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第4章それぞれの挑戦

「世間に迎合せず、斬新でありながら
ビジネスとしても成功できると証明したい。」

LECO、QUQUの2ブランドで、総勢18名になった

「クク」は始動したばかりですが、目指す姿は?

浦●サロンのコンセプトは「QUQU= Question×Question(クエスチョン×クエスチョン)」。常に疑問を持ち続け、新しいことを探して、創り続けていく。これまでずっとそういう想いでやってきましたし、それが私の最大の武器。常に「斬新であること」を目指しています。

前のサロンではその想いだけを追求してきました。でもやっぱりそれだけだと、サロンの成長が難しいとも感じて。今後、内田さんと一緒にやっていくなかで自分の弱いところ、感覚じゃない部分をフォローしてもらうことで、サロンとしても力をつけていけたらなと思っています。

いろんなスタッフがいて、みんなのいいところを引き出すには、これまでの私のやり方では足りない。足りない部分をマネジメントしてもらいつつ、自分でもマネジメントを学んで挑戦していきたいです。

内田●僕が「クク」のサロンとして目指すのは、自分たちがやりたいことをやりつつ、ビジネスとしても大きくなっていけるようにブランディングすること。それなりに売れる方法はわかっているけど、ほどよく売上を伸ばしたり、やたらと店舗展開をすることに、僕は興味がなくて。ウケそうな流行のスタイルとか世間に迎合しなくても、ビジネスとして成功することに挑戦したい。

サロンのターゲットは?

内田●これは「レコ」と共通したものですが、ターゲットも基本的にはニッチ層だけど、完全にコアな人たちだけじゃなくて「ソフトニッチ」。流行に迎合したものじゃない、ちょっと違うものがほしい人。そういう人にはうちがあるよね、ってなったらいいなと。

音楽で言うと、小汚いライブハウスが好きな人っているでしょ?そういう人って「(一般的に有名な)Zeppとかでライブなんてしたら終わり、ニッチであることが正義で、売れて一般化したらむしろカッコ悪い」という感覚。だけどその価値観をもう少し広げて、コアでカッコいい存在であることを保ちつつ、数字も叩き出せるようになりたいんですよ。

内田さんは2店舗目として今回、「レコ」とは違うブランド名での出店になりました。今後「レコ」ブランドの2号店は?

内田●それは出さないですね。今後も人が育って、お客さんが増えたら出店はしますが、ブランド名はそれぞれ変えます。ソフトニッチな路線は統一しつつ、1店ずつ代表もブランディングも変えていくつもりなので。

最後に。コロナで美容業界も大きな影響を受けています。今後はどうなるとお考えですか?

内田●確実に今までの価値観や、お客さまが美容に求める感覚は変化するでしょうね。一気にすべて変わるわけじゃないし、美容師にとって「face to face(対面)」を大事にする点は変わらないけれど。売り方の戦術を変える必要があると思う。

僕もどうすべきか迷っている段階で、具体的にはまだ考えがまとまっていないですが…。サロン以外のセミナー講師などの仕事もなくなるかもしれないし、ディーラーのあり方、集客の仕方も変わるかもしれない。業界のいろんなことがこの機会に嫌でも変わっていくと思うので、起きていることを注視して、タイミングを見極めて新たな策を仕掛けたいですね。

浦さんは、せっかくのサロンオープンがこうした時期にぶつかってしまったことは?

浦●正直に言えば「ふえ~!」という気持ちではあります(笑)。すでに自粛ムードだった4月1日にオープンを迎えたので、「みんな来てね」とは言えないですし。オープンした気分になりきれてなくて、「グランドオープンはまだしてない」って気持ち。

でも切り替えて、ちょっと長い準備期間ができたと考えることに。スタッフの教育にも時間が取れますしね。今後も一気に元通りとはいかないと思うけれど、長い目で見て、最終的にたくさんのお客さんに喜んでもらえるサロンにするために、今できることをしていきたいです。

QUQUがオープンしたら取材をさせてもらう約束をしたのが、今年の1月。
新型コロナウイルスによって、たった数カ月で、業界だけでなく世の中が一変しました。

取材当日は奇しくも、緊急事態宣言が出された4月7日。LECO、QUQUがしばらく休業する前の、最後の営業日です。
さすがにオンラインでの取材も遠慮した方がよいかと思い相談すると、内田さんからは「大丈夫ですよ!」と力強い返事が。

想像を絶する大変な状況の中にあって、インタビュー中お2人の口からは、ただの一度もマイナスな言葉が出てきませんでした。
「今できること」を考えて、変化を前向きに捉える。

今回の取材はオンラインでしたが、必ずまた会いに行きます。
そのときは、カットはLECO、カラーはQUQUで!

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