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第2章利益よりも「人気」を追求する経営軸

「役職なし・給料一律の女性だけの会社。
人気店でいることは、彼女たちのためなんです。」

一時のブームではなく人気が持続している秘訣は?

経営をするうえで、利益を重視して価格を上げる人もいれば、シェア拡大を狙ってフランチャイズ化する人もいるでしょう。でも私が重視しているのは「どう人気を高めるか」という「人気軸経営」です。なぜなら、うちは女性だけの会社だから。女性が本当に望むのはお金を集めることじゃなくて、「男女を問わずモテたい、好かれたい」。つまり「人気」があることに喜びを感じるんです。だからお店やスタッフが、多くのお客さまから求められること、人気を高めることを重視しています。

女性だけの会社というのは、非常に珍しいですね。

前職を辞めるきっかけが、「男性型のタテ社会」のようなものに疑問を感じたからというのもあって。だから今は、「女性スタッフのためにどうしたらいいのか」という考え方が根本にあります。代わりに、男性の気持ちなんて一切考慮していません(笑)。

でも最初は順調にはいきませんでした。なにせ私が知っているのは「男性がつくった社会」です。それしか知らないし、女性スタッフのためといっても何が正解かもわからず、当初は男性型社会をマネしていました。役職をつくって階層が上がっていったら喜ぶかな?給料をアップしたらいいかな?そう考えていろいろやりましたが、意味はなくって。

従来の方策が役に立たなかった?

いろいろやり尽くしてもダメだから考え方を変えて、女性が本当に望む、小さなことから変えていきました。女性は「こうしたらいいと思う」と意見を言ってくれても、そのために役職や報酬を用意していざやらせると、重荷に感じてつぶれてしまう。だから、店長などの役職もない、給与は全員同じ、でもやりたいことはやらせる方針にしました。その結果として業績が上がったら、みんなにボーナスを与える。発案者には「ありがとう」という感謝がみんなから贈られる。

待遇がフラットだと収入の上限が決まってしまいますよね?

フラットとは言いつつ、休日の調整で収入は上げることができます。うちは正社員だと170時間勤務分は基本給で固定。でもそれ以外に社内で「バイト」する形で収入を得ることができます。時給換算ではバイトのほうが報酬は高いので、お金が必要ならバイトに入ればOK。また、170時間の勤務時間は1カ月で消化しなくてもいいので、今月は休日を増やして来月にそのぶん勤務を増やす、という働き方も可能。自分の時間を自由に設計できる仕組みです。

うちは接客業ですが、土日の出勤がマストといったしばりはありません。プライベートを犠牲にせず、好きなように働ける。女性がどう働きたいのかを考えて、このスタイルになりました。この勤務スタイルを叶えるためにも、土日も平日も問わずお客さまがやって来る、人気のある店づくりを考えています。

常に数万人のキャンセル待ちがいるほどの人気なのに、4店舗の出店だけにとどめているのは?

需要があるから拡大路線にいくという考え方は、男性的なもの。お店がどんどん増えたって、女性は別に喜びません。店舗数が多いことには何の価値もない。お客さまを喜ばせるにはどうしたらいいのか、がんばる方向性が違う。予約がとれるまで待ってでも、平日でも、わざわざ足を運びたくなる価値をつくることが大切なんです。

  • 原宿神宮店の地下1階・施術フロア。「天にも昇る気持ちよさ」を表現するため、天に昇るかぐや姫をイメージさせる「竹」をモチーフに

  • こちらは異世界に運ぶ「睡眠宇宙船」をイメージした2階・施術フロア。各階で趣向を変えた内装にこだわり、資金を注ぎ込んだそう

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