第3章目指すは1000店舗
「“みんな”で進めたほうが、
成長スピードは速かった。」
創業から11年で約530店舗。出店スピードが驚くほど速いですね。
この1年は約130店舗、コロナ禍でも月に最低6~7店舗ペースで出店しました。
今回コロナによって弊社に限らず経済はかなりのダメージを受けました。その中で「地方出店を強化していき、業界を盛り上げる、恩返しをしていく」というAgu.グループの意思が、さらにフランチャイズオーナーに浸透し、絆が深まったようにも感じました。方向感がまとまって、また一段と成長できるように、今後も各エリアのフランチャイズオーナーと協議しながら、出店していきたいと思います。
11月に長野県・松本市、12月には宮城県・仙台市にドライヘッドスパサロンもオープン予定です。また、男性のお客さまに喜んでいただくためのサロンサービスも準備中でして、時期を見ながらローンチしていきたいと思っています。
今後の出店目標を教えてください。
2024年に1000店舗は到達したいと思っています。その時には「次の目標は2000店舗」と言えるよう、謙虚で素直に感謝の気持ちを忘れることなく邁進していきたいと思っています。
30年後、50年後を見た時に、どんな形であれ業界に新しい風を吹き込みイノベーションを起こすことで、恩返しをさせていただきたいと考えています。国内47都道府県に「Agu.」の純血のフランチャイズオーナーがいて、DNAを継承しているというのは強みです。なので将来的に、2000店舗、3000店舗と増やしていくことが理想だと思っています。
また、現在はコロナの影響もあって活発に動けていないものの、海外展開も強化していきます。いま現在、ニューヨークとハワイに1店舗ずつですが、まずは世界のマーケットの中心である北米で成功したい。その次はインフラが整っていて、成長が見込める他の国も検討していきます。
市瀬さんから「みんなで協議して」という言葉が、何度も出てきたのが印象的です。現在530店舗と、これだけの店舗数になると大変だと思うのですが…。
創業したては、一人で決めてトップダウンでマネジメントをしていた時期もありました。でも、自分の中でフィットしなかったのと、事業として収益化できても違和感がありました。もちろん、みんなで物事を進めると、当然ながら自分の意見が通らなかったり、議論や口論になったりすることもしばしばあります。ハレーションが起きて予期せぬ行動を起こす人がいたり、といったことも…。でも結果的に、みんなで進めて形にしたほうが、会社としての成長スピードが速かったということです。
「Agu.」のカルチャーや理念がベースにあって、全国にいるフランチャイズオーナーやスタイリストが「幸福度指数」を上げていけば、絶対に30年、50年、100年続いていく会社になる、と思っています。
常に先を見据えていらっしゃいますね。では最後に、50年後の美容業界に期待するものを教えてください。
まず1つは業界の働き手を増やしていくことだと思っています。美容学校生の就職先は、当然ながらその多くが美容室です。でも現状、「学校法人」さまと弊社のような「美容室企業」が業界へ誘致する活動は、それぞれに任せっきりになってしまっています。ですが、お互いの強みをいかして「美容業界にどうやって若い人たちを呼び込めるか」という業界の最大課題を克服すべく、一緒に試行錯誤しながら模索していきたいと考えています。
もう1つはスタイリスト、ヘアサロンの新たな可能性を形にしたいと思っています。当然髪の毛のメンテナンスや癒やし、気分転換に重点をおいたビジネスモデルは変わらないと思います。その上で、親和性のある領域で、かつお客さまにも感謝され、働き手のスキルも上げていくことができれば、時代は変化していくと感じています。
自身を「美容師としては欠陥だった」と言います。「だからこそ経営者として、やれることはすべて実行したい」と。
出店、スタイリストデビュー、とにかくすべてにスピード感あふれるのは、一人ひとりの成功を少しでもはやく叶えてあげたいから。経営者としての強い覚悟が、そうさせていることを知りました。