの5年間、指名・売上・商品売上で1位をキープし続ける。
1店舗では接客が追いつかない状況となったため、「Ange hair」から徒歩2分の場所に5月、「Ange Lug」をオープン。
2店舗目も盛況となり、約1年半後、同エリアに3店舗目となる「Ange Veil」をオープン。
「Ange」など3ブランドを統括する会社の取締役副社長となる。
役員になった後も、お客さまとのお付き合いを大切に続けたいとの想いから、スタイリストとして月に約120名を施術。
5月に小樽店、7月に札幌店と那覇店をオープン。
現在、6店舗の運営に携わっているが、これまでと変わらず、1スタイリストとして現場に立ち続けている。
結婚をお祝いしてくれた同僚たちの多くは現在、「Ange」で活躍中
前サロンを辞めるときに同僚からもらったメッセージは今でも宝物
サロン主催の忘年会は、大切な仲間と楽しむ恒例行事のひとつ
「この世界にとどまらせてくれた先輩は、今でも私の師匠です」と登坂さん
A. 「出会い」に助けられ、今日まで続けられました。
就職して1年目は、できないし、怒られるし、ずっと辞めたいと思っていましたね。でも、同時期に、目標となる先輩の女性スタイリストに出会えて。それからは、気持ちが一変。成績も技術も素晴らしい先輩のようになりたいと、前向きな気持ちで仕事に向き合えるようになりました。
22歳の私を救ってくれたその先輩は、現在、「Ange Veil」に籍を置き、私を支え続けてくださっています。デビュー当時からのお客さまも多く、前サロン勤務時にサポートしてくれた後輩たちの多くも、「Ange」の心強い仲間に。「Ange」を一から任せてくださり、初女性役員として登用してくださった、人望厚くパワフルな男性オーナーとの出会いも私にとって宝物です。今の私があるのは、本当にこれらのご縁のおかげ。心から感謝しています。
A. ヒントはすべて、現場での接客の中にありました。
当初の「Ange」のコンセプトは、「オーガニック中心の薬剤にこだわる」「スタッフは女性のみ」「きめ細やかなマンツーマン対応を徹底する」「ヘッドスパなど癒しのメニューを提供する」。それらはすべて、「美髪のケアとリラクゼーションを求める方が多いな」など、現場の接客の中から生まれました。私が現場に立ち続けることにこだわる理由はふたつあります。一番は、大切なお客さまたちとのお付き合いを続けたいから。そしてもうひとつは、スタイリストとしても役員としても、これから進むべき道のヒントはすべて現場にあると考えているからです。
「大きな戦力となってくれているスタッフたちに、サロンの進化を通して恩返しをしたい」と登坂さん
A. スタッフとお客さまを第一に、進化し続けたい。
以前は数字に対してストイックだったのですが、最近は年齢のせいか執着がどんどんなくなってきていて。今は、現場でひらめいたものをその都度形にしながら、サロンを進化させていきたいと思っています。私が一番に考えているのは、スタッフとその先にいるお客さまたち。これからやっていきたいことはすべて、その方々への想いが原動力になることだけは確かです。ママ支援制度の充実やスパメニューの開発など、スタッフ、お客さまの笑顔につながる取り組みを、継続して行っていきたいですね。
日々出会うお客さまや同僚、家族、友人が、力を与えてくれたり、内向きの考え方を変えてくれることってあるんですよね。だから、もし今、つらい、辞めたいと考えている方がいたら、ぜひ一度、周りを見渡してみてほしいと思います。
それと、私は、ほかの誰かのためにこうしたいと願って努力した夢は叶うと信じています。実現できなくて悩んだときは、一度、執着や自分向きの考え方を手放して、ぜひ物事をフラットに見てみてください。私自身、スタッフのため、お客さまのためと考えて努力したことは90%くらい実現できていますから、試してみる価値ありですよ!
仕事だから理不尽なこともたくさんあると思いますが、必ず誰かが見てくれています。もう一歩大人になって、頑張ってほしいです。
Salon Data
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