先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.117
転職でネイリストになり、講師へ。前進の原動力とは。
渋谷や表参道、銀座をはじめ、国内外に展開するネイルサロン「ネイルクイック」。ネイルトレーニングセンター目白校に勤務する山下裕子さんは、異業種から転職を果たしたネイリストです。2店舗での店長勤務を経て、昨年からネイル講師の道を歩み始めました。「体調を崩して店での接客が難しくなっても、ネイルの仕事が続けられてよかった」と語る山下さんに、これまでの道のりと今後の目標を聞きました。
Staff Data
山下裕子さん 38歳
ネイル講師。「ネイルクイック」ネイルトレーニングセンター目白校(東京都豊島区)勤務。
ネイリスト歴9年。既婚。
9:30~18:30で週5日出勤の正社員。
山下さんのLife History
★…ターニングポイント
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27歳
証券会社に勤務しながら、休日の趣味としてネイルスクールに通い始める。2年間かけてネイリスト検定1級とジェルネイル検定初級を取得。
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29歳
ネイリストの仕事に興味が芽生え、転職を決意。「ネイルクイック」を運営する株式会社ノンストレスに、港南台店のネイリストとして採用される。
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31歳
店長に就任。周りのサポートもあり、大きなプレッシャーを感じることなく任務に邁進する。
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32歳
横浜店へ異動し、店長に。大型店舗でスタッフ数が増え、個性さまざまなスタッフたちのマネジメントに試行錯誤する。
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35歳
結婚。
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37歳
★ヘルニアを発症し、一時休職する。長時間同じ体勢をとることが難しくなったため、会社と相談してネイル講師に転身。
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38歳~
新人研修を中心に、自社のネイリストたちへ技術を指導する日々。「この人に聞けばうまくなれる」と信頼される講師になることが目標。
山下さんへのインタビュー
Q. ネイリストに転職したきっかけを教えてください。
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A. 趣味としてネイルスクールに通い出したことがきっかけです。
前職は証券会社で営業を担当していました。休日を充実させる趣味としてネイルスクールに通い始めたのですが、意外とはまってしまったんです。スクールに行くといろいろな資格を取れる機会があって、ネイリストになるとどんな働き方ができるのかというのもわかるようになり、美容業界で働くのもいいかなと。週に1日のマイペースな通学で、ネイリスト検定1級を取得したのをきっかけに、転職を決意しました。会社の上司には止められましたけれど、せっかく1級まで取ったのだから、仕事に生かさないともったいないなという思いがあり、心は決まっていたんです。さらにスキルアップもしたかったので、「入社後も教育の研修が手厚いサロン」を第一条件にして転職活動を行い、「ネイルクイック」に入社することになりました。
Q. 入社2年で店長に。どんなところにやりがいを感じましたか?
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A. スタッフ一人ひとりの信頼を得ることがやりがいになりました。
いつかは店長を務めてみたいと思っていたので、港南台店で店長に任命された時は、頑張ろうという思いが強く湧きました。スタッフやエリアマネージャーなど周りの方々のサポートもあったので、それほどプレッシャーを感じることもなくスタートを切ることができたんです。その後、「ネイルクイック」の中でも一番規模の大きい横浜店へ異動したのですが、スタッフが多い時には13名ほど在籍していたので、マネジメントで苦労しましたね。ネイリストは芸術家気質の方がほとんどで、発想や考え方がそれぞれまったく異なります。前職の証券会社では、「みんなでこうしよう!」と上司が言えばそうなっていましたが、やはりネイリストは一般の会社員とは違うのだなと痛感することが多々。そこで、スタッフ一人ひとりの個性を強みとして生かして、それぞれに合ったやり方を提案する方法に変えてみたところ、手応えが。スタッフたちがやりがいを持てるようになったようで、「山下さんだから、私は働けています」と言ってもらえるようになり、それが私のやりがいになりました。
Q. ネイル講師へキャリアを転向したのはなぜですか?
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A. 体調を崩してしまい、サロンでの接客ができなくなってしまったからです。
ネイリストの仕事を楽しんでいましたが、昨年ヘルニアを発症してしまったのです。長時間同じ体勢でいることが難しくなってしまい、一時期は仕事をお休みしました。サロンでの接客が不可能となると、ネイリストは続けられません。仕事を辞めなければいけないのかなと思いましたが、「ネイルクイック」にはさまざまなキャリアパスが用意されていて、会社がキャリア転向の希望を受け入れてくれました。もともと人に教えたりすることに興味があり、自社の「ネイルパフェジェル」というブランドのエデュケーターの資格を取っていたので、それを生かしてネイル講師の道へ進むことに決めました。
Q. ネイリストの仕事の醍醐味を教えてください。
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A. 身につけた技術を発揮できれば、必ず喜んでもらえることです。
前職の証券会社でも楽しいことはいっぱいありましたが、相場がおかしくなると、一気にお客さまとの関係が崩れてしまうことがあり、自分ではどうにもならない状況をもどかしく感じていました。それに比べ、ネイリストは自分次第。施術も接客も身につけた技術をちゃんと発揮できれば、ほとんどの場合で「ありがとう」と喜んでもらえます。それが何よりの醍醐味ですね。
また、ネイル講師の仕事は、人に教えながら自分も成長できるところが魅力です。新人スタッフをはじめ、さまざまなタイプの方に指導をするので「この人だったらどう伝えるのがベストかな」と考えながらやっていくのが大変なところであり、面白いところでもあります。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
「手に職を持つ」ということは、女性の人生においてとても心強いことだと思います。何かしらのブランクがあると、技術を取り戻すのに多少の時間はかかりますが、練習すればいつでも美容業界に戻ることができます。特に弊社は復帰のサポートが手厚いので、ブランクのあるネイリストさんの再就職も多いんです。好きなことを仕事にできるというのは貴重なこと。時間をかけて学んで身につけた美容の技術を、長く生かしていってほしいですね。
Salon Data