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第3章異業種展開・出店にある想い

「膨張ではなく、拡張。
それがOROの目指す未来。」

異業種展開や出店には、スタッフの夢を実現したい想いがあるんですね。

ジムやカフェ、ニューヨーク出店は、スタッフに「次のステップ」を用意するためです。あとスタッフからの希望で、老人ホームにカットボランティアにも行っています。2~3年前から月1回、幹部を含め全スタイリストから希望者を募って。お世話になっている地域への社会貢献にもなります。

スタッフががんばったことに対して、利益は求めていません。ジム出店も、スタッフの「やりたい」から始まりました。ジムから美容室への送客、という目的はありますが、大部分は「福利厚生」の意味合い。スタッフが休みの日に使って喜んでくれること、健康な生活を送れることに価値があります。

ただ、お金を投資するのは、簡単なことではありません。僕は億万長者ではないので。みんなが汗水たらして働いた大切なお金です。その「一人」のために出店をするわけではない。まず実績が伴うこと。そして将来的に「その道に進みたい子がいるだろう」という想定があり、何人もの未来につながる、といった厳しい基準のうえです。

今後の店舗展開は?

美容室だと50坪で美容室11席、アイラッシュ3席の複合サロンを作るのがOROの出店フォーマットです。年商1億円以上のサロンになったら隣に50坪のフィットネスジムをつくり、計100坪のトータルビューティー施設を、関西一円に展開していく予定です。

美容業界に対して、思うことはありますか?

業界でナンバーワン、有名になりたい、とかは一切ないです。僕は、自分の会社のスタッフにしか興味がなくて。スタッフに、最高にハッピーでいて欲しいだけ。

でも、にわとりが先か、たまごが先か…じゃないですが。美容業界がよくならないと、うちのスタッフも幸せになれないから、美容業界によくなってもらわないと困ります。美容業界のさらなる発展には、若手スタイリストの成長が必須です。そのためにも、OROの教育プログラムを他社サロン様にも講習・展開させていただいています。僕は、美容業界が大好きなので。

昭和に、美容師がかっこよかった時代、カリスマの時代がありましたよね。憧れがなくなると、美容師になりたい子が少なくなってしまう。美容師は、がんばれば海外で働けたり、いい車に乗れたり、いいこともたくさんあります。なにより僕は美容師の仕事が大好きだから、みんなにもいいと思ってほしい。なので、お互いのために“入ってくる前の段階”で、ちゃんと選別してあげることも必要かなと。それが、ウソをつかないことですね。

伊藤さんの美容師愛、またスタッフの方への愛を感じました。

新卒にこだわるのは、美容師としてのスタートラインまでは責任をもって教育して、チームとしての統一を目指すため。生涯雇用できるように、体制も整えています。

うちには、会社を応援したいといってくれる子たちが、たくさんいます。「こんなことできます!」と、スタッフのほうから言ってくれる。スタッフの成長が速いから、会社の成長が速かっただけですね。膨張ではなく、“拡張”。それが、OROの目指す未来です。

  • 2020年度は、22名の新たな仲間がOROに入社した

その、いかついビジュアル(失礼!)&突出した“ド根性”精神。
さぞかし、体育会系の中で育ってきたものと…。
しかし意外にも、中学・高校と、部活をしたことがなかったと言います。

「自分は学生時代、何かに情熱を持ったことがなかった。いわば燃料が残った状態で社会人になり、初めて命がけでがんばったことが美容師。だから今、部活をやっている感覚で、仕事が楽しくて仕方ない」

愛想笑いもしないので、とっつきにくい印象があるかもしれません。
でもウソがない、裏表がない、その実直さはインタビューを通して伝わってきます。

真にスタッフを想うからこその、厳しさ。技術指名売上100万円達成の先にある、スタッフの人生に責任を持つ。そのための、教育カリキュラムであることを知りました。

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