海外のお客さまへの取り組み

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インバウンド対応

2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。

インバウンドイメージ

第4回 施術から空間まで和にこだわった
「Made in Japan」のSPAがオープン

2015年11月17日、東京・銀座に和をテーマにしたスパ「WASPA(わすぱ)」がオープン。サロンのインテリアから施術メニュー、おもてなしにまで「日本の美」をちりばめて、外国人旅行者の利用を意識したというこちらのスパ。どんなところなのか、さっそく訪問してきました。

●今回おじゃましたのは…「WASPA

組子(くみこ)の壁に、抹茶のもてなし、青竹セラピー…、
五感で日本を体験できる「Made in Japan」のスパ。

まずは茶室でカウンセリング。和の伝統文化を感じる空間。

「WASPA」が位置するのは2015年10月に地上13階建ての規模で新築された美容複合ビル「GINZA MISS PARIS」の5階。「WASPA」は「エステティック ミス・パリ」や「男のエステ ダンディハウス」を運営する株式会社ミス・パリの新業態デイスパなんです。
 さて、エレベーターを5階で降りるとまず目に入るのは、伝統工芸の組子や切子モチーフを内装に取り入れた受付スペース。そして案内されたのは受付に隣接する「茶室」です。とはいえ畳の間ではなく、イス席になっています。聞けば外国人のお客さまを意識してイス席にしたのだとか。畳敷きではなくても生け花や茶釜、丸窓から和のエッセンスは十分に感じられ、お香の香りにもほっと心和む空間です。抹茶と季節の和菓子を味わったら、いよいよトリートメントルームへ。男性用・女性用にわかれたスペースに全8つの個室があり、うち1室はツインベッドなので母娘や友達などペアで施術が受けられます。各個室の飾り棚にも日本を伝える演出が。美や健康をつかさどる小さな菩薩像が鎮座して、施術中のお客さまを優しく見守ってくれるんです。

左/組子の壁が印象的な受付スペース。純和風ではなく現代建築にうまく日本のエッセンスを取り入れたインテリア 右/抹茶をたてる水も日本三大名水を使用するというこだわりよう

トリートメントメニューも日本ならではのものを用意。

体験できるメニューは大きくわけて「日本健康・長寿ボディトリートメント」と「日本美人フェイシャルトリートメント」の2タイプ。なかでもイチ押しは青竹で疲れをほぐす全身マッサージ「青竹セラピー」で、使用する青竹はなんと世界遺産・京都醍醐寺で健康長寿の祈祷を受けたものだそう。ほかのメニューにも瀬戸内産の塩スクラブや、石川県金沢の金箔、富士山溶岩石のホットストーンといった国内選りすぐりの素材を使用しています。

左/醍醐寺で祈祷を受けた青竹でマッサージする「青竹セラピー」。気の流れを整え、筋肉をほぐしていく 右/伊豆大島名産の椿油と大分産ハーブをブレンドしたアロマオイルのトリートメントも

国内のみならず海外のお客さまがターゲット。
「日本観光のメインとして利用していただきたい」。

目指すは「日本を代表する、日本独自のスパ」。

そこかしこから日本文化が感じられる「WASPA」は、外国人旅行者の利用を意識したスパ。オープンにあたっての想いを、(株)ミス・パリWASPAブランドマネージャー、津布工佳奈さんに伺いました。
「タイに行ったらタイ古式、ハワイならロミロミなど、旅行先ではその土地ならではのスパを体験したいものですよね。ですが世界には各国独自の伝統的なスパがある一方、日本を代表するスパはぱっと思いつきません。WASPAオープンを前にホテルスパを調査してみても外資系のスパを導入しているところが多く、日本独自の商材やトリートメントを扱っているところはほぼありませんでした。そうした状況でホテルコンシェルジュの方からは『日本のスパを体験したい、と海外のお客さまにいわれてもご紹介できるところがない』といった声もありました。そこで当社では『日本でしかつくれない、世界で一つのJAPANESE SPA』を目指して、このWASPAを立ち上げたのです」。
 先に紹介したトリートメントメニューや内装だけではなく、接客・施術にあたるスタッフも海外のお客さまを受け入れるにふさわしい人材にしたそう。「ミス・パリやダンディハウスなど当社の従来のサロンで外国人のお客さまを受け入れた経験をふまえ、受付・セラピストともに英語、中国語、韓国語で対応できるスタッフを配置しました。現在はまだ対応できるスタッフは限られているのですが、今後は全員が英語と中国語で対応できるよう教育を進めています」。
 また、スタッフは語学に加えて茶道、華道、香道にも通じているというから驚きです。「WASPAが目指すのは、五感で日本を感じていただける世界に一つのJAPANESE SPA。トリートメントだけではなく、空間やおもてなしからも日本の伝統文化を感じていただける教育に力を入れました」。
 ターゲットとしては日本のインバウンドの多くを占めるアジア圏をメインにしながらも、いずれは世界各国からのお客さまを迎えたいという津布工さん。香港、上海、台湾、シンガポールにある同社サロンをフックにした集客に加え、旅行代理店と連携してツアーやオプションに組み込むことも企画中だそう。「日本への外国人旅行者は年々増加している状況です。そうした海外の方たちに、日本観光のメインとしてWASPAをご利用いただきたいと願っています」。

左/ジャクジーやシャワーブースを備えた個室も用意されている 右/銀座・晴海通りに面した「GINZA MISS PARIS」ビル。5階「WASPA」のほか、6階は「エステティック ミス・パリ」、4階には「男のエステ ダンディハウス」のサロンが入った美の殿堂だ

次回は月50名ほどのインバウンド利用があるというサロンの取り組みを紹介します。

編集・取材・文
大西智与

※掲載されている情報は2015年12月21日現在のものです

Salon Data

WASPA

住所
東京都中央区銀座5-10-2 GINZA MISS PARIS 5F
アクセス
東京メトロ銀座駅から徒歩1分
創業年
2015年11月17日
URL
http://www.wa-spa.jp/

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