連載ショートストーリー
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マーコ
4年間スタイリストとして活躍し、妊娠を機に退職。現在は専業主婦。31歳。IT企業に勤める夫と、2歳の長女と幸せに暮らしつつ、美容師に戻りたい気持ちが高まってきている。
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マーコの夫
マーコとは専門学校時代の同級生。元美容師。結婚を機に家族との時間をつくるために転職。IT企業で営業をしており収入はそこそこ。家族が一番大事な「気持ちはイクメン」。
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マーコの長女
2歳。元美容師夫婦の娘だけあって、キラキラしたものやキレイなものが大好き。ママに髪をかわいくしてもらうのが何よりうれしい。夢はパパのお嫁さんになること。
仕事に復帰したら
パパにももっと育児や家事を
やってもらいたいけど…
子育ての専門家
言葉だけでなく表情で感謝を表し、指示は具体的に。
山本直美さん
NPO法人子育て学協会会長
幼児教育プログラムの開発、子育ての専門家「チャイルド・ファミリーコンサルタント」の育成など、保育者・親子向けに幅広く活躍中
ご主人をやる気にさせるコツは大きく分けてふたつあります。ひとつは、何かやってくれたときに感謝の気持ちを伝えて、認めてあげることです。そのときに、「笑顔」で伝えること。夫は妻の言葉よりも、表情をよみとろうとします。だから「ありがとう」と言ったときの妻が笑っていると、うれしくてまたやる気になってくれます。
もうひとつは、お願いしたいことは細かく指示を出すこと。例えば夫に「洗濯しておいて」とお願いしたら、「洗濯機は回してくれたけど、干さなかった」という経験はありませんか?そこでもし妻が怒ったら、何を怒られたかわからないのが男性なのです。「洗濯機を回して、終わったら干して、乾いたら取り込んで畳んでおいてね」と言わないと、妻が求めていることが通じない面倒な生き物なのです。でも、そこを面倒と思わずに、最初から細かく指示を出しておけば、「なるほど!」とその後もやり続けてくれます。お礼を言うときも、ただ「ありがとう」だと、何に感謝されているかわからないので、「洗濯物を全部やってくれてありがとう」と言ってあげてください。そのときに笑顔を忘れずに!
サロンオーナー
夫の協力は必須。ほめて、感動させて、リピートを狙いましょう。
SK Group・岐阜
サロン勤務時代はずっとパートだった、ご自身も2児のママ
私自身、サロン勤務時代からふたりの子どもを育てながら仕事をしていました。育児と仕事の両立には夫の協力が欠かせませんでした。幸い夫はマメなタイプで、料理を作るのは夫の分担だったり、かなりイクメンだったと思います。
けれど、こちらが大変だということは言葉で言わないと、夫には伝わらないのです。夫の協力を得るには「自分はこんなに大変で困っている」ということを、正直にちゃんと伝えることだと思います。自分が仕事をすることで大変だということを、夫に言うことを引け目のように感じてしまう女性もいますが、そんなことはないはずです。夫婦のお互いの収入が家計をつくるわけですし、妻が仕事にやりがいを求めて悪いことなどありません。
何かをお願いしたいときは、基本は家事や育児のことは何もわかっていないので、やり方も教えてあげた方がいいですね。子どもを育てるのと同じ気持ちで(笑)。そして、やってくれたら大げさにほめるといいです。「今日のご飯おいしい!ありがとう!」と感謝の気持ちも伝えると、感動してまたやってくれるようになりますよ!
先輩ママ美容師
気合いが入りすぎてトーンダウンした夫。あきらめて私がスキルアップしました
鎌倉玲子さん
ブランク7年・岐阜
私の仕事復帰を主人も応援してくれていたので、復帰した直後は「僕も家事をがんばるぞ!」と気合いを入れてくれていました。けれど、気合いに実力がともなわず(笑)、例えば料理がうまくできなくて、それが本人のストレスになってしまったようでした。私はそこまで完璧なことは求めていなかったのですが、夫自身はやるとなったらちゃんとやりたかったみたいで。それで、「夕食の時間までには帰ってきてほしい」とトーンダウンされて、こっちも「話が違う」と少しもめたことがありました。
でも私の力になりたい気持ちはもってくれているので、「できることとできないこと」をちゃんと言ってくれるようになり、お風呂の準備や洗濯物の取り込みなどはやってくれています。その分、時間のない中で家事をする、私自身のスキルがアップしました。