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第3章教育事業&異業種コラボ。新たなる挑戦へ

「本物にフォーカスしたウカ流の
“トータルビューティ”を世界中に。」

社内教育プログラム「ウカデミー」のネイル部門のベーシッククラスでは、時間をかけてまず最も大切にしているケアを教育。また完成形だけではなく施術工程の統一化も重視して「ウカクオリティ」を全員が身に付けられるようにしている

教育面の改革も進められてきました。現在の教育体制について教えてください。

先代からの理念である、「本物の技術、本物の感性、本物の気配り」を形にした教育プログラムを「ウカのアカデミー」=「ukademy(ウカデミー)」と名付けて行っています。具体的にはネイル、ヘア、ヘッドスパそれぞれの部門ごとに技術や知識を学ぶもので、「ベーシック」のほかに「プロフェッショナル」「マネジメント」の3つのステージを用意しています。

入社後の3カ月間ほどは集中トレーニングの期間で、平日の午前または午後は出勤扱いでウカデミーで学び、土日にサロンに出るスタイルです。

何か変化はありましたか?

研修を終えてサロンに戻って来た新人たちは、目に見えて成長しますね。またウカデミーを導入して以来、離職率の低下にも効果が見られますね。美容業は常に学べる環境にすることが大切な職業で、新人に限らず、ウカデミーの「プロフェッショナル」ではより深い技術を、「マネジメント」では組織運営やマーケティングを学べます。技術者としてだけでなく、店長やマネージャー、あるいはトレーナーとしても働ける道筋ができるんです。

以前にスタッフから聞き取りをした際、「美容業はキャリアパスが描きにくい」「少子化などの社会状況により独立しても成功が難しい」という課題があると気づきました。美容師を辞めてしまう人も少なくない。でも美容業自体が嫌になったのではない限り、「働き続けることができる環境があるなら人は辞めない」と思うんです。そうした働く環境において、ウカは「最強」になりたいと思って改革しています。

社内の教育部門として立ち上げた「ukademy(ウカデミー)」ですが、2016年10月には法人化し、「UKADEMY LIVE(ウカデミー ライブ)!」として社外向けのアカデミー事業もスタートされました。こちらを始めた理由は?

この講座が主に対象としている受講者は美容業界の人々。でも業界のために、というよりも「生活者のために」との想いから始めました。美容業というのは人を育てることが難しい業界です。そしてしっかりとした教育に支えられたサービスと、そうではない、教育不足による不十分なサービスが、同じ価格で提供されている状況。これは結果的には生活者に迷惑をかけていることになり、ひいては美容業界全体のファンを減らすことにつながります。ですから社内教育で培ったノウハウを、外部のみなさんにも役立ててもらえたらと思っています。

近年は社外向けのアカデミー事業を展開する美容サロンも増えています。そうしたほかの講座との違いは?

一番の違いは「LIVE=リアルの場」であること。ネットを介して講座を行うところも多いですが、実際に講師と受講者が顔を合わせて学ぶ場を提供することにこだわっています。本物の音楽を知るにはYouTubeよりもライブ演奏が適しているように、講座もライブでこそ本物を伝えることができると考えています。

今後さらに計画していることは?

国内外のパートナーと手を組んで、「ウカ流のトータルビューティサービス」を地球上に広げていきたいと考えています。トータルビューティというのは美容サロン運営に限らず、カフェかもしれないし物販かもしれない。マーケットに必要なものに応じて形を変えて、結果としてお客さまの満足度を向上させられたら成功だと思います。「うれしいことが世界でいちばん多い」というコアな部分は変えず、「手法を変えていく」ということですね。

「世界へ広める」とは、直営店を各地に展開していくという意味でしょうか。

直営に限らず、ウカで蓄積したノウハウを提供するウカデミー ライブも、ウカが持つ価値を広める手段だと言えます。また、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブと組んで立ち上げた「Cu by uka(シーユー バイ ウカ)」も同様です。これは大阪梅田の蔦屋書店と東京二子玉川の蔦屋家電に併設したサロンで、ヘアカラーやネイルといったメニューのほか、書籍やDVDに関連したサービスやイベントも提供していく新しいトータルビューティサロン。現在この2店舗は直営ですが、「枚方T-SITE」においては直営店をモデルにしたフランチャイズ1号店もオープンしています。また、2016年10月にはマレーシアに開店した「ISETAN The Japan Store Kuala Lumper」内に、現地サロンとコラボレーションしたトータルビューティサロン及びジャパニーズスタイルの食事を提供する「ukafe(ウカフェ)」をオープンしました。

美容業界の未来について、今後どうなっていくとお考えですか?

世の中の流れとしては機械化やAI(人工知能)、超高齢化社会の到来は避けられません。AIの普及によって職が脅かされる業種もあると言われていますが、そうした世の中でも美容マーケットには可能性があります。なぜなら美容サービスというのは機械に代替されるものではなく、とても人間的なサービスだから。だからこそ機械にはマネできない、より研ぎ澄まされた本物のサービスを目指す必要があるし、「あうん」の呼吸が伝わるようなライブ形式のアカデミーの重要性もここにあります。

超高齢化社会の到来に備えては、80歳まで働けるビジネスモデルが求められると考えています。

確かに人生100年の時代には80歳まで働くスタイルが一般化するかもしれませんが、80歳まで働き続けるのは大変ですね…。

それは今の週5日、1日8時間働くようなスタイルを想定しているからではないでしょうか?そうではない、新しい働き方を構築するんです。また雇用面で新たな形が求められるだけでなく、超高齢化社会は美容業にとってビジネスチャンスだとも捉えます。働くということは人と交わるということ。人と会うからには身だしなみを整える必要があり、身だしなみと美容サービスは密に関係しています。ですから超高齢化社会になると、美容業には新たなニーズが出てくると思います。

美容業は人を育てるのが難しいとお話ししましたが、しっかりと育てる環境を用意して、技術者を鍛えていくともっと素晴らしい産業になると思うんです。街角の理容室からスタートした我々が、どこまでいけるか。これからもチャレンジあるのみです。

  • 「Cu by uka(シーユー バイ ウカ)」のコンセプトは「ファストビューティだけど、より健康的!」。メニューをヘアカラー、ネイル、ヘッドスパに厳選しており、ネイルとヘアカラーが同時に楽しめる、鏡のないロングテーブルを前にして施術。お客さまは施術中、本を読んだりドリンクを飲んだりと寛いで過ごせる

  • ヘアの「ウカデミー」は基礎技術をしっかり教育するほか、感性や気配りについてもしっかり学べるプログラム内容。ベーシッククラスを終えたスタイリストは、カラー、パーマ、ヘッドセラピーなどの専門科目を選択するプロフェッショナルクラスを受講できる

 インタビュー中、弘幸さんの口から何度となく出てきたのは、
ウカの社長で奥様でもある、季穂さんのお名前。
豊かな発想力で、斬新なアイデアを自分らしくウカらしく昇華させる季穂さん。
市場を読みとり、そこに合った表現をブレないストーリーで形にする弘幸さん。

 得意分野をいかしながら、お互いにリスペクトは忘れません。
共通しているのは、常に「時代の一歩先をみる力」。
お2人の視線の先に何があるのか?
世界に羽ばたくウカブランドから、今後も目が離せません。

季穂さんよりひとつ年下の弘幸さんの猛アタックで、お2人の交際が始まったのは、なんと10代の頃!(写真は20代後半、伊豆下田への旅行にて)

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