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第3章新たなる挑戦

「美容師の知識を、医療業界へ
医療の知識を、美容業界へ」

直近では、美容クリニックとの業務提携も話題になりました。

赤坂にオープンした美容クリニック「イートップクリニック」と、2021年11月に業務提携を結びました。美容室にも「髪質改善」メニューはありますが、今以上の効果を期待することは難しいのかな…と。そこで、AGA専門クリニックに勤務経験のある院長・増田 えりかさんと、今まで1万人以上のお客さまを施術してきた美容師である私の知識をかけ合わせた形です。メニューは、臍帯血幹細胞培養上清液を使用したオリジナル髪質改善トリートメント、新たな毛髪を作り出すエネルギー源であるバルジ領域を活性化するメディカルヘッドスパ、発毛育毛治療、ヘアライン(分け目や生え際)の薄毛をカムフラージュするアートメイクなど、医療機関だからこそ提供できるもの。

メニューのひとつ「医師×美容師による究極の髪質改善トリートメント」は1回7万9,800円(税込)と高額ですが、美意識の高い人は、肌や整形などにお金をかけるのと同様に、髪に対しても意識が高いと思うので。また髪と顔はつながっています。そういった視点から、お客さまのトータルケアが可能になります。

業務提携のメリットは、どのようなことがありますか?

ドクターは体のことはすべて詳しいものだと思っていたのですが、意外と髪の内部・毛髪化学の分野については、美容師のほうが詳しい場合もありました。そこで、美容師の知識を医療業界に届けることができるのでは、と。逆に、自分にも医療の知識が入ります。そうすることで、美容室で接するお客さまに対しても、話す内容に説得力が生まれ、信頼につながると思いました。

Instagramの非公開アカウントで、「髪質改善ヘアドクター」として発信も始めたんです。ドクターもたくさんフォローしてくれています。毛髪に関する専門家として、美容師が医療業界に入っていってもいい。髪を切るだけが美容師ではないので、可能性が広がり、相手の業界にも貢献することができます。今後、ドクターのみなさんに毛髪に関するセミナーなどを行い、さらに美容師の価値を上げていきたいですね。

ご自身のサロンだけではなく、業界を超えてチャレンジされているんですね。今後の構想は?

今後「PiNCH」として、同じ業態で出店することはないと思いますが、新たなコンセプトでの挑戦はします。「PiNCH=ピンチ」という言葉をネガティブに捉える方も多いですが、「PiNCH」の“CH”には、CHANCE(チャンス)・CHALLENGE(チャレンジ)・CHANGE(チェンジ)の3つの意味を込めています。私は「ピンチという変化の時こそ、何に気付けるか、何を経験できるか、それによってどう自分自身を行きたい方向に導けるか」と、ポジティブに捉えているんです。

「PiNCH」という会社を通して、美容業界だけではなく、高校生や大学生など若い人、他業種の人にも、挑戦する気持ちになってもらえる「きっかけ」を与えられる会社になりたい。そのために、私自身も、たくさんのことにチャレンジしていきます。

  • 「イートップクリニック」個室VIPルームの一角にあるシャンプー台

  • 「イートップクリニック」院長・増田さんとは、10年来の付き合い。お互いに「業界を変えたい」という話をずっとしてきたという

子どもの頃から医療の道を目指していた吉田さんが、ふとしたことがきっかけで、美容の道へ。そしてここにきて思いがけない形で、美容師として医療に携わることになります。医療への想いが残っていたのか、うかがうと…。

「潜在意識のどこかにあったのかもしれません。両親も、まわりから“医療ではなく、なぜ美容師に”と、言われていた気がするんです。だからこそ、がんばって美容業界で結果を出したい。そして医療業界にも貢献することができたら、両親も喜んでくれるかな。この年末、実家に帰ったら、最近のできごとを報告してみようと思います(笑)」

4歳の頃の吉田さん(中央)と、ご両親

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