第3章地方、そして海外展開
「美容室は、競争相手だと思っていない。
忙しい人が時間を過ごす場所がライバル」
2019年には、約3.2億円の資金調達という大きなニュースもありました。こちらの狙いは?
電通、B Dash Ventures、そしてサニーサイドアップという素晴らしいパートナーが見つかり、とてもうれしかったです。Jetsetの活動に共感してくれた投資家4名にも出資いただきました。その期待に、必ず応えていきたいです。
ただ、投資先のことはもちろん考えるけれど、私は“儲けたい”という気持ちではやっていない。いいビジネスをつくれば、当然お金はついてくる。「お客さまだけではなく、働くスタッフのライフスタイルも変えていく」この想いを大切にしています。
今後の出店予定を教えてください。
コロナ前は、東京・丸の内や八重洲に3~5店舗出店を考えていましたが、コロナでそのエリアはテレワークの方が多くなりましたよね?
なので、そういった「ザ・オフィス街」ではなく、「住んでいる人もいて、働く場所でもあるエリア」つまり、二子玉川・恵比寿・代々木上原・横浜。その後は、大阪・福岡・神戸・名古屋・札幌・埼玉もチャンスがあると考えています。
今までやってきてわかったのは、「六本木ヒルズ店」と「東京ミッドタウン日比谷店」は、雨の日でもキャンセルが少ないということ。地下鉄に直結していて、車の場合でもパーキングがあって移動しやすいところがいいのかなと。
地方にはまだ、「シャンプー&ブローのプチリラクゼーション」はありません。東京港区など“都心ど真ん中”より、そちらのほうがワーキングママは多いですよね。
私は、美容室を競争相手だとは思っていません。「忙しい人が時間を過ごす場所」がライバル。スターバックスとか。それらがある場所に、出店を考えています。
海外展開は、いかがですか?
コロナの前は、アメリカと上海の話が出ていたけど、今はアジアを考えています。タイ・シンガポール・韓国は、日本の技術への評価も高い。アジアはシャンプー&ブローの文化はあるけど専門店はないから、「東京に来なくても、日本の技術が受けられる」ということがウリになります。
もうコロナのせいにはできないから、やるしかない。来年からは新しい店舗を作っていきたい!
カラー・縮毛矯正の専門特化型サロンが、定着しつつあります。Jetsetの「シャンプー&ブロー専門店」は、今後日本で根付くと思いますか?
I think so(そう思う)!私が一番それを信じないと、実現できません。専門特化型サロンについて、「技術がクイックなだけ」と思っている人もいるかもしれない。だけど、一生懸命トレーニングしたスタッフは、プライドを持って働くことができます。
辞めたスタッフとも関係性は続いていて、今もサポートしています。「ここで働いてよかった」と思ってくれたらうれしい。そして、お客さまには「Jetsetのおかげで、自分の時間が増えた」と喜んで元気になってもらうこと。それが、My dream(私の夢)!
『8時間ゆっくり寝たい!』
あるスタッフは言いました。
『休憩をとらなかったり、残業すると、ジュリアさんに怒られるんです(笑)』と。
スタッフだけではない。世の中の忙しい女性を救うために。
シャンプー&ブローの文化を、この日本にも。
『経営者は、お客さまやスタッフにパワーをもらえる。
だから、寝なくてもがんばれちゃう』
そう言って、ジュリアさんは女神のように微笑みました。
(あ、でもたまにはゆっくり寝てくださいね!)