先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.104
オーナー、仲間、地域制度に支えられ、
充実感を得るシングルマザーの働き方とは?
2歳の男の子を育てながら笑顔でしなやかに仕事をがんばる石黒真由さん。妊娠中に一度美容師の仕事を辞めたものの、以前勤めていたサロンの上司から声をかけられスタイリストとして復帰。その後、シングルマザーになってから、周りの人々の支えなどのおかげで仕事と育児を両立しています。それを可能にしている石黒さんの環境や働き方とは?
Staff Data
石黒真由さん 32歳
スタイリスト。「LUKE free蒲郡店」「デューポイントフィール蒲郡店」勤務。
スタイリスト歴9年。
2歳の男の子のママ。
10:00〜19:00の正社員。
石黒さんのLife History
★…ターニングポイント
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18歳
高校時代に調理師免許を取得するものの、飲食業界が就職難で、サロンに就職。サロンでのバイト経験があり、美容にも興味があった。
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21歳
サロンで働きながら通信教育で美容師免許を取得。
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23歳
スタイリストデビュー。お客さまをキレイにすることは好きだったが、人見知りで会話などが不得意で悩んだ時期もあった。
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27歳
元のサロンが通勤に不便だったこともあり、日曜日定休で通いやすいサロンに転職。ここで現在のオーナーの福本貴子さんと出会う。
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28歳
長男を授かり結婚。産休を取るつもりだったが、手違いで退職扱いになっていたため、そのままサロンを退職。
仕事はしたかったので、長男が生後5カ月の頃から近所の薬局で土日だけパート勤務を始める。 -
29歳
★独立して「LUKE free」を開業していた福本さんから連絡をもらう。「子どもを連れてきてもいいからうちで働かない?」と誘われスタイリストとしてパート勤務で復帰。
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30歳~
保育園が見つかったタイミングで正社員に。その後離婚してシングルマザーとしてひとりで子育てと仕事の両立を始める。
石黒さんへのインタビュー
Q. 妊娠中に一度スタイリストを辞めた理由は?
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A. 自分は辞めたくなかったのですが、前例がなかったので手違いで退職になりました。
私自身は美容の仕事が好きでしたし、産休を取って復帰する予定でした。当時いたサロンには子どもが大きなママスタイリストはいたものの、スタイリストが妊娠した前例がなかったようで、産休のつもりだったのが退職扱いになっていました。それで前のサロンには戻りづらかったため、出産後は薬局でパートを始めました。まだ保育園も決まっていなかったので、元の夫が休みの土日だけの勤務でした。気持ちとしては、美容の仕事をまたしたいと思っていましたが、子連れで働けるところがあるかわからなかったですね。
Q. 現在のオーナーさんからの誘いで、復帰を決意できたのはなぜでしょうか?
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A. 「子どもを連れてきていいよ」とおっしゃってくださったことです。
「LUKE free」のオーナーは、以前務めていたサロンの上司です。私が妊娠・出産している間にオーナーが独立していて、共通の仲間づてに私が美容師の仕事から離れていることを知ったそうです。それで「子どもを連れてきてもいいから、うちで働かない?」と誘ってくれました。「LUKE free蒲郡店」はオープン当初からキッズルームを設けていて、仕事中に子どもが遊んでいられる場所があるのです。
お声をかけていただいたときは、まだ保育園に入れていなかったので、最初の半年はパート勤務で10:00〜16:00で勤務させてもらうことになりました。スタッフがいい人ばかりで、みんなで交替で長男の世話をしてくれて、本当にありがたかったです。
保育園に入れてからは、9:00〜19:00の正社員として働き始めました。保育園のお迎えもスタッフやオーナーのお友だちが手伝ってくれたり、サロンのみなさんに育てていただいた感じです。でも、甘えてばかりいられないので、現在は自治体のファミリーサポートセンターを利用しています。
Q. その後シングルマザーになり、仕事と育児の両立で大変なことは?
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A. 時間に追われて何もかもが大変。でも、お客さまの指名が増えて充実しています。
朝は5:00起きで、夜23:00頃に寝るまで、常に時間に追われているようで大変と言えば全部大変です。時間をいかにうまく使うかの工夫が大事なので、朝、息子を保育園に送った後に夕飯の支度をしてから出勤するなどしています。続けてこられたのは、周りのスタッフの理解と協力のおかげですね。
生活がかかっているという理由だけでなく、スタイリストに復帰してよかったと思えるのは、やっぱりお客さまに喜んでいただけることです。指名も増えてきて「私のことをいいと思ってくださっている」ということが、仕事や人生の原動力になります。人見知りでサービス業が向いていないと思ったこともありますが、そんな私を必要としてくれる方々がいるという充実感を得られる仕事だと思います。
Q. 限られた時間の中で、仕事、子育てで心がけていることは?
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A. 「人にやさしくすると自分に返ってくる」というオーナーの言葉を忘れないようにしています。
スタイリストとしては、練習できる時間が少ない分、最新のトレンドを意識するよう情報収集は心がけています。また、スタッフの協力あっての両立です。オーナーはいつもスタッフに、「自分がされてイヤなことは人にしないこと。人にやさしくすれば必ず自分に返ってくる」と言っています。忙しいとついイライラして周りにきつく当たってしまうこともあったので、オーナーの言葉を忘れないように気をつけています。
子育てでは、息子となるべく長い時間一緒にいてあげられるようにしています。しつけとして怒るときもありますが、ふたりで楽しく過ごしたいので、できるだけやさしく接してあげたいと思っています。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
スタイリストは資格のある仕事。せっかく免許を取って技術も身につけているのですから、結婚や出産しても続けてほしいと思いますね。人から必要とされる場が、家庭だけでなく外にもあって、それが収入にもなる仕事ってとても貴重なことだと思います。がんばってください!
Salon Data