第2章原宿にコラボサロン誕生
「GARDENとのコラボサロンは
初月1200万円の売上に。」
2019年に、ブランドサロン「GARDEN」さんとコラボした「GAME by Alan Smithee」を出店しました。こちらは、どのようなきっかけで?
若いスタッフが「海外に行きたい」と口にすることが多くなったんです。じゃあ、原宿店の次は海外かな?と思っていました。そこでロサンゼルス、ニューヨークを視察している頃、「GARDEN」の河野 悌己(こうの よしきさん/GARDENゼネラルプロデューサー)と出会ったんです。すごく仲良くなって、一緒に何かやろうと。
うちがやっているストリート=インディーズっぽいティーンエイジャーのためのビューティーを、GARDENさんとのコラボで、よりメジャーっぽく見せられないか?そこで「GAME」がうまれました。若年層向けのカラー専門店というコンセプトで、2019年の2月末にオープン。30坪のお店で、3月の新規集客が1200人くらい来ましたね。
なぜ、そんなに大ヒットしたと思いますか?
単純に、若い人向けの、若いスタッフがやる、デザインカラーのお店がなかったからだと思います。そこのポジションがガラアキだった。オープンした当時は、原宿だと「質のいいハイライト」とか「外国人風カラー」のお店が多かったと思うんです。バンド好きな子、アニメ好きな子のティーンが求めている「派手髪」が得意なお店って、意外となかったんじゃないかな。あと3月は「黒髪卒業式」の時期ですよね。関東にはそれをしたい高校生の子が何万人もいるわけですからね。それが1200人来ただけ、って考えると、むしろ取りこぼしていると思います。
若い子は、カットは毎月いかなくてもいいけど、カラーは毎月したいんです。なので来店周期が早い。接触頻度が増えればスタッフへの信頼度が上がるので、単価も自然と上がっていきます。
うちにジャニーズオタクのスタッフがいるんですが、お客さんもジャニーズ好きの方ばかり。お互い「原宿にいる」というだけで幸せとのことで、接客中もずっとジャニーズの話(笑)。それでいいんです。
専門特化型のサロンは、増えていますね。
デザインカラーの店舗は、よりマスになっていますよね。「鬼滅の刃」とか「韓国ヘア」が流行ったせいか、ちょっとポイントでカラー入れたい、という人たちが増えています。あとは何度もブリーチして透明感にこだわるとか、派手髪はより派手髪をきわめたり…。同じ街にあっても、店舗ごとに特化した特徴があります。
専門店化していったほうが、「学びたい」とか「好き」があるので、スタッフが成長します。また、特化することで教育期間も凝縮できる。やる気があって勘のいい子は、カラーレシピを教えれば半年で月に100万、2年目で200万くらい売上をつくることも。「GAME」は、GARDENでもMagicoでもない。なので教育でも思い切れるところがありました。カラー・シャンプーはもちろん必須ですが、カットも選択制で興味があれば勉強してください、という感じ。やりたいことだけをやればいい、というスタンスです。
アシスタントも1年経つと、「カラーが好き」「カットが好き」、と志向が分かれていきます。それに合わせて人事異動でスライドしていく、みたいな形ですね。
スタッフに接客やマナーを教える、ということはあるんですか?
若いお客さまに、かしこまった接客をしても、ハマらないんです。若い子同士だとフィーリングでポンッ、ポンッと話して、「ウケる~、おもしろい!」みたいな。僕もそうですけど、大人はそれが感覚ではわからないから、把握しようとする。でも全然ハマらないんですよね。自分もティーンのときが、あったはずなんですけど(笑)。
現在はスタッフが約130名。まとめるのが大変では?
スタッフ数が30名を超えたあたりから、「会社に“共感”を持ってやっていこう」というのは、すごく意識して伝えてきました。最初の頃の理念は「ロックンロールだから!」と、ワケのわからないことを言っていましたけど(笑)。そこに表れていますが、当時は主観で「自分の好きなものは、みんなも好きだろう」という考え方でやっていたんですよね。
でも、「スタッフのみんなはどういう気分かな?」「どういう状態かな?」と考えるようになってから、いい方向に。いまは、ブランドをみんなでつくっている感じがあります。僕は、“言い出しっぺ”が得意なだけですね。
今後、新たなコラボサロンの予定は?
現在の「GAME原宿」を2021年の2月、同じ原宿にて拡張移転します。「原宿の若い子たちが通う美容室の代名詞」となれるよう、よりメジャーシーンに持っていきたいです。