第2章信頼が連鎖する組織づくり
「夢や志を持つ美容師に
無限のチャンスを提供したい」

Monopolyが大切にしているバリュー(行動指針)
現在、スタッフ数は約150名とのこと。平均年齢は?
従業員の平均年齢は24歳くらい、店長で平均26歳くらい。店長は挙手制です。入社2年目の21~22歳くらいにスタイリストデビューして、それから2~3年で店長というケースが多いですが、デビューと同時に店長になったり、中途採用のスタッフは入社のタイミングで店長になることも。面談で「責任をもって取り組めるかどうか」の意思確認をして、熱意があれば店長にします。
店名も、各店の店長が決めるというのは驚きです。
ブランド化すると、クオリティが均一化されてイメージが固定されます。でもMonopolyは「個人はそれぞれ違っていい」という考え。直営の場合は出店エリア、店名、内装からコンセプト、メニュー・商材の選定、出店準備から運営まで、すべて店長とエリア長に任せています。
僕は美容師ではないためサロンワークができません。なので一切サロンワークには口出しせず、現場は100%お任せしています。お金やマーケティングなど、戦略的な面は僕に任せてね、というスタンスです。
髪質改善、ハイトーンカラー、メンズなど店舗によって打ち出すものも違う。店長が代われば、店名も含めて変更するという徹底ぶり
それぞれの店舗で違うというのは管理も大変だと思いますが、メリットは?
店長をはじめスタッフの当事者意識が、爆発的に高まるのは間違いないですね。美容師さんは「いつか自分のお店を持ちたい」と思っている人が多いので、それを叶えられる。
ビジネス的な側面で言うと、仮にその店のコンセプトがお客さまに刺さらない場合、すぐに方針転換できるので挽回しやすい。撤退基準を明確に設けて、事前に伝えています。店舗の規模にかかわらず一律の水準で、出店から半年で月300万円、1年で月400万円の売上を達成できなければ撤退。この基準に則り、実際過去には4店舗撤退しています。基準を満たさないといけないという緊張感が、さらなる責任感を生んでいるように思います。
創業6年で32店舗というスピード展開の秘訣は?
まず、僕の“本気度”を伝える。たとえば東京のスタッフが京都に店舗を出したいとなったら、僕はすぐに不動産契約をします。「あなたが本気だから、僕も本気を出して店舗の契約をしました。あとは任せた」みたいな感じですね。
出店から運営まで、すべて任せています。だから店長たちも「オープンまでの3カ月で3人採用する」などの計画を立てて、主体的に動くのが当たり前の文化。
なぜそこまで、当事者意識が高くなるのですか?
“信頼”が、伝播しているんだと思います。全国8ブロックにエリア長がいますが、僕は彼らがやりたいと言ったことは実現することを誓い、実行する。だからエリア長みんなが、僕を信頼してくれている。そして各店の店長たちはエリア長を心底信頼しているから、エリア長の後をついていく。その結果、みんなが本気でやる姿勢になっています。
会社のバリューにも、「実力よりもやる気に投資する」と明示されています。そうした考えに至った理由は?
夢や志を持つ美容師に無限のチャンスを提供したいし、やると決めたら、やり切ることができる人を応援したい。そういう人たちが報われる会社でありたい、という想いからです。
ミッションは、「正しく努力する人が報われる社会の実現」。賞与は年3回あり、年次に関係なく本人の頑張り次第なので上限はないという