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第2章ドン底を経験したアシスタント時代

「僕は、うまくいっていることが
何ひとつないアシスタントだった。」

2018年にオープンした「Gallica kinshicho(錦糸町)」は、育児を両立したいと話していた、後輩の美容師と、子育てで表参道への通勤が大変になったスタッフのために出店

次に、「Gallica」さんのスタッフ教育について。中村さん自身のアシスタント時代の経験が影響しているとのことで、まずはそのあたりを教えてください。

美容専門学校を卒業後、最初に入ったサロンは、いわゆる体育会系で。その時代はどこもそうでしたが、先輩より早く来て、先輩より遅く帰る毎日。休みの日もモデルハントをして、モデルを見つけられなかったら、先輩に謝って…。連帯責任で、ほかの人に迷惑をかけてしまうこともあり、それが一番つらかったですね。

手荒れもひどくて、人より練習しても、試験に合格しない。先輩に怒られないように、一日、誰とも喋らないこともありました。クレームもいただく始末で、僕は、うまくいっていることが何ひとつないアシスタントでした。初任給も14万円くらいなので、生活も苦しく。そんな毎日にちょっとずつ疲れていって、体調とメンタルを崩してしまいました。10kgくらい痩せてしまいましたね。21歳のときです。

それで、美容師を辞めたんです。6畳一間でルームシェアしながら、日雇い労働をしました。電車に乗るお金がなく、バイトに自転車で通っているうちに体力がついて、だんだんと気持ちも前向きになって。美容師として「憧れていた、なりたい形」もあったので、もう一度、美容師に戻ったんです。

2店舗目に入ったサロンは、いかがでしたか?

ホットペッパービューティーでの集客が順調で、急成長しているサロンでした。僕は、休みの日も毎日練習して、努力は当時から誰よりもしていましたが、結果が出ないタイプで…。

でも、1店舗目の時は先輩に「練習を見てください」と言えなかったんですが、ここは文化も違って小さい店だったので、言えるようになりました。また、独自のマニュアルもあって、積極的に教育してくれましたね。そこには、5年くらいお世話になりました。

「がんばっていれば、不器用な自分のことも、見てくれる人がいるんだな」と、すごくうれしかったです。

ただ、美容業界は離職率も高く、給与や休みが少ない。ありとあらゆるビジネス・マーケティング系の本を読むうちに、もっと業界をよくできるのではないか?と徐々に自分が理想とするサロン像が明確になっていき、独立を考えるようになりました。給与や休暇、産休・育休制度など待遇面が厚いのは、当たり前。美容師として、人として、“夢を叶えられる場所”にしたいと思いました。

アシスタント時代の経験が、「Gallica」の理念につながっているのですか?

はい、「Gallica」の理念は“関わるすべての人を魅力的にし、豊かにすること”。これは、僕の「人生の目的」でもあります。体調やメンタルを崩すと、日々が苦しいものになってしまう。それっていくら売上があったとしても、人生が豊かである、とは言えないですよね。だから「健康・心・知識」という土台を大切にしたうえで、仕事もプライベートも充実させてほしい。それが根底にあります。

  • アシスタント時代の中村さん(左)。美容師を辞め落ち込んでいた頃に、海を見に自転車で鎌倉に行った写真。隣にいるのは友人で、現在「Gallica kinshicho」の店長をしている松尾 昭秀さん

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