イノベーターが
見ている未来
vol.3
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
株式会社フェリーク ape beauty WORLD
鈴木優一さん (age.34)
2001年、茨城県水戸市に誕生した第1号店舗のカフェ・雑貨店を皮切りに、2009年には美容サロン事業、2013年からは建築事業に進出する快進撃を展開しているアーペグループ。今回は同グループの美容サロン事業を担う、株式会社フェリークの代表取締役・鈴木さんにインタビュー。ヘアサロンに雑貨店とカフェ、さらには住宅モデルルームまでが併設された型破りなサロン「ape beauty WORLD(アーペ ビューティーワールド)」から見える、 美容サロンそして美容師の未来とは?
(URL:http://ape-style.com/)
第1章美容サロンの枠に留まらない、多彩な事業展開
「カフェ・雑貨より“あと”にできたヘアサロン。
集客の秘策は、そこにありました。」
鈴木さんが代表を務める株式会社フェリークは、アーペグループの美容サロン事業部門とのこと。グループ全体としては現在、どういった事業を展開されていますか?
アーペグループは大きくわけて「美」「住」「食」の3つがあります。まず僕が代表を務める「株式会社フェリーク」、こちらはヘアやネイルなどの美容サロン事業を行っています。もうひとつは住宅・店舗のデザインや施工など建築事業を行う「株式会社ファミーユ」、くわえて2015年7月には居酒屋事業を展開する「株式会社シャルム」を設立しました。この3つを統括する本部が、株式会社アーペです。
株式会社アーペの代表・佐久間一能さんとは、鈴木さんがアパレル企業にお勤めだった時代に出会ったそうですね。そこから鈴木さんが美容サロン事業を立ち上げるに至った、現在までの流れを教えてください。
アーペはもともと佐久間が2001年に茨城県水戸市で立ち上げたブランドで、僕も一緒に設立にかかわりました。ですがその後、僕は心機一転、憧れだった美容師を目指して東京へ出るためアーペを離れることに。都内の美容サロンで6年経験を積み、地元に戻っての独立を考えたのですが、ひとりでできることには限りがあります。それよりは、すでにカフェ・雑貨店を開いて地域でのブランド力をつけていたアーペの力を借りたほうがいろいろできると思い、アーペのグループ企業として参画しました。
そして、それまであったカフェ・雑貨店にプラス、ヘアサロンを併設した複合店舗「ape beauty WORLD(アーペ ビューティーワールド)水戸店」をオープンさせたのが2009年のことです。
最初にヘアサロンができたのではなく、カフェや雑貨が始まりだったんですね。いずれにしても美容と雑貨では別の分野、さらに建築事業まで外部委託ではなく自社グループであると。それが驚きでした。
自分たちとしては、まったく不自然なことではありません。というのも、最初に佐久間と立ち上げたのはカフェ・雑貨店でしたが、単にカフェや雑貨がやりたかったわけではないんです。目指したのは「30代~40代の女性のライフスタイルを豊かにすること」をコンセプトとした、「アーペというブランドを作ること」でした。その世代を狙ったのは「30代~40代の女性が安らげる空間って世の中に少ないよね、じゃあそこをターゲットにしよう」というところから。
なのでアーペのコンセプトに合致すれば、カフェやヘアサロン、住宅など形は問いません。逆に言うと、アーペのビジョンを共有できていなければ、やる意味がない。建築に関しても専門的なノウハウだけある外部に委託するよりも、アーペのブランドを理解したグループ企業が担当するほうが世界観がずれないんです。
次々に生み出される新しいサービスや業態。
目指す最終形は「ひとつの街をつくること」。