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女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.114歩合給や教育手当…
ママが稼げる仕組みとは?

mamA sIenne

静岡県静岡市

JR静岡駅から徒歩3分の好立地で、ネイルやまつげエクステなどを提供する「mamA sIenne(ママジェンヌ)」。店内にキッズスペースがあり、特に子ども連れのお客さまに人気のサロンです。スタッフ数は全社で11名。そのうち8名が子育て中のママで、現在妊娠中のスタッフも2名います。「頑張ってくれるスタッフにできる限り還元していきたい」と語るのは、オーナーのお姉さんであり、責任者として店を運営する橋村千明さん。ママを含め、スタッフみんながやりがいを持って働けるように試行錯誤して取り入れた、4つの取り組みを取材しました。

1取り組み

雇用形態も勤務時間も、
スタッフの希望に合わせて柔軟に対応。

どんな取り組み?

 雇用形態には正社員とパートがあり、スタッフ本人の希望する働き方が選べる。正社員には、8時30分~17時15分の早番と11時45分~20時30分の遅番があるが、ママスタッフは早番のみで日曜祝日の休みが可能。各家庭のリズムに合わせて出勤時間も調整できるので、8時45分~17時勤務のスタッフや、9時15分~17時30分まで働くスタッフもいる。パートの場合は前々月の月末に希望日を提出する自由シフト制を採用。1つの予約枠のみに対応するような、2~3時間単位での勤務も相談できる。

背景とメリットは?

 「ママスタッフの希望は十人十色。正社員で毎日しっかり働きたい人もいれば、家庭優先で空いた時間に仕事したい人もいます。それに応えようとしたところ、だんだんと勤務体系が多様化しました」と橋村さん。シフトに穴が開いてしまった場合、パートのスタッフにやんわり相談はするものの、無理強いすることはない。「自分も働くママなので、無理なものは無理とわかっています。その時間帯は予約を受けなければいいだけなので」(橋村さん)。
 ママスタッフの出勤は日中に集中するが、お客さまも子育て中の主婦が多いため、ピークタイムの需要と供給のバランスがぴったり。そのためママスタッフが多くても、無理なく運営ができている。

まつげエクステスタッフの森下綾乃さんは、しっかり働きたい派のママ正社員。日曜は夫に子どもを見てもらい、隔週で出勤している

まつげエクステスタッフの森下綾乃さんは、しっかり働きたい派のママ正社員。日曜は夫に子どもを見てもらい、隔週で出勤している

2取り組み

頑張るほどに稼げる歩合給で
スタッフみんなのモチベーションをUP!

どんな取り組み?

 正社員とパートの両方に、歩合給を採用。月の売上の15%まで還元されるため、頑張れば頑張るほど収入がアップする。歩合給には上限がないので、月給に10万円以上が上乗せになるスタッフも。この他に指名手当や物販手当もあり、実働は1日8時間未満でも、努力次第で月25万円以上稼げるようなサポート体制が整っている。

背景とメリットは?

 売上を上げようと努力している者と、そうではない者が同じ給料だと、頑張っているスタッフがストレスを感じるようになる。それが積み重なることで、退職の原因になる可能性も。「まだサロンを始めて間もない頃、同じ正社員の若いスタッフとママスタッフで負担の大きさが明らかに違う状況になってしまい、対策を考えました。目に見えて差別化できる仕組みは歩合給だと思いつき、それ以来取り入れています」と橋村さん。パートスタッフに急な欠勤が生じて別のスタッフが代わりに出勤する際も、時給だけでなく歩合給がつくので、前向きな気持ちで交代できる。「そのせいか、うちには向上心のあるスタッフが集まって、よい雰囲気を作ってくれています」(橋村さん)。

スタッフ採用で重視しているのは、やる気と協調性。「他スタッフと協力できない人がひとりでもいると、サロンの雰囲気ががらりと変わってしまうので」

スタッフ採用で重視しているのは、やる気と協調性。「他スタッフと協力できない人がひとりでもいると、サロンの雰囲気ががらりと変わってしまうので」

3取り組み

未経験スタッフのデビュー後の売上は
教育スタッフに一部還元。

どんな取り組み?

