第2章アイデアが生まれる秘訣
「新しいことを発信して
感動のお客さま体験を提供したい」
リリースやテレビなどで、新しいサービスが紹介されることがとても多いですよね。
人脈は一切ありませんが、メールやファクスを、各テレビ局・新聞社、すべてに送っていました。連絡がこないとしても、また送る。今は、会社に広報担当がいますが、最初はお金もなかったので、自分でできることは全力でやりました。
今までで、反響が大きかったものは?
サロンの外でカットする「アウトドアカット」です。これは2019年の終わりくらいに、何か新しい体験をお客さまに提供できないかと考えていて。そんな時、買物で行ったアウトドアのお店で「外でのカットって開放的でいいな!」とひらめきました。ネーミングは最初「青空カット」とか考えていたのですが、グランピングやキャンプの流行もあって、「アウトドアカット」がいいなと。メディアの取材も入り、反響が大きかったです。その後、コロナ禍が深刻になってからは、室内の換気対策では満足できない方にも活用してもらった感じです。
コロナ前からやっていたんですね!ほかにもコロナ禍ならではの、一切会話をしない「サイレント美容室」というサービスも打ち出していましたよね。斬新なアイデアは、どのように生まれるのですか?
単純に、みんなが1つのことをやるスピード感で、私は10個実践します。勝率は大体30%くらい=10個のうち3個はいい、となるだけの話なんです。
私は、10年後の目標まで決めていて、その到達に向けて、今日・明日・1カ月後・3カ月後、1年後、何をすればいいのかを、細分化して紙に書いています。しいて言うと、それを逆算して「最速で到達する」という能力が、長けているのかもしれません。
たとえば、毎日の生活のなかで「初体験」を5個つくるようにする。いつも通っている道を変えるとか、カフェで注文する飲み物を変えるとか、小さなことでいいんです。同じ流れのまま日々を過ごすと、気付きはないように思うので。数カ月すると、その小さな気付きに肉付けができて、ふとアイデアが降りてくることがあります。
アイデアを思いついたとしても、実行に移せる人は多くないですよね。吉田さんの原動力は?
私は、お金儲けのためだけに、美容業界にいるわけではありません。今までの美容業界で誰もやっていないことをやって、業界に対して「自分きっかけ」でいい影響を与えることができたら…。それが原動力ですね。
今後も新しいことをどんどん発信していきたいし、感動のお客さま体験を提供したい。美容室に限らず、エステサロンやアイサロンの方からも「うちも朝営業を始めたんです」と言ってもらうことがあって、うれしかったです。少しでも美容業界に貢献できたかな、と。