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海外のお客様への取り組み

サロンで始める
インバウンド対応

2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。

インバウンドイメージ

第5回 年々外国人が倍増中の
美容サロンの取り組み
【教育 編】

美容サロンのインバウンド需要は全国的に高まっているとはいえ、まだ対策を始めていないサロンのほうが多数派。そんななか、関西を中心に多彩な美容サロンを展開する株式会社フォーサイスでは教育や集客へ向けた施策を実施し、多くの外国人旅行者を受け入れています。そこで今回から3回にわたって、同社のインバウンド施策を見ていきます。 ●お話を伺ったのは…「株式会社フォーサイス」営業企画部・中野真司さん

多い店舗では1カ月で50名ほどが海外からご来店!
外国人客が年々増加中のサロンに聞く、インバウンド施策。

2015年度の外国人客は前年度の2倍超に達する見込み!

「アリーズヘアー」「ヘアーミッション」などの店名で、関西圏を中心にヘアやネイルのサロンを多数展開している株式会社フォーサイス。同社が経営する美容サロンのうち、外国人客によく利用されるのは大阪の梅田と心斎橋、京都の祗園、東京の渋谷にある店舗で、ヘアサロンと着物レンタルの利用が多いとか。外国人客の来店者数は全店合計で2013年度は150人だったそう。それが2014年度は355人に増え、そして2015年度は750人に到達する勢い(2015年10月時点の推計値)。年を追うごとに前年度比で倍以上の外国人客が訪れているのです。  外国人客が順調な伸びを見せている秘訣は、同社のインバウンド施策にありそうです。その取り組みについて、営業企画部・中野真司さんにお話を伺いました。まずはお客さまを迎えるスタッフの教育について聞いてみましょう。

インバウンドを受け入れている4店舗のうちの一つ、大阪の「アリーズヘアー心斎橋OPA」。ヘア、ネイル、ヘッドスパ、アイラッシュのサロンを併設した複合美容サロン

スタッフへの英会話教育を2012年よりスタート。
注目は「ヘアサロンに特化した英会話」!

インバウンドの重要性を意識してスタッフ教育を改革。

同社がスタッフの英会話教育を始めたのは2012年のこと。「これから少子高齢化社会を迎える日本において、日本人相手の経営だけに目を向けていては伸び悩んでしまうという危機感がきっかけです」と中野さん。そして外国人客を迎え入れる準備として、英会話講師やインバウンドを専門とする人材を新たに社員として雇用。自社で英会話講師を抱えたことで、一般の語学教室へ社員を向かわせるよりも時間の融通が利き、営業時間外のサロン内での英会話講習も実現させています。  英会話講習の対象者は同社のヘアスタイリストが中心。受講には時間的負担がありますが、前述したインバウンドの重要性を初めに伝えたところ、どのスタッフも学ぶことに意欲的で英会話講習を好意的に受け止めてもらえたとか。スタッフのやる気を高めることができると、その後の学習効果も期待できそうです。

講習内容は実務ですぐ活用できるものに特化。

英会話講習の導入にあたり最も苦労したのは、英会話テキストの用意だったとのこと。というのも、一般的な教本ではサロンでよく使う単語やシチュエーションにはそぐわない内容となり、実務には役立たないことに…。そこでサロンで求められる英会話に特化した教本や講習内容をオリジナルで作成したのです。  講習内容はサロンでの受付から施術、お見送りまで実際にお客さまをもてなす場面に応じたもの。サロンで使う専門用語も取り入れられ、実践に即した英会話を学ぶことができます。受講スタッフの多くは初心者レベルの英会話力からのスタートでしたが、こうした講習を月4回ほど続けてきたおかげでスムーズに外国人客をもてなすことができています。  ちなみに同社では社員教育の経験をふまえ、美容サロンを対象とした英会話スクール事業も展開。個々のサロンが自前で英会話講習を行うのは難しいので、このスクールを利用して同社のノウハウを学ぶのもいいかもしれません。

受付やカットなどシチュエーション別に会話例を学んでいく

苦手意識をなくすため、実習やイベントなど
「英会話に慣れる場」もセッティング。

学んだあとは実践へ!国際交流イベントにブースを出店。

せっかく英会話を学んでも、いざ外国人客を前にしたときに話せないようでは困ります。そこで同社では外国人モデルを呼び、サロンでの一連の対応を練習するデモレッスンも実施しています。さらに、月1回のペースで国際交流イベントにも参加。イベント運営会社と手を組んで外国人が集まるイベントにヘアメイクブースを出店し、英会話講習を受講したスタイリストを派遣しているそう。お店に来店するのを待つだけではなく外国人と交流する機会を積極的につくり出し、スタッフが英会話に慣れるよう仕向ける作戦ですね。

国際交流イベントにヘアセットブースを出店した際の様子はインスタグラムに投稿して世界へ発信

お国柄の違いも調査して、クレーム防止に活用。

イベントやサロンで外国人客をもてなすようになった当初、同社では対応に関して気になった点をアンケートやヒアリングで調査したそう。中野さんによると「欧米ではチップを払う習慣があるため、『メニュー料金とは別にチップを払うものだと思っていた』と言われたんです。そのためうちのサロンではチップフリーという表示をするようにしました」。ほかにも日本ではわざわざ「無料」であると伝えずに施術後に肩をもみほぐすことも多いですが、「外国人のお客さまだと『有料サービスを押しつけられた』と勘違いされることもあった」とのこと。調査によってこうした国による風習の違いを把握し、スタッフに共有することで、誤解やクレームの防止に努めているそうです。

次回も引き続き株式会社フォーサイスの取り組みを紹介。テーマは「集客」です。

Salon Data

株式会社フォーサイス

店舗数
「アリーズヘアー心斎橋OPA」「ヘアーミッション」をはじめ大阪、京都、兵庫、東京にヘア、ネイル、ヘッドスパ、アイラッシュ、着物レンタルなどの店舗を13軒展開。美容専門の英会話スクール事業も行っている
URL
http://forcise.info/
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