 ネイリスト、まつげエクステスタッフ共に、資格のある未経験者も積極的に採用している。最近では、ネイルスクールを卒業したばかりのママスタッフが入社。平日は別の仕事をしているため土曜と祝日に出勤し、営業時間中に無料モデルの施術などの練習に励んでいる。会社側では、売上の発生しないデビューまでの期間も時給を支払い、先輩スタッフを教育担当に任命。教育担当者には、教えたスタッフがデビューした後、その売上の数パーセントを還元する「指導者手当」を用意している。

そのメリットは?

 教育担当のスタッフに求めているのは、愛を持って未経験スタッフを一人前に育ててもらうこと。「育てたスタッフがいずれ活躍する分、自分の給料もプラスになるならば、しっかり教育しようと思ってくれるのではないかと考えました。指導者手当はスタッフが全ての技術をマスターするまで、1~2年間ほどは支給されるので、デビュー後も何か問題があればフォローしてくれるのではないかなと。会社としては出費が多くなりますが、頑張っているスタッフたちに還せる分は還していきたいと思っています」と橋村さん。

「私もオーナーである妹も専業主婦だったので、経営は初めて。どうしたら気持ちよく働いてもらえるか、ふたりで試行錯誤しています」と橋村さん

「私もオーナーである妹も専業主婦だったので、経営は初めて。どうしたら気持ちよく働いてもらえるか、ふたりで試行錯誤しています」と橋村さん

4取り組み

店内にキッズスペースを設けて
子連れ出勤を歓迎。

どんな取り組み?

 店内の1部屋がキッズスペースとなっており、予約すれば自社スタッフの保育士が子どもを見てくれる。利用は無料。これにより、保育園に預けられない祝日などは、子ども同伴の出勤が可能に。現在はスタッフの子どもたちが大きくなったため、利用はなくなっている。

背景とメリットは?

 もともと「mamA sIenne」は、4人のママであるオーナーが、子どもを連れて行けるネイルサロンが近くになかったことから開設したサロン。オーナーの知人に、育児中で働いていないママネイリストが多くいたため、保育士も自社で採用し、子どもを見てもらいながら働ける店を作った。「保育士免許は持っているけれど子どもがいて働けない、という保育士は多いんです。うちでは保育士の子連れ出勤も歓迎しているので、働きたいという問い合わせはよくあります。パート採用で、予約がなければ休んでもいいですし、出社してネイリストが使う道具を準備するなど内職をするのもOKです。そうやってみんなで協力して店を回しています」(橋村さん)。

おもちゃがいっぱいのキッズスペース。右側の壁は子どもたちが自由に絵を描ける黒板になっている

おもちゃがいっぱいのキッズスペース。右側の壁は子どもたちが自由に絵を描ける黒板になっている

マネージャーインタビュー

オーナーの姉で、店の責任者でもある橋村千明さん。スタッフのマネジメントや経理など運営業務の他、ブラジリアンワックスの施術も行う。プライベートでは4人のお子さんのママ

Q. 会社にとって、ママスタッフが多いことのメリットは何ですか?

A. 時短スタッフ数人でひとり分の仕事量になるのが丁度いいんです。

 長時間働けないパートスタッフが多いのは、実は会社にとってメリットです。ネイルもまつげエクステも、各予約枠に合わせてさくっと働いてもらう方が、余分な人件費がかからずに済みます。うちは「お小遣い程度に稼げればいい」という主婦のスタッフが多いので、それぞれが少しずつ出勤して、数人でひとり分の仕事量になる。空き時間分の人件費の無駄が生じないんです。また、ママスタッフは育児に家事にと忙しいので、時間の使い方が上手。さぼったり、だらだらと仕事することもないので、店にいい緊張感をもたらしてくれていると思います。

Q. 女性スタッフに長く働いてもらうために工夫していることは他にありますか?

A. スタッフ自身の美容代を節約できる待遇があります。

 営業中の空き時間を利用して、ネイルやまつげエクステなどをスタッフ同士で自由にやってもらっています。施術料はもちろんのこと、使用するネイルチップやパーツ、人工まつげなど商材はすべて無料です。最新のデザインをいつでも試せるので、スタッフたちに好評です。時間がある時には最大限に活用してもらえたら嬉しいですね。

Salon Data

mamA sIenne【ママジェンヌ】

アクセス
JR静岡駅から徒歩3分
創業年
2014年
店舗数
2店舗
設備
8席
スタッフ数
11名
URL
https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000306851/
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