アカデミー活用サロン
成長しているサロンが
始めたこと
サロン課題に応じたラインナップをそろえた、ホットペッパービューティーアカデミーのセミナー。
受講後、課題解決に向けた取り組みを始めたサロンの事例をご紹介します。
vol.12美容室 スプラッシュ(東京都渋谷区)
若者女子の言葉にならない本音まで
スルスル引き出すカウンセリング術とは?
白い床やインテリアにミントグリーンの壁が映え、明るく爽やかな印象の「スプラッシュ」は、街並みに溶け込むヘアサロン。ちびっ子から年配の方まで、近隣住民を中心に多彩な年代の方で開店直後から大賑わい。とはいえ住宅地という立地から、若い女性客の比率は少なめ。そこでスタッフ一同、20代女子のお客さま対策の講座に参加。さっそくその成果を感じているそうです。
当初のサロンのお悩み
- 場所柄、年齢層が高めのお客さまにかたよりがち。
- 繁華街というよりも住宅地なので、お客さまはご近所の主婦の方やファミリー、オトナ女性が多く、20代女性は3割ほど。若い女性の新規お客さま・リピーターを増やす余地はまだまだ残っているはず。とはいえ、そのためにどういった対策をとればいいのかはわからない…。
- スタッフ自体に20代女性が多く年齢ギャップを感じる場面も。
- オーナー以外のスタッフ6人は全員女性で、そのうち4人は20代。後輩を見る立場でもある30代の2人は、「後輩たちの想いをきちんとくみ取れているのか?」「もっといいコミュニケーション方法があるのでは?」と感じていた。20代女性の特徴や対応方法を学んで、それをスタッフ間コミュニケーションに活かしたい。
始めた取り組み
その1スタッフ全員で受講後すぐ復習し、接客スキルを磨き上げ。
- 講座は6名のスタッフ全員で受講されたんですね。
- 全員で受講するとその後の復習や実践もみんなでしやすいので、いつもなるべく都合をつけて全員で参加しています。受講翌日から、さっそく講座で習ったカウンセリング方法のロールプレイングをして復習をしました。
- どういった復習をされたのでしょう?
- 講座では「20代女性は意見を言うのが苦手だし、迷ってなかなか決められない。イエス・ノーで答えられる質問がいい」と教わりました。そこでお客さま役・スタッフ役にわかれてロールプレイングをする前に、講座でもらった「質問シート」に質問例を記入。お客さま役のプロフィールやオーダー内容といった設定も講座のシートを活用して書き出し、そのお客さま像に合わせて質問を考えました。
- ロールプレイングをしてみて成果はありましたか?
- お客さま役になってみて、選択形式の質問だと確かに答えやすいんだなと実感しました。スタッフ役としては、いろんなパターンの質問例を考えて試すことができて、実際に接客する際のいい練習になりました。実践後は「もう少しゆっくり話したほうがいい」とか「こんな提案をするのもいいかも」とお互いに気づいた点を挙げて、どんどん内容を改善していきました。
その2「答えやすい質問」を心掛けた結果、お客さまの本音が明らかに。
- 実際の接客にどう取り入れたのでしょう。
- 若い女性は、30~40代の女性と比べて「こうしたい」とはっきり意見が言える方は少数派。だけど何でもいいわけじゃなく、本音では数ミリ単位の微妙な長さまで気にする方も多くいます。また講座では、「迷っているのでプロである美容師からの提案も喜ぶ」とも教わりました。 そこでカウンセリング時や施術途中に、選択形式の質問を意識的に取り入れました。カットする場合も「前髪はここまで切る?それともこんなふうに横に流すのもアリですよ」と質問や提案をしながら、要望を引き出すようにしています。
- 取り組みによって変化は感じましたか?
