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先輩女性インタビュー

サロンで働く先輩女性たち

長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!

vol.51

300人の指名を持つ店長時代の妊娠・出産!
その経験の先に行き着いた仕事観とは?

京都で65年の歴史を持つ老舗サロンの「RE-KO」。創業以来、社員や女性スタッフを大事にする風土のサロンで、育休を経て1年前に復帰した山口さん。コンテストに向けてがんばっていた若手時代、人の上に立つことの難しさを学んだ店長時代を経て、「ママになって自分のバランスがよくなった」と語ります。そんな山口さんの仕事観をうかがいました。

Staff Data

山口純代さん 39歳

スタイリスト。
HAIR&BEAUTY SPACE RE-KO勤務(京都市上京区)
スタイリスト歴14年。
2歳の男の子のママ。
定休日と日曜・祝日は休み、10:00〜16:00の準社員。

山口さんのLife History

★…ターニングポイント

  • 18

    専門学校(1年制)に在学中に、学校の委託制度で「RE-KO」の寮に入り、放課後にバイトとして勤務。

  • 19

    専門学校を卒業。バイトで勤務していた「RE-KO」が気に入っていたので、そのまま入社。アシスタントとして勉強する日々。

  • 25

    スタイリストデビュー。
    デビュー当初はコンテストに挑戦するなど、技術を磨くことに必死で、それが楽しかった。

  • 26

    ★当時お店のトップ2だった、先輩2名が立て続けに退職。お客さまを大勢引き継ぎ、不安だらけだったが、大きく成長するきっかけに。コンテストでがんばっていたときとは違う、責任の重さを痛感した。

  • 31

    店長に就任。リーダータイプではないため当初は自信がなかった。
    スタッフから「やさしすぎる、もっと下に任せればいい」と叱咤されながらも、自分なりの店長スタイルを築いていった。

  • 36

    専門学校時代の友人だった彼と、3年の交際期間を経て結婚。
    ご主人の仕事の都合で大阪に転居。
    結婚直後に妊娠。店長だったため、すぐに会社に報告し、引き継ぎの準備を始める。仕事は絶対続けると決めていた。

  • 37

    長男を出産。産休後、育休に入る。

  • 38歳~

    長男が1歳のときに復帰。
    現在は準社員として、休日は定休日と日曜・祝日、10:00〜16:00で勤務している。

  • コンテストでがんばっていた新人時代

  • 先輩のお客さまを引き継いでプレッシャーを感じながらもがんばっていた頃

  • 学生時代は交流がなかったご主人と久々に再会しておつきあいが始まったそう

  • 長男が生まれて仕事以外の生きがいを見つけられた

山口さんへのインタビュー

店長を任された当初は全く自信がなかったが、離れてみると淋しい気持ちにもなったそう

Q. 店長時代に妊娠され、産休・育休に入られたことに、不安や焦りはありませんでしたか?

A. 仕事量が減った淋しさもありましたが、ちょうどいいバランスだと思います。

 子どもを産んでも絶対復帰するつもりでした。だから、引き継ぎのときもお客さまには「1年後に必ず戻ってきます!」とお伝えしていました。うちのサロンは老舗で、長く通ってくださるお客さまが多い店舗。私も先輩たちのお客さまを引き継いできたこともあり、幸い産休による失客はほとんどありませんでした。現在は時短で勤務しているため、私が担当できるお客さまの数は減ったので、その淋しさはあります。店長時代は指名のお客さまが300人くらいいましたが、育児との両立で仕事時間をセーブするとそんな人数のお客さまは担当できませんので。
 でも、店長時代は多忙で1日が長かったですが、そのままの働き方では育児との両立は無理。それを考えるといいバランスで働けていると思います。

現店長の福生さん(左)と。店長の先輩として山口さんからアドバイスすることもあるそう

Q. 子育てと仕事の両立はいかがですか?

A. サロンのメンバーに申し訳ない気持ちもありつつ、思っていたより大変ではありませんでした。

 自宅が大阪で、サロンがある京都までの通勤時間が約1時間15分なのですが、電車に乗っている時間がひとりの時間になってリフレッシュできたり、仕事と育児が双方のストレス解消になっています。結婚前は、帰宅しても仕事のことばかり考えていて、30代半ばを迎えて「これでいいのかな?」と思ったこともありました。今は、仕事も家庭もあって、休みも増えたし、両立は思っていたより気持ち的にも肉体的にもラクですね。
 ただ、サロンが人手不足なのに、レッスンに付き合ってあげられなかったり、私だけ早く帰ることで申し訳ない気持ちになることはあります。うちのサロンは昔からママスタイリストの先輩がいたので、スタッフ同士はとても協力的。子どもの事情で急な早退があってもみんな快く送りだしてくれるため、とても助かっています。

実家でお母さまがカットしてくれていた風景が、美容師を目指すきっかけに

Q. 「スタイリストをずっと続けたい」と思う、仕事の魅力はどんなことだと思いますか?

A. お客さまが自分を必要としてくれていることです。

 母が結婚前まで美容師をしていて、うちの家族全員、いつも母がカットをしていたのです。休日に庭で青空美容室という感じで。その風景が私にとって「幸せな家庭像」として心に残っていてこの仕事を目指しました。けれど、カットなどの技術は好きだったのですが、最初の頃は「接客は苦手かも」と思ったことがありました。
 スタイリストになって1・2年目の頃にトップの先輩が立て続けに独立退職して、先輩たちのお客さまを大勢引き継がなければならなかったことがありました。そのときに、自分の技術や接客の未熟さを思い知らされて、あらためてカットの勉強をしたり、お客さまの好みを聞き出す接客を考えざるを得ない状況におかれたのです。不安でしたが、やらなければお客さまを失うことになるので必死でしたね。そのおかげでグンと成長できて、自信がつきました。自信が持てると自然と接客も楽しくなるんですよ。
 育休明けに復帰したときにお客さまから「帰ってきてくれてよかった」と言われたときは本当にうれしかったです。産休・育休を経験したからこそ、待っていてくれる人がいることを知ることができたのですよね。この仕事をやっていて本当によかったと思いました。

若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!

 子どもを産んで仕事を続けられるか迷っている場合、やってみないとできるかわからないので、とりあえずやってみるといいと思います。迷っているのは「仕事を続けたい」気持ちがあるからこそ。「できない」と思っている人は「やりたくない」のだと思います。私はママスタイリストの先輩を近くで見てこられましたが、他店の友人で「ママスタイリスト1号」としてがんばっている仲間もいます。続けたい気持ちがあるなら、まずはオーナーに相談して続けられる道をさがしてみましょう!

Salon Data

HAIR&BEAUTY SPACE RE-KO【ヘアーアンドビューティースペース レーコ】

アクセス
丸太町駅2番出口から徒歩10分
創業年
1951年
店舗数
3店舗
設備
6席
スタッフ数
約30名
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000186841/
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