美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

第2章ネイリストの価値向上とは

「ネイリストが生涯働ける、
ケア中心の未来型サロン。」

「ネイリストの価値向上」についても、積極的に取り組まれていますね。

僕自身も、「ネイリストの価値を上げる=給料が高いこと」と思っていた時期もありましたが、お客さまの数だけこなして稼ぐことを、ネイリスト自身がそれほど求めているわけではなかった。それ以上に、お客さまとの信頼関係がネイリストの価値を決めると気づきました。

コロナになってわかったのは、お客さまと深い関係性を築けていたネイルサロンは強かった、ということです。ロイヤルカスタマーの定義が「お金を使ってくれるお客さま」から、「こんな時でも来てくれるお客さま」に変わったように思います。

お客さまは、コロナで新しいサロンに行くことは抵抗があるので、既存のサロンに行く。サロンも、新規で集客するより、既存のお客さまがいることのありがたさ、大切さを再認識したのではないでしょうか。

お客さまとの信頼関係を築くために、必要なことは何でしょう?

今までの、ひたすらお客さまをこなすような仕事から、さらに「お客さまとの関係性に厚みを持たせること」が大事だと思います。しっかりした技術、しっかりした接客ができて、初めて信頼が生まれる。その施術に1万5000円払ったお客さまが、「2万円の価値がある」と思えるような。それを実現できるネイリストの教育が、必要だと感じます。

 

コロナ禍で、「para spa GARDEN&SALON(パラスパ ガーデン&サロン)」というリアル店舗をオープンされました。こちらの経緯を教えてください。

弊社の商品である「para spa(パラスパ:植物エキス&オイルを使った、サロン専売のボディケア)」のフラッグシップサロンという位置付けで、2021年2月にオープンしました。ネイルセレクト本社は渋谷にあり、そのすぐ目の前です。

2階がサロン、1階が物販。物販は、ただ商品を並べるのではなく、しっかり「体験」できることがポイントです。シンクやテスターを置いて、それについて詳しく説明できるネイリストがいる。通常の大型ショップにはできない「対面販売」で、お客さまが購入してくれたら、そのネイリストの収入につながるようにしています。

サロンは完全個室で、ちょっとしたパウダールームも。コロナで、お客さまはより「自分へのご褒美」を大事にする傾向があるので、上質な空間づくりを意識しています。

メニューも特徴的ですね。

ケアメインで、アートをしないサロンです。ジェルネイルはワンカラーのみ。ただのワンカラーだとおもしろみがないので、一色の中でもバリエーションを豊富にしています。

お客さま目線だと、ネイルって派手なもの、と思われていますよね。それだと、ネイルが「特別」なものになってしまう。また、爪にコンプレックスがある人は多く、手をキレイにみせたい、という需要はあるはず。そこで、「ケア&ワンカラー」を打ち出しました。実際に来店してくださった方で、「ネイルサロン利用が初めて」というお客さまも、いらっしゃいます。

アメリカだと、ある程度の富裕層はサロンに1週間に1回行って、爪を切ってもらったりします。あと、ネイルよりスパ利用が多いんです。それに比べると、日本はネイルサロンへのハードルが高い。

日本は、ますます少子高齢化の時代。高齢になると、体のかたさ・老眼などで、自分で爪を切りづらくなることも。角質も厚くなり、手足のシミ・シワも気になる。サロンであれば、それらの悩みを解決する“爪のアンチエイジング”が可能です。そのように、ネイルサロンが「日常」になり、流行ではなく「文化」として根付くといいな、と思います。

こちらの店舗は「土・日が休み」、というのも驚きでした。

客層って、時間帯で変わりますよね。美に対して投資をしやすい=高単価・定期的に来てくれる方は、サロン利用が“平日・夕方まで”に集中している傾向があります。

サービス産業は、土・日、夜に働くのが当たり前になっていますが、ビューティー系は、平日にフォーカスすれば、求人にも有効です。ママネイリストも働きやすくなり、一生涯稼げる職業になり得る。生産性の観点では、物販を購入してもらうことで、坪単価を上げることが可能です。

 

実際に働いているネイリストの反応は、いかがですか?

とても評判がいいです。みなさん、楽しそうに働いている。ゴリゴリ売上をつくるより、スピード感は保ちながらも丁寧に接客して、丁寧にファンにしていく。ファッション関係・美容家の方たちが取材で来て、それをきっかけにお客さまになってくれたり…と、手応えを感じますね。

ネイリストも年齢を重ねると、老眼などで細かいアートが苦手になってくることが…。また、アートやデザインの流行は日々変わるので、結婚や出産などで一度現場を離れてしまうと、復帰するのが難しいんです。その点、ワンカラーであれば色の知識を増やしていくことで、技術を蓄積できる。ネイリストとして、生涯働くことができるんです。また、短期での育成が可能、というのもポイントですね。

「para spa GARDEN&SALON」は、完全に新業態。1店舗目で成功パターンをつくって、ゆくゆくはFC展開で、この“未来型サロン”を提案していきたいです。

 

  • メニューが「ケア&ワンカラー」であることは、既存のネイルサロンとお客さまの取り合いにならない、という利点もあるそう

  • 1階の物販では、ネイリストがきちんと説明を行う。お客さまが商品を購入した場合、説明を担当したネイリストにも収益が入る仕組み

123
業界TOPインタビューの記事一覧へ

おすすめの記事

注目の動画

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

受付中のセミナーSEMINAR

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!