サロンで始める
訪問美容~データ&実例編~
データや実践事例を交えて訪問美容の可能性について考えていきます。
vol.70
実例編若さとチームワークで施設400件と契約!月商10万からの成長ストーリー。
福岡・佐賀を中心に活動する株式会社tetoは、介護施設約400件、在宅約80名のお客さまのもとへ訪問美容を行っています。2010年のスタート時から地道な営業を続け、現在では在籍スタッフ50名を抱えるまでに成長しました。代表の中山貴史さんに、訪問美容を始めたきっかけや顧客獲得の道のり、スクール事業を通じた人材育成についてお話を伺いました。

株式会社teto
- 全スタッフ50名
- 代表取締役:
- 中山貴史さん
- 訪問美容開始:
- 2010年
- 訪問施設数:
- 400件
- 訪問個人顧客数:
- 80名
- 訪問スタッフ:
- 50名
- 価格:
- ◆在宅:カット4,400円、ベッド施術+550円、丸刈り3,300円、顔そり1,100円、カラーのみ5,500円、パーマのみ5,500円、シャンプー2,200円、出張料1,100円◆施設:カット2,000円、居室orベッド施術+500円、丸刈り1,200円、顔そり700円、カラーのみ5,000円、パーマのみ5,000円、シャンプー1,500円(7名以上から対応)
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Q
訪問美容に関心を持ったきっかけは?
-
A
祖母へのヘアカットがきっかけでした。
祖母が亡くなる2日前に、ヘアカットの約束を実現。
家族が美容師の夢に反対する中、唯一応援してくれたのが祖母でした。「美容師になったらおばあちゃんの髪を切ってあげる」と約束しましたが、専門学校卒業後に就職した会社をすぐに辞めてしまい、アルバイト生活を送っていました。そんな中、祖母が体調を崩してしまったのです。「このままでは約束を果たせないかも」と思い、ヘアサロンに再就職。たまたま祖母の体調が良い日があり、まだアシスタントでしたがカットをしに行きました。その2日後に祖母は他界。認知症でしたが、私が髪を切ってあげたとき、2年ぶりに私の名前をちゃんと呼んでくれて嬉しかったですね。「きれいにして送ってあげられた」という満足感がありました。でも、その後サロンで若いお客さまを施術しても、あのときの喜びを超えるものが感じられなかったのです。「自分は訪問美容をやるべきだ」と思い、1年後に訪問美容の道へ進みました。
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「もともと人見知りですが、訪問美容のことなら自信を持って話せるんです」と語る中山さん
事業を引き継ぐ形で、車・道具・権利をローンで購入し独立。
最初は先輩が立ち上げた訪問美容事業で働いており、そのときに介護施設初任者研修の資格も取得しました。しかし2年でその会社が倒産してしまったのです。当時訪問に使用していた車と道具と権利を100万円のローンを組んで買い取り、事業を引き継ぐ形で独立することになりました。
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介護施設でのカットの様子
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介護施設でのカラーの様子
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Q
どうやってお客さまを増やしていきましたか?
-
A
ひたすら電話と飛び込み営業。手品を披露して契約をいただいたことも。
100件電話をかけて3件の契約につながりました。
独立当初は月10万~15万円くらいの売上で、1年ほどは貧乏暮らしが続きました。若かったのでそれも楽しかったですね。当時は福祉と名のつく施設には片っ端から飛び込み営業に行き、ひたすら100件電話をかけて、そのうち10件が話を聞いてくれ、3件から契約をいただけるという状況でした。ある施設では「君が入ることで何か変わるの?」と聞かれ「手品ができます!」と答えて実演し、大盛り上がりで契約をいただいたこともありました。
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訪問美容の道具一式。キャリーケースとバッグにまとめて持参している
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道具をセットした様子。キャリーケースの持ち手部分にクロスを掛けている
介護職員とのコミュニティづくりや、イベントを通じたアピール。
現在は紹介から契約につながることが多いですね。介護職員の方々を集めてフットサルや飲み会を開き、仲良くなるうちに、自然と紹介をいただけるのです。また、私たちの武器は「若さ」と「よく笑い、臨機応変に対応できる素直なスタッフ」です。スタッフが増えてからは敬老会などのボランティアとセットで契約をいただいたり、メイク・ネイルをセットで提供する「美容祭」やソーラン節のイベントを行うなど、独自の工夫を凝らして顧客を増やしていきました。
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株式会社tetoのパンフレット。自分たちのストーリーを伝えるために本のようなつくりにしているそう
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「値段だけで判断されたくない」と思い、以前は施設向けの料金を表示していなかったが、今はわかりやすさを重視して記載している
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Q
訪問美容で売上を伸ばせるようになったのは?
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A
1年後に売上が月30万〜40万円になり、スタッフを雇用しました。
独立から1年ほど経ったころには、月の売上が30万~40万円くらいになり、2年目で初めて後輩をアルバイトとして雇用しました。そこから少しずつスタッフが増え、現在では50名が在籍しています。また、「技術を教えて欲しい」という美容師の声からスクール事業(LBLスクール)もスタートしました。スクール卒業生をそのまま採用することもあり、即戦力として活躍してもらえるため、事業の大きな強みになっています。
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事務所の一室にある練習スペース
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「LBLスクール」では、受講者のレベルに応じてコースが選べる
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Q
今後の夢や目標は?
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A
もっと仲間を増やして「圧倒的に九州ナンバーワン」を目指していきたいです。
高齢者の生きがいづくりのため、海外支援活動をスタート。
訪問美容を始めて自分の人生は確実に豊かになりましたし、毎日が本当に楽しいです。でもそんななか、「生きているのがつらい」と話す高齢者の方がいたのです。少しでも生きがいにつながるのでは?と思い、日々の売上から寄付を行ってカンボジアの子どもたちが働ける美容室をつくるための自立支援活動(tetoteo)をスタート。また、その経験をお世話になっている介護事業者さまに還元したいと思い、日本の介護施設で働きたいという「特定技能外国人」の方々の登録支援事業も始めました。
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カンボジアでの海外支援の様子。現地の子どもたちの笑顔があふれている
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海外支援活動にはスタッフも同行し、カットを行っているそう
九州ナンバーワンを目指し、仲間を増やしていきたい。
今後の目標は、スクール事業を通じてFC展開を行い、九州で圧倒的ナンバーワンを目指すことです。訪問美容の仲間を増やしたいですし、そのきっかけとなる場所をつくっていけたらと考えています。
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「創業から12年間離職ゼロで、チームワークもいいんです」と語る中山さん
中山さんからひとこと
これから訪問美容を始める方は大変かもしれません。施設の数は今後伸び悩み、契約を取るのがますます難しくなっていくためです。サロンワークをしながら訪問美容をしたい場合は、既存の事業者と業務委託契約を結び、そこで自分のファンをつくるのがお薦めです。そういう会社で学んでから独立するほうが効率がいいのではないでしょうか。仲間が増えることは大歓迎です!

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