お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
【福岡】髪質改善・韓国風・メンズ・ショート…
専門特化の“逆”を行く!それでも集客爆発のワケ。
HAZEL 博多【ヘーゼル】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2023 GOLD Prize
「専門特化サロンが強い」と言われ、久しい。その流れと逆のアプローチで勝負するのが、福岡県博多市にある「HAZEL」だ。HOT PEPPER Beautyのページにおいて、いわゆる“何でも屋”は、打ち出すべきものが難しいのでは?…そんな心配も無用なほどに、集客は絶好調!その秘策とは?
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000542412/CONCEPT
おもなターゲットは、20代のおしゃれ感度が高い女性。トレンドをおさえながら、毎月でも通いやすい価格設定&使う薬剤にこだわりを持つサロン。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
「スタッフの得意×トレンドワード」の掛け合わせ
スタッフ同士で講習→特化しつつ、オールマイティーに
スタイルはバラバラながらも、統一感は大切に!
「スタッフの得意×トレンドワード」の掛け合わせ
髪質改善、韓国風、メンズパーマ、ショート、ジェンダーレススタイル…若年層に人気のトレンドワードが並ぶ。これらは、HOT PEPPER Beautyの「検索ワードランキング」を参考にしながら、スタッフ一人ひとりの“得意”を、掛け合わせていったという。
何に特化するかは、本人の意向を大切に。もし迷っているスタッフがいれば、代表・森さんが相談に乗ることもある。
森さん『たとえば、メンズスタイルがやりたい場合。パーマひとつでも、いろんなジャンルに分かれていますよね。トレンドも加味して、アドバイスします。もちろん、サロン全体でのバランスも考えながら。いまHAZELに欲しいのは、デザインカラーの分野。ここを狙えるスタッフを、育てているところです』
▲HOT PEPPER Beauty「こだわり」ページより。「スタイリスト」紹介ページはもちろんのこと、ここでもスタッフ&得意なスタイルを詳細に紹介
スタッフ同士で講習→特化しつつ、オールマイティーに
それぞれに得意なスタイルは持ちつつも、トレンドサロンとして多くのお客さまを集客している以上、オールマイティーに対応できるようにと技術を磨き合う。そのために、自社の系列店舗3サロン合同で、定期的に講習を行っている。
森さん『いまなら韓国発の“ダウンパーマ”(メンズに人気のサイド・襟足・後頭部などのボリュームを抑えるパーマ)が人気です。韓国ヘアが得意なスタッフに講習をしてもらい、流行のスタイルは、ある程度みんなができるようにしています』
このように、トレンドスタイルを常に提供できるよう、スタッフ同士で教え合う環境があるのも特徴だ。
▲「予約比率」を見ると、男女比率は約半々。最新トレンドを発信しているだけあって、男女ともに20代の若年層が最も多く、狙ったターゲットが集客できている
スタイルはバラバラながらも、統一感は大切に!
サロントップは3枚の画像が切り替え式で入ることになる(PCから閲覧の場合)。HAZELでは「①ショート ※下の画像」「②メンズ」「③韓国風」の3枚の画像は、それぞれ4名のモデル写真を使い、同じ構図にして、テイストを合わせている。
「スタイル」ページもまた、男女さまざまな髪型をアップ。こちらも世界観を統一しているので、違和感がない。
さらには、あまりにも個性的すぎるスタイルは上げないようにしている。ニッチすぎるとページから浮いてしまうのと、お客さまもハードルが上がり予約アクションにつながりにくい、と考えるからだ。
▲PCで見たときの「サロントップページ」(「①ショート」の場合)
代表インタビュー
森 穂高さん
長崎県生まれ。福岡の美容専門学校を卒業後、神奈川県横浜市のヘアサロンに就職。2018年、博多に「ICON.(アイコン)博多」をオープン。現在は「HAZEL」を含め、福岡・宮崎にてヘアサロン4店舗、アイサロン1店舗を展開。
ー「HAZEL」は3店舗目のサロンとのこと。2021年のオープンから、わずか1年4カ月でAWARDでGOLD受賞というのは、すごいですね。
今後の店舗展開を見据え、「HAZEL」は自社の“象徴的な存在”にしようと決めていました。なので、AWARDも狙っていたところがあります。
そこで、ともに博多にある1店舗目の「ICON.」、2店舗目の「Peyp prod ICON(ペイプ プロド アイコン)」から、売上の高いスタッフを集めた形でオープンしたんです。
ーそうすると、集客は最初から順調でしたか?
