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第3章アカデミー制度で教育に革命を

「短期集中で学んだほうが、
モチベーション高く、吸収も速い。」

新人教育を行う「THEATERアカデミー」の一幕。講師を務めるのは各店から選りすぐりのスタイリストたち。講師役にとっても教えることが自己研鑽につながるとともに、サロンワーク以外にもキャリアプランが広がるという利点がある

教育面について話を聞かせてください。社員教育を行う場である「THEATERアカデミー」とはどんなものでしょう。

大井●まず誕生の経緯なんですが、創業前に4人で話し合っていたときから、アシスタントの存在意義って何だろうねというのが一つの論題としてありました。アシスタントの時期に学べることもあるし、あったほうがいいとは思うんですよ。でも、美容学校を卒業して3~4年アシスタントでいるのが普通になっているけど、それが適切なのか?という思いは常にありました。

美容師の離職率は3年目で70%とも言われます、つまりアシスタント時代に離職しちゃってるんですよ。僕自身もアシスタント時代、「まだそんなことやっているの?」と親から言われて悔しい思いをしました。給料も低いですしね。だから創業当時から、もっと短期間で成長できる教育環境にしたい、いずれは学校的なものを作りたいって話していたんです。

その想いを形にしたのが「THEATERアカデミー」なんですね。

大井●最初は創業から1年後くらい、3店舗に増えた頃、横浜店の定休日にアシスタントの子たちを週1回集めて、考え方、技術、知識を教えるのを始めて。それが現在のアカデミーの基になっています。いまは入社から半年間は週3日、1日8時間かけて技術や知識を学ばせていて。残りの2日はサロンワーク、2日は休日です。

アカデミー制度を実際にやってみて感じたのは、「鉄は熱いうちに叩いたほうがいい」ってこと。20歳とか21歳の若い、美容師になりたての子に教えたほうが「これ覚えたかったやつだ!」という意欲、熱量があるから吸収も速い。そりゃそうですよね、みんな床を掃除したりシャンプーをしたくて美容師になったわけじゃないんですから。

入社から半年間はアカデミー生として学んで、その後はジュニアスタイリストになり、入社1年目でスタイリストになるという目標を設定しています。アカデミー生期間を半年に設定した理由は?

大井●これも給与や価格帯と一緒で、逆算して導き出しました。多くのサロンのように朝の開店前と夜の閉店後に練習をして1年間で200~250時間とすると、アシスタント期間が3年間だと計600~750時間くらい。1日8時間のアカデミーが週3日なら半年間で650時間、プラス自主練習もできますよね。それでデビューに必要だとされている勉強時間は確保できます。

三浦●美容師の消費期限は40歳とも言われます。もちろん40歳を過ぎて活躍されている美容師さんも多くいますが・・・。

やっと稼げるようになって30歳で結婚したとするなら、子どもが大学に行くのは48歳。美容師さんたちのライフプランを考えた時に「自分たちに何ができるだろう?」って話し合った結果、「半年間のアカデミー制度」がそのひとつなんです。

さっきも話に出たけど、みんなアシスタントの仕事がやりたいわけじゃない、「スタイリストになって、お客さまと携わりたい」から美容師になったわけです。じゃあ、スタッフたちがより喜ぶ、モチベーション高く働いてもらうにはどうしたらいいのかな?と。喜んで働ける環境づくりのために逆算してアカデミー制度を考えて、必要な勉強時間から逆算して半年間にしたんです。

従来は3年かけてアシスタントをしながら学ぶのが業界の常識です。そういう、アシスタント時代の「勉強の総量」は従来と変えずに、期間だけぎゅっと短縮したんですね。

三浦●アシスタント時代、僕らも朝早く出勤して練習し、夜の営業後にクタクタになってからまた練習…という生活で学びました。でもこういうのは、いまの働き方改革にあわないし、頭が疲れた状態で学ぶより、新人で意欲が高い状態、頭がクリアな状態で学んだほうが、圧倒的に成長スピードは速いんですよ。

アカデミーを経てデビューしたスタッフの「お客さまリピート率」は?

佐々木●昔ながらの教育法で育ったスタッフとも遜色ないし、それどころかすごいリピート率を叩き出す子もいます。当たり前を疑って工夫すれば、アシスタント期間って3年もいらないんじゃないかなって。そもそも3年って誰がどうやって決めたんだって話ですし。上のポジションが詰まっているから…とか、そんな「ダメな理由」を土台にするのは生産的じゃない。僕らは「どうしたら実現できるか」からスタートして考えます。

スタイリストに必要なものは何か。技術、知識、そして人間力。どんなに技術があっても、不誠実で人のことを考えられない人は永続的に成長できません。そのための教育をアカデミーでは大切にしています。

こういった新人スタッフのモチベーションを高める教育制度を実施した結果、離職率は?

佐々木●去年、新卒で入った25人のうち、辞めたのは様々な理由で4人。もっと何かできなかったか?と痛感しています。今年はいまのところ誰も辞めていません。新人に限らず辞めるのは、「ここにいる理由がない」から。存在意義を感じられたら、辞めないでしょう。アカデミー制度は、離職の歯止めになっていると思います。

あと当たり前だけど、自分がされたら嫌なことはスタッフにしないこと。そうしたらそんなに辞めないはずです。

逆に「ここで働きたい」と思う理由って、明確な理念がある、人間関係がいい、給料がいい、ブランド力…。いろんな理由があるでしょうが、うちは割と全部叶えられていると思う。でもまあ、離職ゼロが最高かっていうと、どうなんでしょうね。新陳代謝も多少は必要だし、絶対にゼロを目指す!というわけでもない。離職の理由も様々だし、独立も応援します。

  • スタッフ教育では人格形成、人間力の育成を重視している佐々木さん。「スタッフがかわいいからって与えすぎても依存した子になるのでダメ。厳しすぎもよくないし、バランスが大事。子育てと似ていますよね…、僕はまだ子どもいないけど(笑)」

  • 「自分ひとりで1000万円の売上を目指すよりも、100万円の売上を出せる子を10人育てたい」と話す大井さんは、根っからの教育者気質。新人教育に加え、講師を務めるスタッフたちのマネジメント力やリーダーシップを教育するのも大事な役割

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