先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.107
4年のブランクを経て美容師に復帰。
ママであることが強みというワケは?
あこがれのスタイリストになったのに、仕事が嫌いになってしまい離職した経験のある岡本郁美さん。長女の妊娠を機に専業主婦になり、2児のママになってから「LUACE 川口」のオープニングスタッフとして仕事復帰しました。ママスタッフ中心の「LUACE 川口」はお客さまも小さなお子さま連れのママがメイン。そこで働き、「また美容師の仕事が好きになった」という岡本さんの仕事に対する想いについてうかがいました。
Staff Data
岡本郁美さん 37歳
スタイリスト。「LUACE 川口」勤務。
スタイリスト歴11年。
8歳の女の子と6歳の男の子のママ。
10:00〜17:00のパート勤務(※勤務日時は変動あり)。
岡本さんのLife History
★…ターニングポイント
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20歳
専門学校卒業後、個人経営のサロンに入社。
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22歳
同期や先輩がいないサロンだったため、仲間と働く環境を求めて別のサロンに転職。
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23歳
毎日練習に励み、あこがれのスタイリストデビュー。
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26歳
体力的にもきつく、変化のない日々でだんだんスタイリストの仕事が嫌いになってしまい退職。クレジットカード会社のお問い合わせ窓口という、まったく違う仕事に転職した。
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27歳
長女を授かり結婚。妊娠中の体調がよくなかったため、クレジットカード会社を退職。専業主婦となる。
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29歳
長男を妊娠・出産。
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30歳
★長女が幼稚園に入園。その頃、なんとなくネットを見ていたら「ママ美容師さん募集」という記事を見つけた。その言葉に興味をもち「LUACE 川口」のオープニングスタッフに応募。オープンまでオーナーが準備してくれたサロンで施術の練習をした。
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31歳~
「LUACE 川口」オープン。オープニングスタッフとして、本格的にスタイリスト復帰。
岡本さんへのインタビュー
Q. 一度嫌いになってしまったスタイリストを、またやろうと思ったきっかけは?
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A. 「ママでも働ける環境があるんだ」と思ったことです。
当時は体力的にきつかったことと、お客さまに気を使ったり、一生懸命話題を考えたりすることに疲れてしまったのだと思います。それでスタイリストが嫌になって別の仕事に転職しました。妊娠・出産して専業主婦になった後も、「子どもが小学生くらいになったらまた仕事はしたい」と漠然と思いつつ、美容師に戻ることは考えていませんでした。
けれど、求職のためではなくなんとなくSNSを見ていたら「ママ美容師さん募集、キッズスペースあり、ブランクOK」という記事に目がとまりました。「ママでも美容師として働けるんだ!?」とちょっと驚きました。しかもキッズスペースまであって、「ブランクがあってもいいなら自分にもできるかも」と思ったのです。当時、長女が幼稚園に入ったばかりで、長男はまだ1歳。自分で思っていた仕事復帰のタイミングとは違いましたが、応募してみたら受け入れていただけました。
Q. 3年以上のブランクがあって、復帰に不安はありませんでしたか?
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A. 不安でいっぱいでしたが、練習する場所などを提供してもらい、徐々に慣れていきました。
募集は「LUACE 川口」のオープニングスタッフだったのですが、オープン前の準備期間に、オーナーが別のサロンで練習する機会を用意してくれました。そこに友人などを呼んで練習したり、少しずつフリーのお客さまを担当させていただき、慣れていった感じです。
「LUACE 川口」がオープンして施術を始めたときは、デビューしたときよりも緊張してドキドキでしたね。でも数をこなしていくうちに、勘を取り戻して慣れていきました。
「LUACE 川口」は、オーナーが「小さなお子さま連れのママのためのサロン」というコンセプトでつくりました。だからスタッフもお客さまもママが中心で、キッズスペースには常駐の保育士さんもいます。長男は当時まだ1歳だったので、幼稚園に入るまでは一緒に出社してキッズスペースで面倒を見てもらっていました。長女の幼稚園は、保育園並みに18:00まで延長保育してくれたのでそれも助かりました。
サロンにはアシスタントはおらず、スタイリストがひとりのお客さまを最初から最後まですべて担当するため、お客さまとの密度が高いのです。けれど、若い頃と違って今の自分は子育てや転職経験もあるので、お客さまとの話題を無理に考えなくても自然と話せるようになりました。お客さまがママとして先輩であることも多いので、育児について教えていただくことも多く、接客が楽しいですね。
Q. 専業主婦から育児と仕事の両立の生活になって、大変なことはありませんか?
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A. 好きな時間に働けるので、体力的にはまったく問題ないです。
「LUACE 川口」はママの働きやすさを第一に考えてくれるサロンで、完全予約制のため、基本は予約が入っているときだけ出勤すれば大丈夫なシステムです。自分の生活に合わせて働けるので体力的なことなどで大変と思ったことはないです。今は長くても10:00〜17:00の勤務で、日曜は必ず休み、平日も予約がなければ休めます。お給料は完全歩合制なので、働いた分だけ収入になります。うちは、私の仕事復帰の条件が「主人の扶養の範囲で働くこと」だったので、扶養の範囲を超えないように予約も調整してもらっています。
ただ、子どもが熱を出すなどで急に休まなければならなくなったときに、子どもたちには申し訳ないけれど「仕事があるのにまたか…」と思ってしまうことが気持ち的に負担でした。そう思ってしまう自分がちょっとイヤになるというか。ただ、サロンはママスタッフが多く、急なお休みなどのフォロー体制は万全にしてくれているので、お互いさまで助け合えています。
Q. 家での育児や家事の分担は?
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A. 「できる人がやればいい」がわが家の暗黙の決まりで、主人も協力的です。
私は「やる!」と言ったらきかないタイプなので、仕事復帰については主人に相談せずに決めていました。主人も扶養の範囲で働くこと以外は特に何も言わず、「できる人がやればいい」と思ってくれているようです。もともと家事が私よりもうまいので、気づいたことはなんでもやってくれるので助かっています。
自分で大事にしているのは、朝、子どもたちを小学校や幼稚園に見送った後、出勤するまでの1時間弱で、必ずカフェに行ってゆったり過ごすことです。自分の時間はこの時間だけなので、コーヒーを飲みながら読書したりして、「ママからスタイリスト」への切り替えの時間になっています。
下の子も小学生になりましたし、今後は主人の扶養の範囲を超えて仕事をしたいと思っています。世帯年収が上がれば損はないはずなので、主人と相談しながら、「仕事への比重を徐々に増やせたらいいな」と考えています。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
うちのサロンは本当に恵まれた環境だと思いますし、「LUACE」じゃなかったら専業主婦だった自分が美容師に復帰することはなかったかもしれません。けれど、ママ美容師は注目され始めているので、うちのようなサロンは今後必ず増えてくると思います。復帰して思ったのは、やはり「資格や技術を活かせる仕事をまたやってよかった」ということ。せっかくスタイリストになったのですから、環境さえ見つかれば楽しく仕事を続けられると思いますよ!
Salon Data