- 以前から通ってくださる20代の女性客は、これまであまり要望をお話されないタイプの方でした。ところが質問の仕方を変えたところ、とても反応がよくてびっくり。質問の回答だけじゃなく、「それなら、こうしてみたい」と関連した要望も言ってくださるようになったんです。 これは嬉しい反面、これまでは「本当は違うけど、まあいいか…」と諦めさせていたのかも、と反省。「あ、大丈夫です」とお客さまが言った場合でも、「本当は大丈夫じゃないと思っているかも」という意識をもって、こまめに確認したり要望が言いやすいように質問したりするようになりました。
- ほかのスタッフも手応えを感じているようですか?
- スタイリストデビューしたての20代のスタッフは、これまでは同年代の若い女性客とお話がはずむものの、お互いに遠慮し合ってしまいカウンセリングに緊張すると悩んでいました。でも今回、質問の方法を学んだことで、「尋ねやすいし、要望も引き出しやすい」と話しています。
その3小さなサービスを強化して、お客さまとの関係性がより親密に。
- 始めた取り組みを教えてください。
- 仕上げ後の簡単なヘアアレンジの提案を、若い女性に対しては特に積極的にするようにしました。もうひとつはSNSを活用すること。彼女たちにとってSNSが身近なもので、友達とシェアして楽しんでいる、というお話が講座でありました。当店でも以前からSNSで情報発信はしていたのですが、これまではヘアスタイル紹介をメインにしたお客さまの写真を撮らせてもらうことが中心。受講後は「記念に一緒に写真を撮ってインスタに投稿していい?」というふうに、コミュニケーションにも活用するようにしています。
- ヘアアレンジの提案をする、とはどういう取り組みでしょう。
- これまでも仕上げ後に、簡単なヘアアレンジや家でできる巻き髪の方法をお伝えするサービスをしていました。30代以上の女性ですと、「やり方が知りたい」と聞いてくださって、そこからレクチャーに…という流れがよくあります。でも若い女性は興味があっても自分から「教えて」と言い出す方はあまりいません。そういう性質を今回、改めて学んだので、「時間があるならアレンジしてみる?」「普段のスタイリングどうしている?」などと、これまで以上にこちらから問いかけていこう、とスタッフ間で話して実践しています。
- SNSを活用したコミュニケーションで変化はありましたか?
- お客さまが写った写真をインスタに投稿していいかと尋ねると、「ここに私、載っているんだって友達にも教えます」とみなさん喜んでくださいます。またヘアアレンジの写真でも、撮っていいか尋ねると、「じゃあ私のスマホでも撮ってください」とお客さまが言い出すことも。「自分からは撮ってと要求しづらい」というお客さまもいると思うので、いいきっかけにもなっていると感じます。
その4学びを活かして、20代スタッフとのコミュニケーションも向上。
- 始めた取り組みを教えてください。
- 20代女性のお客さまたちの特徴や対応のコツは、20代のスタッフにもそのまま当てはまるはず。そう考えて、彼女たちとコミュニケーションをとる際にも「選択形式の質問」を取り入れました。
- やってみて手応えは感じましたか?
- これまでミーティングで「どう思う?」と尋ねても、あまり意見を言ってくれないスタッフもいました。これは質問の仕方がよくなかったんだ、と気づいて選択形式で聞くようにしたところ、意見を引き出しやすくなりました。この方法を今後も取り入れていきます。
NextChallenge!
まだ受講して1カ月弱ですが手応えは感じているので、今後も学びを実践していって若い女性客を増やすのが目標!ホットペッパービューティーアカデミーの講座はほかにも受講していて、受講を始めてからは前年同月比で売上もアップしたんですよ。だからこの調子で取り組みを続ければ、若い女性のお客さまも増やせるはずだと思っています(笑)。そして実践を重ねてノウハウが固まってきたらテキストにまとめて、今後の後輩教育にも役立てたいです。
Salon Data
美容室 スプラッシュ
- アクセス
- 東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩3分
- 創業年
- 2001年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- 5席
- スタッフ数
- 7名(うちスタイリスト5名、アシスタント2名)