その技術に特化できればいいので、練習時間が少なくて済み、生産性が高いことですね。スタッフは入ってから「艶髪」の技術を3～4週間練習しますが、特に特殊な技術が必要なわけではありません。誰がやってもムラにならない、オリジナル商材だからです。

うちは全員、業務委託なんです。歩合40％バックで、平均年収は1,000万円、一番多い子で1,500万円くらいです。ほぼ中途採用ですが、前のサロンより働く時間は少なく、年収は4倍になった、という子もいます。

商材や広告費は、会社持ち。商材の原価は高いものの、そこはオリジナルなので、企業努力の部分もあります。

店を出す、となったら月に5～6人くらい。明るくて性格がよさそう、という子を採用します。3カ月の試用期間で、ほかのスタッフと合うか、というところも見ますね。どちらかというと「特徴がない人」のほうがいい。僕は、「美容室界の秋元 康みたいですね」と、言われたりします（笑）。プロデューサー的な感じで、特徴があまりない人の“色”を出していきたいです。

稼げるので、ほぼ辞めないですね。スタッフも報酬が大きいから、そのぶん責任感が強い。そういった「誠意」は、お客さまに伝わるものです。

お客さまの年代は幅広いですが、ハイレベルな方が多いです。たとえば、お客さまにおすすめされたお寿司屋さんは、1人4～5万円くらいすることもある。そういったところに、スタッフが行けるようにしてあげたい。お客さまに「この間、おすすめしてもらったお寿司屋さんに行ってきました」と会話できることも大切です。リピート率が高いのは、技術の確かさはもちろん、そういった「技術以外」の部分も大きいと思うので。

僕は20代後半のとき、月に30万円もらえるか、もらえないかくらいでした。そういうのを変えたかった、というのもあります。待遇面のよさも、口コミで広がります。「働きたい」という人が増えるし、いま働いている子も、さらにがんばってくれる。僕は、スタッフに楽しんでもらいたい、いい生活をしてもらいたい、というのが根底にあるので。

うちは20代後半のスタッフが多いのですが、僕ら世代に多かった“やんちゃ”なタイプは、いないですね。仕事も、エクセルやシステムを使って効率化してくれます。

ミーティングが好き、っていう人、いますかね（笑）？昔、「こんなにする必要ある？」と思っていたことが影響しているかも。また、いまはコロナもあるので、集まったりはしないようにしています。個別のミーティングは、LINEで行うか、カフェで話したり。全体でのミーティングもLINEですね。

朝礼とかで「がんばりましょう」とかいらないから、そのぶん、お客さまに気を遣ってください、というスタンスです。僕はトップではあるけれど、スタッフとは「一緒に働くチームの仲間」という感じ。スタッフも何か相談があれば、気軽にLINEをくれるので、ミーティングをマメにする必要性を感じません。

いま働いているスタッフの希望もあり、今後もFC展開をしていきます。高単価なので、必然的に出すエリアはしぼられるので、マーケティングは常にしています。

ただ、そこまで広げる気はないです。“いぶし銀”みたいな感じで、ちょっとアンダーグラウンドみたいなものがかっこいいと思っているので（笑）。メジャーになり過ぎない、ギリギリのところにいたいですね。そうすれば、息が長いサロンでいられるかな、と。