第3章真逆の2人で新たな価値を
「右脳的な浦さんと、左脳的な僕。
新しい価値が生まれる場所が“QUQU”。」
内田さんが理論派で浦さんが感覚派という感じで、お2人の性格は違う印象です。一緒にサロンを始めるにあたり、意見のぶつかり合いなどは?
浦●意見が合わなかったのは…、床の色かな?内装は白を基調にしたかったので床も白がよかったけど、内田さんは「掃除が大変だから、コンクリートがいいんじゃない?」って。それで結構もめました(笑)。スタッフもみんな個性的だし髪色もビビッド系とかだし、お客さんもヘアカラーをする人が多いし、だから内装はごちゃごちゃしているより真っ白がいいって私は思って。
内田●僕は合理主義で何事にも意味を求めてしまう。一方の浦さんは真逆、「白がかわいいから白がいい!」。で、結局は白にしました(笑)。彼女は完全な「直感快楽主義」というのか、自分の直感を信じていて絶対的な自信がある。そこがいいんですけどね。
自分とはまったく違うけれど、そういう浦さんに、内田さんは尊敬の念があるんですね。
内田●浦さんには「え!そんなことも知らないの!?」って驚かされることも多いんですよ。たとえば、さっき出てきた「ドミナント」って言葉も、「はて?」って顔してたから、たぶんわかってない(笑)。ビジネス的な用語も知らないし、興味がないから吸収もしない。でも普通のことを知らないからこそ、とんでもない発想を生み出すのが彼女。僕は何でも情報を入れてからアウトプットするタイプ。
2人のユニット「テンサイズ」って「天才」からネーミングしたんですが、浦さんは“先天的な天才”、僕は“後天的な努力家”で、天才に憧れる凡人です。浦さんの直感的なところに僕は批判的でもあり、憧れてもいる。ただ「浦さやかをうまくコントロールできるのは、僕くらいだろう」という自信はあります(笑)。
先ほどお互いの第一印象をうかがいました。いま浦さんは、内田さんをどう見ていますか。
浦●私とはまったく逆で、同じところはひとつもないです!でも似てないからこそ一緒にやっていけるんだと思います。2人の違いで言うと、スタッフの教育に関して私はあんまりうまくない。でも「レコ」のスタッフってみんなすごいんですよ!めちゃ教育が行き届いている。内田さんだけじゃなく、若いスタッフもアシスタントの教育が上手で。「クク」の教育も一緒にやってくれるから、私にとっても勉強になるし助かっています。
それにスタッフ同士がすごい細かいことまで連絡取りあって、共通意識で動いていて。そういう環境を整えるのが私は上手じゃないから、一緒に働いてまだ少しですけど、すごいびっくりしています。私って心配性なんですけど、しっかりしたスタッフが助けてくれるおかげで安心していられます。
内田●僕がすごいせっかち、合理主義者なんで、いろいろルール化しているんですよね。浦さんにとって最大の武器である右脳を活かしつつ、左脳的なものが嫌でも入ってくる。そして新しい価値が生まれるのが「クク」だと思ってます。
「クク」だけじゃなく、「レコ」にとっても一緒に働くことでいい影響を受けていますよ。この前、一緒に撮影した時も、浦さんの作る作品はロジックじゃなくてビジュアルとして強く人を惹きつけるものがあって。カットにしても、僕はハサミで、浦さんはレザー。僕とは学んできた土台も違うし、切るツールも違う。僕は点と点をつないで完成形を目指す切り方だけど、浦さんは彫刻的に切る。見てると「えっ、なんでそこ切るの!?」と思うようなことをする(笑)。だけど完成したものはかわいい!スタッフは、僕にはない部分を浦さんから得られてすごい刺激を受けてるし、僕も「かわいいものを創れるって正義だな」と改めて感じました。