石川県・金沢市、ひがし茶屋街の近くに位置する「SyuA」。ネイル・まつげパーマ&エクステ・フェイシャルエステ・痩身・脱毛・リラクと、多彩なメニューが揃うトータルビューティサロンだ。当初はブライダル中心にやってきたものの、コロナ禍で結婚式が続々と中止に…。そこから一般のお客さまにターゲットをシフトし、なんとコロナ禍前に比べて2倍の集客に!その秘策とは?
代表/山瀬 真弓さん
仕事・育児をしながらネイルスクールに通い、ネイリストの道に。2007年、羽咋市にネイルサロンを開業。ウェディングネイルも手掛けるなどして売上を伸ばした。「お客さまをいろんな面でサポートしたい」と2016年、現在の地にトータルビューティサロンをオープン。
マネージャー/MIAさん
山瀬さんの長女。美容師免許取得後、ブライダルでのヘアメイクとして評判に。その後、SyuAに入社した。現在はパリジェンヌ・アイリッド(ともに、まつげパーマメニュー)専門員としてサロンワークを行いながら、現場の管理・マネジメントを受け持っている。
コロナ禍で、ブライダルが窮地に…
ーもともとは、ブライダルが中心だったとか?
山瀬さん/一般のお客さまもいらっしゃいましたが、ブライダルのお客さまが多かったんです。でも、コロナ禍でブライダルは厳しくなり…。落ち込んでばかりはいられないので、一般のお客さまにメインターゲットをシフトしました。
MIAさん/まず、ホットペッパービューティーの予約・管理システムである、サロンボードをきちんと把握するところからでしたね。あとは人気サロンを見て、打ち出し方を研究したり…。
ートータルビューティサロンなので、メニューがたくさんありますよね?
MIAさん/そうなんです。コロナ禍になってから、さらにメニューを増やしたので、そのぶん「クーポン」も複雑に…。なので、パッと見ですぐ、どのジャンルに該当するかを文言や画像でわかりやすくしました。
「おしゃれさ」にこだわっていた時期もありましたが、今はとにかく「わかりやすさ」!パソコン・アプリでそれぞれ見え方が違うので、更新したら、どちらの画面からもチェックします。
山瀬さん/あとホットペッパービューティーの「ブログ」は、定休日も含め基本的に“毎日更新”。私も含めて、全員持ち回りで書いています。テーマは自由ですが、施術に関連する内容なら、お客さまが気になるであろうポイントを丁寧に解説したり。スタッフの人間性を知ってもらうため、たまにプライベートのことを書くことも。最近の若い方は特に、長い文章に抵抗があると思うので、なるべく短く!
サロンボードで、ブログ閲覧数がわかりますよね。そういった反響なども参考にしています。
ーお客さまの「口コミ」を拝見すると、「丁寧な技術」「丁寧なカウンセリング」「丁寧な対応」など、“丁寧”という言葉が、非常に多く並んでいます。
MIAさん/技術はあって当たり前ですが、接客の部分をお褒めいただくのは、とてもうれしいです。ご来店からご退店までの流れごとに、スタッフがやるべきことをツール化しています。「どういった部分が不満足につながってしまうのか」「お客さまの不安な部分はどこか、どうしたら安心感を持ってもらえるか」を考えています。
スタッフそれぞれ性格も違いますし、そのお客さまが求めているものによって対応を変える必要があるので、常に試行錯誤ですね。
山瀬さん/口コミで、マイナスなご意見をいただいたとします。そちらは、代表である私から返信します。スタッフにとっては、時に不条理な思いがあるかもしれませんが、お客さまの言葉を、まずは受け入れる。どう返信するかも、お客さまは見ています。感情的・攻撃的な返信をしたところで、何も生み出さないと思うんです。
こちらが良かれと思ってやったことだとしても、「そういう風に感じるお客さまもいる」という点で勉強になります。少しのマイナス点も起こさないように、何かしら改善につなげています。
スタッフからの「日報」には、時間をかけて返信!
―ネイル・エステ・アイなど多様なジャンルがあるので、受け持つスタッフもさまざま。人間関係で、大変なことはありませんか?
MIAさん/うちは、密なコミュニケーションを心がけているからか、スタッフ同士の仲がいいですね。ミスやトラブルはどこでも起こり得ると思いますが、その時の対応が重要。なぜそうなったかを聞いても、なかなか自分の言葉で表せなかったり、本当に言いたいことが隠れている場合も…。
だから、しつこいくらいに探って、拾ってあげる。そういった“本音を言い合える環境づくり”に一番気をつけています。そうすると、ほんの小さな“感情の変化”も読みとれるように…。みんな素直でいい子なので、そこを活かしてあげたいんです。
山瀬さん/スタッフは子どもくらいの年齢なので、私はお母さんというか、人生の先輩としていろんなことを伝えていきたい。コロナ禍で気持ちが沈んでしまうと、信頼関係がなくなってしまうのでは…という不安もあり、「日報」を始めました。サロンの中でスタッフを見ているのはMIAですが、私も、スタッフ一人ひとりを知らないといけないと思ったので。
毎日、仕事終わりに「今日やったこと、思ったこと、楽しかったこと、つらかったこと」を、スタッフ7名全員、日記のように書いてもらうんです。それに対する返信を、私から一人ずつにします。すべて、みんなが見られる状態。
厳しいことを伝える時もありますが、夜に書くと必要以上にヒートアップしてしまうことも…。なので、気持ちが落ち着いている「朝」に返事を書くんです。
―たとえば、どんなことを書いていますか?
「こういうところで、つまづいている」という内容であれば「疑問を持つこと自体は最高!それでないと、技術も成長も止まってしまうから。疑問点は、気軽にマネージャーや店長に聞いてね」とか。
―「毎日日報を書く」というのは大変なので、スタッフの方から不満が上がったりは?
山瀬さん/実は、私が結構大変かも(笑)。すごく考えて返事を書くので、毎日これだけで1時間30分~2時間かかるんです。だからスタッフに「日報、ちゃんと役に立ってる?止めようか?」って聞いてみました。そしたら「止めてほしくない」「一人ひとりに目を向けてくれてうれしい」と言ってくれたので、がんばって続けようと。
これからも、お客さまをトータルでサポート!
―トータルビューティサロンとして、今後さらに力を入れていきたいことは?
山瀬さん/コロナ禍では、ひとつのサロンで美容のすべてが完結できれば安心感もありますし、何よりラク。育児・仕事などで忙しい方でもトータルでキレイになれるように、お客さまをサポートしていきたいです。
MIAさん/「コロナを言い訳にしたくない」という想いで、スタッフみんなでがんばってきました。美容には、お客さまを元気にする力がある。それを信じて、これからもやっていきたいです。
ブライダルも完全に止めたわけではなく、今は8割くらい戻ってきています。今後、トータルビューティとブライダルを掛け合わせた店舗を出したいですね。
山瀬さん/大きな夢でいうと、海外展開も!MIAは結婚相手がアメリカ人なので、そういった面も活かしながら…。日本の美容技術と接客の素晴らしさを、海外にも広げていけたらうれしいです。
SALON DATA
-
SyuA【シュウア】
- アクセス
- JR金沢駅より車5分
- 創業年
- 2007年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- 総7(リクライニングチェア4/半個室1/完全個室1/ネイル1)
- スタッフ数
- 7名