2018/2/26[Tue]
@TOKYO
学年ビリの成績だったギャルが偏差値を40も伸ばして見事、
慶應義塾大学に現役合格した実話を書いた「ビリギャル」の著者・坪田先生が登壇!
「ダメな生徒はいない、ダメな指導者がいるだけ」との信念通りに、学習レベルも性格も異なる生徒たちを成長へと導いてきた先生が実践してきた、人材育成のコツをお話くださいました。
さっそく美容サロンでのスタッフ教育に活かしたい、その育成術をダイジェストでご紹介します。
ゲストスピーカー
坪田信貴
坪田信貴(つぼたのぶたか)
累計120万部突破の書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)や累計10万部突破の書籍『人間は9タイプ』の著者。これまでに1300人以上の子どもたちを子別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。大企業の人材育成コンサルタント等もつとめ、起業家・経営者としての顔も持つ。テレビ・ラジオ等でも活躍中。新著に『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』がある。
講座
どんなスタッフも成長させる
人材育成のコツ
「これでスタッフが変わっていくはず」と坪田先生が太鼓判を押す人材育成のコツを伝授!
続けるほどにみるみると成長へと導けるという、5つのステップをチェック
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成長するにはまず目標設定から。
先入観を捨て、自分や相手にとって本当に「理想的な目標設定」ができれば、その後のやる気も段違いに!経営者なら、スタッフにとって魅力的な目標設定をすることが大事。
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お手軽な「やる気スイッチ」はない!
目標を定めたら、ゴールするまで継続して進むこと。続けられないのはメンタルに問題アリなので、トレーニングが必要。おすすめはポジティブ思考を鍛える「リフレーミング」。3カ月トレーニングすると売上UP間違いなし!?
- リフレーミングって?
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ものごとのとらえ方・枠組み(フレーム)を外して、今までの考えとは違った角度から見直すこと。同じ事象であっても視点や解釈を変えてプラス面に注目することで、選択の幅が広がったり能力を発揮する機会が生まれたりとポジティブな結果につなげられる。
- 実践!リフレーミング
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Q赤点をとった生徒にかける言葉は…?
「勉強が足りないからこんな結果になるんだろ!」
『勉強したんだけどなぁ、どうせ自分はダメなんだ…』
「伸びしろがいっぱいで次の試験が楽しみだな!」
『そうか!次に向けてがんばろう』
坪田先生「人間は扁桃体の作用で基本、ネガティブ思考。そしてネガティブなことが思い浮かぶと身体機能も低下してしまいます。でもどんなことにも多面性があり、ポジティブにとらえ直すことが可能。リフレーミングでポジティブに考える訓練をしましょう」
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育成のコツは相手を知ること。
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」との孫子の言葉は、相手と戦わずに従業員をうまく育成するときにも当てはまる。ジェネレーションギャップを意識し、相手(スタッフ)の言葉・興味関心を知ることから始めよう。
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自分と相手の常識は違うと認識せよ。
同じ言葉を聞いても、想像する内容・受け止め方は人によりさまざま。「大きな声で挨拶」ではなく騒音計の数値目標で指示するくらい、伝えるときは具体的に!指示の定義が具体化され、頭に映像化できれば人は動き出す。
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1%の成長でも認めることが大事。
強みを毎日磨いて1日1%成長するだけでも、1年で37.38倍もレベルアップ!小さな成長でも認めてあげよう。自分の成長が認められ、成長を実感できたとき、その人は「認めてくれた相手とこの先も一緒にやりたい」と思うようになる。
質疑応答
事前アンケートで寄せられた質問や、当日会場に駆け付けた参加者からの質問に坪田先生がわかりやすく回答。先生の言葉には新しい視点やヒントがたくさんあり、参加者のみなさんもうなずきながら耳を傾けていました。
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成長のスピードを上げるにはどうしたらいい?
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まず現在はどういう状態か共有し、「いつまでに」「どうなっている」というゴールをかなり明確に設定して伝えないと、あなた以外の他の人にはわかりません。そしてゴールが明確になって初めて、必要となる成長のスピードも把握できるもの。ゴールしないのはスピードが遅いのではなく、スタート時点から進め方が間違っているのかもしれません。
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坪田先生の場合、生徒をうまく育てられなかった時は何が問題だったとお考えでしょう?
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本人がやる気を出しても「そんなことをしてもムダ」という人が周りにいると士気が下がります。だからチームの意思統一が大事。そして統一するには指導者や上司がいきいきとしたビジョンを語ること。上司が変わらないと部下も変わりません。僕は「ダメな生徒はいない、ダメな指導者がいるだけ」とよく話しています。
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相性が悪い部下とのうまい接し方は?
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塾の先生にも「合う生徒、合わない生徒がいる」と相談されます。でもよく観察してみると「合う生徒」と感じるのはリアクションがいいだけってことも。つまり結局は指導者側の受け止め方の問題。「好意の返報性」というんですが、好意には好意、敵意には敵意を返したくなるものなのです。だからまずあなたが好意を与えましょう。
「好意を与える」具体策の一つは、心の中で抱きしめること!抱きしめながら話すと、叱り方も変わります。そういう実験結果もあるんですよ。
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「相手を知ること」とのお話がありましたが、なかなか本音を見せてくれません…。
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本音で話してもらえなくてもいいんです。まずは相手の趣味を聞いてみる、そして自分もそれをやってみる。僕は実際にそうしてきました。釣りが好きと聞いたらやってみて、疑問点を相手に質問する。すると生徒も好きなことだから教えてくれるし会話が弾みます。上司と部下であっても、上司が完ぺきである必要はないし、「一緒に教え合おうぜ」くらいの関係のほうがチームとしては伸びていきます。
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一度はやる気になったのに続かない、波があるタイプはどう指導したらいいでしょう。
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誰しも波があり、なくすのは不可能。ただ、波の幅を「+10~-10」から「+10~+7」にはできます。やる・やらないは「やる気がないから」と思いがちですが、目標設定が高すぎると考えましょう。30分の自主練じゃなくて「1分だけでも必ずやる」、それならできるでしょう?目標のハードルを変に上げすぎないこと、まずはとにかく続けることが大事です。
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夢やビジョンが大事といいますが、スタッフにむりやり夢を持たせてもダメですよね…?
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夢や目標がない子が9割だと思います。夢がないのはそれを知らないから。将来というのは知識・経験外のことだから、むりやり見つけろと言ってもどうにもならない。リーダーがその子の性格や資質を見て、提案してあげることも大事です。ポイントはその子の価値観、好きと思うモノゴトを見据えて提案すること。
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参加者からの声
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今まで、⾃分がスタッフに話しても
改善しなかったのは、ポイントがずれていて
効果的ではないことに気がつけた!(ヘアサロン/スタイリスト)
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⼈の可能性を感じた。
「ダメなスタッフ」という考えがなくなりました。(ヘアサロン/代表)
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スタッフではなく、
「⾃分が変わらないと!」と思えました。(アイビューティサロン/代表)
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サロンでも実践できる⽅法で、
新⼈育成にいいですね。
受験⽣である⾃分の⼦どもにも活かせそうです。(リラクゼーションサロン/店長)
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「どんな⼈にも才能がある」
という言葉は、強⼒。
⾃分にとって励みになりました。(リラクゼーションサロン/代表)