先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.88
半年で店長就任、店舗売上のギネスも!
ネイリストからキャリアUPしたママとは?
首都圏、東海、関西に40店舗のネイルサロンを展開する「FAST NAIL」。上四元(かみよつもと)絢さんは、その経営母体である「コンヴァノ」で、スーパーバイザー(エリアマネジャー)を統括する、シニアスーパーバイザーとして活躍中です。「1日も早く会社に必要とされる人材になりたかった」と語りつつ、元歌手という異例の経歴の持ち主。まわりを元気にする上四元さんの、現在までの道のりについてうかがいました。
Staff Data
上四元絢さん 34歳
シニアスーパーバイザー。
「コンヴァノ」(東京都渋谷区)勤務。
ネイリスト歴6年、スーパーバイザー歴2年。
3歳の女の子のママで、現在2人目を妊娠中。
10:00〜19:00のフルタイムで勤務。
上四元さんのLife History
★…ターニングポイント
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20歳
音楽の専門学校を卒業。ダンスユニットボーカルグループで歌手として活動。
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25歳
歌手活動に終止符を打ち、IT企業に就職。法人営業を担当。この頃、今のご主人と出会う。
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27歳
物の営業より、サービスを提供して人を笑顔にする仕事をしたくなり、コンヴァノにアルバイトとして転職。2カ月後、正社員に。
この頃、ご主人と入籍。 -
28歳
正社員になって4カ月後に、店長就任最短記録で「FAST NAIL大宮店」の店長に。
グループで最大のリピート率を記録する店舗に育てる。 -
30歳
★「FAST NAIL新宿店」に店長として異動。
異動して3カ月で、グループの店舗売上のギネスを達成。
秋に長女を妊娠。 -
31歳
長女を出産。産休・育休に入る。
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32歳
長女が1歳3カ月のときに復帰。「FAST NAIL池袋店」にスタッフとして勤務。
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33歳~
★復帰して8カ月後に、シニアスーパーバイザーに昇格。店舗を担当するスーパーバイザー(エリアマネジャー)を統括する職務に当たる。スーパーバイザーとしていきなりシニアで就任する異例の昇進だった。
上四元さんへのインタビュー
Q. 元歌手からIT業界、そしてネイル業界と全く異なる業種へ転職し、コンヴァノを選んだ理由は?
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A. 新しいネイル業界を築ける会社だと思い、入社を決めました。
学生の頃は夢を追いかけていましたが、20代半ばになってちゃんと就職しようとIT業界に入りました。営業の仕事をしながら、「自分が本当にやりたいことって何だろう?」と考えたときに、「お客さまを笑顔にできるサービスを提供すること」だと気づいたのです。自分もネイルが好きで、ネイルをすると元気になれるので、成長していたネイル業界に転職を考えました。
ただ、当時のネイル業界は小さなサロンが多く、社会保障や福利厚生が少ないところがほとんど。その中で「コンヴァノ」は新しい企業なのに、制度が整っていて、ベンチャーとして挑戦していく姿勢にワクワクしたのです。その頃はまだ、ネイルはデザインが派手目で凝っているものが多く、価格が高く、限られた一部の人が楽しむものでした。「コンヴァノ」はそれを「FAST NAIL」というブランドで、「シンプルなデザインで低価格で提供し、誰でもメイクのように楽しめるものにしよう」というビジョンを持っていました。面接で、当時の創業社長が「一緒に新しいネイル業界を築こう!」とおっしゃった言葉に共感し、入社を決めました。
Q. 店長になったときも、いきなりシニアスーパーバイザーになったときも異例の昇進。戸惑いはありませんでしたか?
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A. 「昇れるところまで昇ってみたい」気持ちは最初からありました。
入社のときに、当社のさまざまなキャリアパスについて説明を受けて興味をもっていました。入社したのが20代後半で、すぐ入籍しましたので、「この先、妊娠・出産などライフステージが変わることもあるだろうから、それまでに必要とされる人材になっていたい。だから少しでも早くキャリアを積んでいきたい」と思っていました。だから店長にも早くなりたくて、人一倍がんばりましたね。
また、人材育成にも興味がありました。人が育ってキラキラしていく姿を見るのって楽しいですよね。「ネイルをファッションとして楽しむ」という会社のコンセプトも好きだったので、それを早く世の中に広める立場になりたかったというのもあります。シニアスーパーバイザーになったときは会社からの辞令でしたが、すぐ「やりたい!」と思いました。この先も、昇れるところまでは昇ってみたいです!
Q. 新宿店時代に過去最高の売上記録を達成していますが、何を工夫されたのですか?
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A. スタッフのいいところを引き出し、店長として達成への情熱を伝えました。
新宿店は「FAST NAIL」の1号店で、もともとグループの中で最も売上を上げていた店舗でした。それなら私が入ったら、その売上を過去最高にしたいと思ったのです。
そのためにはスタッフ一人ひとりの力が必要です。当時10名のスタッフがいましたが、毎日のようにスタッフ一人ひとりとミーティングして、日々の目標を確認し、やるべきことをフィードバックしました。それぞれのスタッフのいいところを引き出すようにしてアドバイスするなど、やる気を喚起しました。私の「絶対に達成するんだ!」という情熱がスタッフに伝染したのも大きいと思います。当時の私はちょっと怖かったかも。でも、お客さまが以前にも増して来店してくださるようになり、みんな楽しかったと思います。スタッフと毎晩飲みに行ってましたから(笑)。
当時のスタッフの多くは、現在店長やスーパーバイザーとして活躍していて、それがとてもうれしいです。
Q. 仕事と育児の両立は大変ではありませんか?
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A. 子育てと人材育成は似ていることがたくさんある。相互に役立っています。
私はそもそもあまり両立できているとは思ってないですし、自分ひとりだけで両立させるのは私には無理です。夫や義母の協力など、周りのサポートのおかげです。でも、保育園の行事や娘の体調で会社に迷惑をかけることもあるので、会社にも家族にも、「働かせてもらっている」という感謝の気持ちしかないですね。会社で部下を育成していたノウハウが子育てにも活かせますし、子育てで発見したことを人材育成にも活かせて、相互に役立っています。
出産前は全力投球で仕事をしていましたが、産後はいい意味で肩の力が抜けた感じです。自分が次世代を担う後輩たちの、ママとしてのロールモデルになれればと思っていますので、無理のない働き方を心がけています。
ただし、残業ができなかったり、働ける時間が短い分、「生産性の高い仕事をして成果で会社に返そう」と意識しています。そのために、1日の時間を区切って、細かくタスク管理をするようにしています。出産前は感覚でやっていたことを、きちんと時間のゴールを作って「それまでに必ずやる」と決めて動くようになりました。
娘とのスキンシップも欠かさないようにしています。一緒にいられる時間が短い分、土日は必ず出かけるようにして、娘にいろいろな刺激や思い出を与えてあげたいと思っています。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
当社は制度は整っていましたが、私が妊娠したときは、まだママスタッフの前例が多くはありませんでした。だから、「自分にできること」と「自分にできる時間」について上司にプレゼンしました。会社から与えられることを待つより、自分から方法論を考えて動くことも必要だと思います。そのためにも、「出産してもいつでも戻ってきていいよ」と言われる人材になることです。目の前のことにベストを尽くし、おもしろく仕事をしていきましょう!
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