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先輩女性インタビュー
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.25
「JACK-IN-THE-BOX」高宮店の店長兼スタイリストとして活躍し、福岡市内に4店舗を展開する同グループの常務取締役として経営にも携わっている梶原さん。美容師を目指した当初は、友人全員が「向いていない」と反対したほど、極度の人見知りだったそう。そんな彼女が輝かしいキャリアを手にするほど、行動派に生まれ変わったきっかけとは?これまでの軌跡についてお話を伺いました。
Staff Data
梶原美奈子(かじわらみなこ)さん 41歳
常務取締役、兼スタイリスト。JACK-IN-THE-BOX 高宮店勤務(福岡県福岡市)。
スタイリスト歴17年。同グループの大橋店の立ち上げスタッフとして入社。現場主義をモットーに、常務取締役に就任後も、高宮店の店長兼トップスタイリストとして活躍中。既婚。
★…ターニングポイント
人見知りの性格を変えたくて、周囲の反対を押し切り高校卒業後、美容師になるために大分から福岡へ。
通信制の美容学校に通いながら、大型チェーンのサロンにアシスタントとして入社。その頃は、仕事を覚えこなすことに必死だった。
★精神的に未熟だったため体調管理がうまくできず、仕事が続けられないほど体調が悪化。オーナーからは休職を勧められたが「迷惑をかけたくない」と退職することに。
「違う環境でイチからやりなおそう」と、地元密着型サロンにオープニングスタッフとして入社。
ある日の失敗から、「うまくいかないのは周りのせい」と思っていた自分に気づく。成長するためには自分から行動することが大切だと強く感じた。
美容師免許を取得。
先輩の指導を受けながら、スタイリストデビューを目指して練習を重ねた。
試験に合格し、ついにスタイリストデビュー。
お客さまに指名していただけるよう、要望に丁寧に応える気持ちのこもった接客を意識。外部の講習会に参加するなど、積極的に技術も磨いた。
指名数・売上の実績が認められ、店長に就任。数字を意識しながら、バリバリ働く。
サロンに不満はなかったが、「今の安定した現状に満足したら、美容師としてこれ以上成長できないのでは」と不安に。
年齢的にも新しい場所で挑戦できる最後の機会と思い、転職を決意。
「JACK-IN-THE-BOX」というサロン名に惹かれ、オープニングスタッフとして入社。
20歳からの交際を経て、同い年の彼と結婚。仕事に理解のある夫の協力もあり、結婚後も働き方に変化はなかった。
オープニング当初からの実績が認められ、福岡市内に4店舗を運営する同グループの常務取締役に就任。
「JACK-IN-THE-BOX」高宮店がオープン。店長に立候補し、役員会議を経て就任。
常務取締役として経営に携わりながら、店長として後輩育成に力をそそぐ毎日。また、いちスタイリストとして「ハサミが持てなくなるまで現場に立ち続けたい」と考えている。
38歳の頃。スポーツをして盛り上がるなど、スタッフ全員仲良し
40歳の頃。10周年の記念にお揃いTシャツを着て食事会を楽しんだ
高宮店のスタッフたちと。みんな子供のようにかわいくて大切
「失敗を恐れず行動することの大切さを知ることができたおかげで、美容師を続けてこられている気がします」と梶原さん
A. できないことをすべて周りのせいにして、
自分で行動することから逃げていました。
2店舗目に就職したての頃、先輩のヘルプに入ったのですが失敗をしてしまったんです。それからその先輩に一切ヘルプに入れてもらえなくなり、「つらい。辞めたい」と思う毎日が続きました。あるとき、そんな私を見かねた他の先輩から「ヘルプに入りたい、という気持ちをちゃんとぶつけてみたの?」と言われて。そのとき初めて、「失敗したのは先輩が教えてくれなかったせい」と考えて、何も行動していなかった自分に気づいたんです。そこからは、失敗した技術を練習しながら、先輩に何度断られても「ヘルプに入りたい」という気持ちを猛アピール。先輩に受けいれてもらえたとき、練習した技術でお客さまに喜んでいただけたときは、本当にうれしかったですね。
行動すれば環境は変わり、成長もできる。内向きの考えは一切なくなり、美容師を一生続けようと決意したのが20歳のときだったんです。
「キャリア何年だからという考えは持たないほうがいい。後輩の感覚や技術から学ばせてもらえることはたくさんあります」
A. 柔軟な発想と行動力、そして
感謝の気持ちを持つことが大切。
年齢を重ねると、ある程度仕事はこなせるようになると思うんです。でも、そこで満足したら終わり。新しい技術や情報を求めるお客さまに飽きられてしまうと思います。成長し続けるためには、柔軟性が大切。例えば後輩の感覚や技術にも目を向けて、いいと思ったら取り入れるなど。いろんなものに興味を持って引き出しを増やすことが、長く続けるためには必要なことだと思います。
もうひとつ私が大切にしているのは、感謝の気持ちを常に忘れないこと。自分からありがとうの気持ちを持って接しなければ、お客さまに心から感謝していただけることはないと思うんです。
「自分がほめられるより、お客さまからスタッフがほめられている姿を見るほうが何倍もうれしいんです」と梶原さん
A. スタッフを育てながら、
一生働き続けられる環境を整えたい。
スタッフを育てるのが店長の使命。みんなを技術的にも人間的にも魅力的なスタイリストに育てたい。お客さまからありがとうの笑顔をたくさんいただけるようになってもらえたら最高ですね。
役員としては、スタッフを第一に考えるオーナーと一緒に、「一生働き続けられる環境」を整えていきたいと考えています。今年5月にオープンした「jeg」も、そんな取り組みのひとつ。ジュニアスタイリストが中心のサロンなのですが、若手が活躍できる場を作りたいとの想いから生まれました。“若いスタッフも年齢を重ねたスタッフも輝けて、お客さまとずっとお付き合いできる”。そんなサロンを目指していきたいと思っています。
悩んでいる現状を変えたいなら、勇気を出して行動してみてほしいです。オーナーからの受け売りですが、「何もしないと失敗しないから気づけないし、成功もできない」ですから。先輩や同僚に相談してみる、そんな些細なことでもいい。私自身、客単価だけがどうしても伸ばせず悩んだことがあるのですが、「何にお金をかけるか、何を選ぶかは、お客さま次第。なのに、お客さまの財布の中身を勝手に決めて、良いと思うメニューを勧めないからだよ」との先輩のアドバイスで即、解決した経験があります。
美容師を続けていて思うのですが、成長するたびに新たな壁や悩みは生まれるんですよね。ぜひ先に進むために、一歩を踏み出す勇気を身につけてください。
Salon Data
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