｜第６章｜美容師の価値を上げることからサポートしたい

野嶋　サロン経営から、プロダクトの紹介、教育へと幅を広げられているお二人ですが、サロン業に特化することは考えていらっしゃらないということですか?

潤一　プロダクトを通じて、資本力がつきますからニューヨークで規模を大きくしていきたいですね。そしてＮＹで、美容学校をやりたいと考えています。次のステップにいくための学校。専門用語やテクニックを学べる場を作りたい。

Aya　私みたいに、「日本飽きちゃったどうしよう」という人が行けるような（笑）。語学学校ではなくて、自分たちの専門用語もアメリカのスタイルも習って、ビザもとれてというシステムを作れたら、と思っています。

野嶋　そのスタイルができると、特に女性がチャレンジしやすくなりますよね。

潤一　ＮＹにはそういう学校がいっぱいあるんです。美容の学校も作れればいいなと考えています。日本にサロンを作って売上を上げていくんじゃなくて、向こうに行きたがっている人のサポートをしていくことをしていきたいですね。

野嶋　最後に改めて、女性美容師として、40代50代まで力強く、社会や家族と付き合いながら現役でいきつづける。その秘訣をもう一度うかがいたいのですが。

Aya　よく秘訣は何ですかって聞かれるのですが、かっこいい言い方すると、毎日をハッピーに生きるってことです。簡単なことなんですけれど、軽いことではなくて、毎日毎日の成果ですよね。日々の達成感ですよね。英語で「Fulfillment(フルフィルメント）」って言葉があるんですけれど、毎日何かを達成していくという繰り返しですよね。このチャレンジやってみようかな、またできた。またやってみようかな、またできた。その喜びですよね。それが秘訣ですね。かっこいい言い方してすみません。(笑)

野嶋　日本の女性美容師さんに、メッセージをいただきたいのですがいかがでしょうか。長く働き、稼げるようになるためには？

Aya　辞めないで続けること。そして自分で環境を作ること。店任せにしない。自分はこれだけやっているんだからこうしてほしいという提案ができること。自分はこれだけ稼いでいるのだから、今度子供を産むけれど、これだけの期間休みがほしいと言えるようになること。それが言えるまでやりつづけること。最終的には、社会に貢献すること、お客様に貢献すること。辞めちゃだめですね。

野嶋　今日は貴重なお話をありがとうございました。

（写真／中野愛子　文／増田ゆみ）