そうですね。大きい箱で、一気に集客しようと考えていましたから。2021年にオープンしてから、売上は毎年、前年比約20%で伸びています。
ーただ逆に、1店舗目・2店舗目の売上が下がってしまうのでは?
最初は、めっちゃ大変でした。でも「HAZEL」の知名度が上がるにつれて、他の店舗も相乗効果で集客が伸びてきたんです。
「ICON.」「Peyp」は、売上が高いスタッフが抜けたわけですが、そうすると、残ったメンバーが主体性を持ってがんばってくれて、とても成長しましたね。結果、お互いの店舗にとって、よかったです。
1店舗目の「ICON.」のスタッフのみなさん。他店舗も同様に、スタッフごとに得意なスタイルを打ち出している
ースタッフの定着率が非常に高いと聞きました。秘訣は、どこにあると思いますか?
やはり、自分が得意なスタイルで多く入客できるので、「やりがい」「楽しさ」を感じられることがひとつ。
あとは、給与面でしょうか。売上が高いスタッフだと、月で約100万円。10日間、海外に行く子もいます。そういった環境を整えることで、言い方は悪いかもしれませんが、“会社に依存”してくれるのでは?
ー恵まれた待遇ですね。森さんは現在、37歳とのこと。新人のときは、厳しい時代で育ったのでは?
僕がいたサロンは教育もしっかりしていて、とても恵まれていましたが、自分自身が仕事しかしてこなかったんですね。時間もお金も、すべて仕事に費やす20代を過ごしてきて…。
うちのスタッフの平均年齢は25~26歳ですが、多感なその時期に、しっかり働いたぶん、しっかり遊んでほしいなと思うんです。
「Peyp prod ICON」のスタッフのみなさん。こちらの店舗は、HOT PEPPER Beauty AWARD 2023にて、SILVER Prize受賞!おしゃれサロンの激戦区・博多において、2サロン受賞は快挙
ースタッフの定着率が、非常に高いとのことですが?
そうですね。「人間関係がよい」、というのが理由のひとつかと思います。スタッフ同士、プライベートでも一緒に出かけるほど、仲がいいんですよ。僕も、いろんなメンバーと飲みに行ったり、たわいもない内容ですが話しかけたりと、コミュニケーションをとることは意識しています。
自分の店をオープンする前に、いくつかの業務委託サロンで働いた経験があって。業務委託なので当たり前なんですが、人の入れ替わりが速く、他の人とあまり関わらないことが多くて。人間関係がよくないと、長続きしないですよね。
そのときに、「自分のサロンをオープンしたら、スタッフを大事にしよう」という感情が生まれた気がします。
ー森さんが、スタッフの方を大事に想う気持ちが伝わってきます。
SNS集客をはじめ、美容師は「個」の時代で、お客さまも「人」で検索する時代と言われています。
でも、それだけだとスタッフは「サロンという箱」に意味を見出せなくなるのでは?働いているスタッフたちが「いかに、お互いに興味を持って、一緒に成長できるか」…それが、大切なんじゃないかなと。
「サロン」に愛着が湧けば、自然と「人」にも愛着が湧く。僕は、その“人間味”の部分を大事にしていきたいですね。
取材レポート
「HOT PEPPER Beauty AWARD 2023」GOLD Prize受賞の際、森さんはこう語りました。
『うちの強みは、スタッフ一人ひとりに個性があり、みんなで支え合って、楽しく仕事ができている点。僕がやるべきは、強みを見つける手助けや、挑戦したいことに対して全力で支えること。おのおの特化するものを持ちつつも、得意分野を増やして、サロン全体で技術の底上げを目指します』
それぞれ強い「個」が集まって、「サロン」としても最強に。これが、HAZEL が持つ圧倒的な集客力の源でしょう。
HAZEL 博多【ヘーゼル】
- アクセス
- 「博多駅」筑紫口より徒歩3分
- 創業年
- 2018年(HAZEL は2021年)
- 店舗数
- 5店舗
- 設備
- セット面9席
- スタッフ数
- スタイリスト9名/カラーリスト1名/アシスタント1名