CHAINON 坂口 貴徳さん/ハリウッド大学院大学 講座レポート

※「ホットペッパービューティーアカデミー×ハリウッド大学院大学」寄付講座
ホットペッパービューティーアカデミーは、美容系専門職大学院であるハリウッド大学院大学にて、2022年10月～2023年1月、寄付講座「ビューティビジネス概論」を開講。そのなかで計4回、美容業界の最先端をいくサロン経営者をお招きして、アカデミー長・千葉智之とのトークディスカッションを開催

2022年10月27日に開催されたゲスト回・お1人目は、大阪を中心に美容サロンを14店舗展開する「株式会社CHAINON（シェノン）エンターテインメント」代表取締役・坂口貴徳さん。テーマは、「美容業界の常識を覆す！CHAINONが爆速成長する理由」。創業からたった4年で、年商10億円（今期見込み）にまで伸びたワケとは？

経営者自身が、強い発信力を持つ！

株式会社CHAINON/代表取締役・坂口貴徳さん

—（アカデミー長/千葉）坂口さんは、テレビやメディアにも多く出演されています。2022年9月には、堀江貴文さん主宰の「HIUローカルアカデミー」にも登壇されていましたね。

経営者である自分が目立つことによって、外部・内部ともに、意見が通りやすくなりますよね。なので、そういった場に登壇したり、あらゆるSNSで発信もしています。人材というのは、経営者の属性に合った人が入ってくるので、スタッフも発信力が強い。

スタッフとのやり取りも、LINEでやればいい話を、時にインスタのストーリーに上げて「コミュニケーション」として見せたり。どんな社長かわからない会社で、働きたくないですよね？だから、自分の「人となり」がわかる発信を。そうすると、SNS上でCHAINONの口コミが自然発生し、リファラル（推薦・紹介）マーケティングにつながります。

—2023年は、どのくらいの採用を予定していますか？

新卒25名が決まっています。実は、今日この会場にも1名いるんです（笑）。

—そうなんですか！ちなみに最近の新卒世代の特徴など、ありますか？

うちは、「カラフル企業」をうたっています。これは、ブラックでもホワイトでもなく、徹底的に一人ひとりの個を活かす、という意味。最近はホワイト企業が増えてきましたが、実は「もっと働きたい」という子が増えている気がします。なので、休みはもちろんありますが、しっかりレッスンしたいスタッフにはそれを叶えるようにしたり。

うちに入った子の能力を、いかに開花させるか？ということを考えていますね。経営者って、自主的に動かないスタッフに対して「なぜ動いてくれないんだろう？」と、思いがち。「どうしたら動きたくなるんだろう？」という考えを、持たないといけない。「やりたい」と「やらせる」では、全然結果が違ってきますから。

辞めさせない会社から、辞めたくない会社へ

—CHAINONさんでは、離職も少ないということですが？

そうですね、創業2年目までゼロで、今も少ないです。「辞めさせない」っていう考えは、ダサいですよね。スタッフに「辞めたくない」と思ってもらえたら、経営者の勝ち。うちは、辞める理由を、どんどん排除しています。たとえば、ママさんが辞めてしまった場合。自社で保育所はつくれないけど、美容師以外の仕事が可能になる事務所ならつくれる。「根性が足りない」とか、辞めたのをスタッフのせいにするのではなくて、辞めた原因を徹底的につぶすことが大事。

あと、Evernote・Adobe Illustrator・Microsoft OfficeといったPCソフトの勉強会や、お金・投資を学べる環境もあります。美容師も技術だけやるのではなく、ライフプランの立て方を勉強すれば、将来設計ができる。

また自社内に、保険・労務・ハラスメントの窓口を置いて、いつでも相談できるようにしています。

—それは先進的ですね！坂口さんが経営をするうえで、大事にしていることは？

「自分が働きたい会社かどうか？」「自分の娘を働かせたいと思う会社か？」、この2軸です。僕は、娘が2人いるんですが、常にこの観点で考えると、すべての決断に迷いがなくなる。自分がされて嫌なことは、相手にもしてはいけない。でも、経営者になると、なぜこれを忘れてしまう人が多いんだろう？

人生のほとんどは仕事だから、成長できないとおもしろくないですよね。

—僕は、“娘”はいなくて、“息子”だけですが、子どもを入社させたくなりました（笑）。

ぜひ（笑）。なぜ、うちが伸びているか？一言でいうと「人が集まる仕掛けを、たくさんつくっているから」。僕は、「はやく行きたければ一人で行け！遠くへ行きたければみんなで行け！」っていう言葉が好きなんです。本気で美容業界を変えたいという仲間と、今まで見られなかった景色を、みんなで見ようじゃないか！それが、社名にもある「エンターテインメント」だと思っています。