2021年4月創業の「ロレイン」は、わずか1年足らずで計17店舗というスピード展開!次回予約が取りづらくなったら、近隣に出店するドミナント戦略で急成長している。今回おじゃましたのは、アイブロウに特化した「ロレインブロウ」。難波店は2021年7月にオープンしたばかりだが、徹底した仕組み化で、初月から集客は好調だという。その“仕組み”とは?
東 将大さん
高校・大学時代に某居酒屋チェーン店にてバイト。社長や本部社員に憧れを抱き、大学1年で中退後、その居酒屋に入社。ベトナム店の立ち上げなどに関わった。独立への想いが強くなり、マンションサロンであれば飲食店に比べて開業費が抑えられると、美容サロンをオープン。
人気メニュー「ハリウッドブロウリフト」とは?
ーお店のウリだという「HBL=ハリウッドブロウリフト」というのは?
海外で人気に火がついたブロウラミネーション、いわゆる眉毛パーマです。メーカーの研修に参加し、ディプロマ(受講資格)をもらい施術することができます。専用のセッティング剤やスタイリング剤を用いて、眉毛の毛流れを作り理想の形に仕上げます。ベタッとならずにふんわりした状態を約1カ月キープできるんです。アイブロウサロンを出したきっかけは、うちのスタッフがおすすめしてくれたこと、当初まだ大阪市内で導入しているサロンが少なかったこと、Instagramなどで人気が出始めていたことからです。
今はマスクをすることが多いですが、目元は見えますよね?そういったこともあってか、コロナ禍でも集客は順調です。
約8割のお客さまが、次回予約を!
―具体的な集客数は、どのくらいですか?
オープン初月の7月は約180名、8月は約300名、9月は約380名と、順調に伸びてきました。また、「次回予約」を取っていくお客さまも8割ほどいます。
―それはすごいですね!どのような工夫を?
マニュアルをつくって、全スタッフに徹底していることが大きいと思います。入店~退店までの流れのなかで、次回予約をご案内するタイミングやトークなどを細かく定めています。あと、お客さまにとってメリットがある価格設定を行っています。
もし、「次回予約率」が低い場合、マニュアルがわかりづらい可能性を加味して内容を見直します。また、スタッフごとに「次回予約のキャンセル率」も見ています。次回キャンセルが10%くらいは仕方ないと思うのですが、30%近くになったら、お客さまに対して無理に次回予約をすすめてしまった可能性もあるので、そのあたりは気をつけるようにしています。
―スピード出店を叶えていますね。出店エリアの選定やタイミングは、どのように考えていますか?
既存店舗の空き枠を見たうえで、主要駅かつ近くのエリアに出店(ドミナント戦略)しています。今回でいうと「難波店」が好調で次回予約が取りづらくなってきたので、ここから電車で1駅先にある「心斎橋店」を、2021年の10月にオープンしました。そうすることで、新店でもオープン初月から、集客ができる仕組みです。
ホットペッパービューティーで、ブランディング?
―ホットペッパーを見ると、予約が取れない「×」印が多いですね。
直近だと予約が取りづらい状況ですが、それもひとつの「ブランディング」と考えています。「×ばかりで空き枠が少ないと、広告費に対する費用対効果が悪い」と考える方もいるかもしれませんが、僕は逆。お客さまからしたら「×が並んでいる=人気サロン」…だからこそ、「どうしてもここに行きたい!」という気持ちが強くなると思うんです。
―サロンボード(ホットペッパービューティーの予約・顧客管理システム)で、活用している点は?
特に重視しているのは「PV(見られたページの総数)・CVR(サロンのトップページ→クーポンページに遷移した割合)・ACR(予約完了したお客さまの割合)」の3つ。ページのどこで離脱しているか、どのブログがたくさん読まれたかなどわかるので、改善のヒントになります。
今、何が流行っているかは、本部スタッフや、ホットペッパービューティーの営業担当の方にも聞きます。SNSもくまなくチェックしますね。特にInstagramは外国からの流行が少し遅れて日本に入ってくるので、アメリカ・韓国・ロシアなどの美容関連の投稿を参考にしたり。今の流行だけではなく、「次にどんな流行がきそうか」というのもおさえたうえで、ホットペッパービューティーのメニューやキーワードを考えます。
―とても順調に進んでいるように見えますが、現状課題はありますか?
実は「口コミの数が少ない」というのが課題で…。それはスタッフが悪いのではなく、ホットペッパービューティー経由のお客さまに対して、口コミ推進することをマニュアルに入れていなかった僕が悪いんです。何店舗か経営して感じたのは、口コミ数が一定数を超えるとグッと集客が加速していくこと。お客さま目線で見ても、たくさん口コミが入っているサロンのほうが、いいですよね。
たとえマイナスの口コミが入ったとしても「お客さまが声を上げてくれたおかげで、改善するチャンスができた!」って思います。
マニュアルの存在が、人間関係も良好にする!?
―スタッフ間のコミュニケーションは、どのように行っていますか?
基本的に、ミーティングはあまり行わないようにしています。ただ、スタッフにとってサロンが「学びがある場」になるようにしたいので、店販の売上が好調なスタッフのトークやコツを、ほかのスタッフに共有してもらう全店舗ミーティングなどはオンラインで行っています。
あと、日々の良いできごとや気を付けた方がいいと思ったことなどは、スタッフ全員が参加するグループLINEで積極的に発信してもらっています。
―スタッフ同士、とてもいい雰囲気だと感じました。
働くうえで、人間関係は大切ですよね。人数が増えると、時にもめごとが多くなる場合も…。だから、うちではどの店舗も「3席以下」「スタッフは4名まで」を意識しています。全てマニュアル化して、スタッフ同士のコミュニケーションをあえて減らすようにしているんです。
あと、店長をおかない!これは、店長の好き・嫌いのフィルターを通して、スタッフを見てしまうことを避けるためです。僕は、全スタッフ平等に接したいので、数字で見るように心がけています。
―今後の目標は?
美容業界のネガティブな部分=離職率の多さを解消したい、という想いがあります。うちは全員、社員雇用で完全週休2日制、お給料も「前にいたサロンの倍近く」というスタッフもいるくらい厚待遇だと思います。労働時間が長くならないよう、スタッフ1人あたりの1日入客数も「5名まで」と決めて。創業以来、直営のアイサロンでは離職ゼロです。
現時点で20店舗まで出店が決まっていますが、来年2022年中には50店舗を目指します!ゆくゆくは全都道府県、制覇したいですね。この“仕組み”さえあれば、それも可能だと思います。
SALON DATA
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ロレインブロウ 難波店
- アクセス
- JR「難波駅」より徒歩2分、地下鉄「なんば駅」より徒歩3分
- 創業年
- 2021年
- 店舗数
- 17店舗(アイサロン16、エステサロン1 ※FC含む)
- 設備
- ベッド3(難波店)
- スタッフ数
- 4名