第2章メディアの注目を集めるための手法とは?
「コンセプトがはっきりしていて、そこにストーリーがあれば
メディアからもすごくいい反応が返ってきます。」
ウカにブランドスイッチして以降、オリジナル商品第1弾としてネイルオイルを発売しました。欠品になるほど売れ、「伊勢丹・新宿店」や「ビームス店舗」でも販売されるなど話題を呼びましたね。
これは季穂がずっと温めてきたアイデアを形にしたもの。商品開発、営業、ロジスティック担当やプレス担当が裏方として支えた面もありますが、季穂自身が人気者で応援してくださる広い人脈があった。そんな彼女をインフルエンサーにして広まっていった点も大きいです。
メディアへの露出が多く、その点も非常に戦略がうまいと感じています。社内にプレス担当が複数名いるサロンも、珍しいですよね。
商品はサロンワークで培ってきた技術やサービスのたまものであり、商品が売れれば今度はそれがサロンにいい効果として還元される。ですから、商品開発やセールスプロモーションはおろそかにできません。
社内のプレス担当者はPR会社出身のスタッフなど現在4名。先ほど言ったようにウカのブランドビジョンは「うれしいことが世界でいちばん多いお店」ですが、商品に込めた「うれしいこと」を生活者に伝わるように変換するにはプロの手が必要です。そして広報素材に一つひとつ反映していくには、外部会社ではなく身近にいてくれないと、とても間に合わない。
そうしてコンセプトがはっきりしたプレス向けの案内を出すと、メディアからもすごくいい反応が返ってきます。現在は月に150件ほどメディア露出があります。商品自体に自信があるので、あとはいかに目に留めてもらうか、興味を引くネタ勝負だとプレスのみんなががんばってくれています。
プレスの方だけではなく、サロンで働くスタッフの商品紹介からも商品への愛を感じます。実際に愛用しているんだろうなというのが伝わってきました。
新人スタッフであろうとも、お客さまへ商品プレゼンができるように教育しています。うちの商品は「他社にはない独自性のあるもの」「差別化できてユニークであるもの」という点にこだわって自社開発しているため、プレゼンしやすい材料が揃っているとも言えますね。