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「聴覚に障がいがある」「聞こえにくい」と感じるお客さまに、サロンでの時間をより安心して、心地よく過ごしていただくために。

「どんな方法なら、こちらの想いがしっかり伝わるだろう?」

今回はそんな、おもてなしの心に寄り添うコミュニケーションのヒントをお届けします。

まずは知っておきたい「聴覚障がい」の基本

聴覚障がいとは、音が聞こえない、あるいは聞こえづらいことにより、聴覚からの情報取得に制限がある状態のことです。ひと口に「聴覚障がい」と言っても、その聞こえ方は一人ひとり大きく異なります。

  • 全く聞こえない状態(ろう・失聴)の方もいれば、聞こえにくい状態(難聴)の方もいます。
  • 補聴器や人工内耳を使って、ある程度音声を聞き取れる方もいます。
  • コミュニケーション方法も、手話、筆談、読話(口の動きを読む)、音声認識アプリなど、人によってさまざまです。

聞こえ方や聞こえの程度、聞こえなくなった時期などにより、必要な配慮やコミュニケーションの方法は一人ひとり異なります。同じ人でもコミュニケーション手段を使い分けることもあるため、まずはご本人に希望する配慮や意思疎通方法を直接確認することが大切です。

【シーン別】聴覚障がいがあるお客さまの「あったら、嬉しい」配慮 TOP3

お客さまは、サロンでのどんな瞬間に「嬉しい配慮」と感じるのでしょうか。#3でご紹介した調査をもとに、予約からお会計まで、5つのシーン別に見ていきましょう。

聴覚障がいの方(n=20)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

1位は「障がいや体調に関する要望を事前に伝えたり、記入できる欄がある」、2位は「店舗のホームページやSNSに、配慮に関する実績や事例が掲載されている」です。口頭でのコミュニケーションに頼らないからこそ、「事前に文字で要望を伝えられる」「お店の配慮をサイトで確認できる」といったサロン検索・予約段階での情報が、特に大きな安心感につながることがわかります。ホットペッパービューティーで予約する際の備考欄の活用や、ブログやSNSでの情報発信が喜ばれそうです。

聴覚障がいの方(n=20)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

注目したいのは、2位「筆談やメモで対応してくれる」と3位「呼び出し方法に配慮がある」です。お名前を呼んでも聞こえない、または聞こえにくい場合があるため、ジェスチャーで合図を送ったり、筆談でやり取りしたりする視覚的なサポートが、いかに心強いかが分かります。

聴覚障がいの方(n=20)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

ここでも注目すべきは、「筆談やスマホでの文字入力など、会話(話し言葉)以外の方法でも相談できる」。カウンセリングは、お客さまのなりたいイメージを共有する最も大切な時間。会話(話し言葉)だけに頼らず、ヘアカタログや写真、タブレットなどを活用し、「目に見える形」でイメージをすり合わせる工夫が特に喜ばれるでしょう。

聴覚障がいの方(n=20)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

1位の「視覚・聴覚・発話などの障がいに応じて、施術中の伝え方を工夫してくれる」は、2位以下と比べても圧倒的に高いスコアです。これは、シャンプー台で補聴器を外した時など、音が全く聞こえなくなる瞬間があるためと考えられます。

「少しお時間おきますね」といった何気ない一言も、ジェスチャーを交えたり、タブレットに文字で表示したりと視覚的に伝える工夫が、お客さまの不安を取り除き、大きな安心感につながります。

聴覚障がいの方(n=20)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

同率1位は「金額や明細をゆっくり・はっきり説明してくれる」「文字や紙で金額・内訳を示してくれる」です。金額の聞き間違いなどへの不安があるのかもしれません。

特に「文字や紙で示す」は、口頭でゆっくり伝えるのはもちろん、電卓やタブレットで金額をはっきりと「見える化」することが、最後まで気持ちよく過ごしていただくための大切な締めくくりになります。

~聴覚障がいがあるお客さま~
お客さまの声で知る「本当にうれしかった配慮」

実際に聴覚障がいのあるお客さまが「うれしかった」と感じた、サロンでの体験談をご紹介します。

30代・女性
ネット予約時に(聴覚)障がいのことを記述したら、来店時にスタッフさんが把握していてくださり、スムーズに筆談で対応していただきました。
50代・男性
髪を切っている間は補聴器を外さないといけないのですが、わかりやすいように口の動きやジェスチャーでコミュニケーションをとってくれます。
  • 聞こえにくい時に嫌な顔ひとつせず、丁寧に筆談してくれた。(19歳以下・女性)
  • 理容師さんが手話のできる方で、手話で対応してくれた。(50代・男性)

特別な設備がなくても、「伝えよう」という気持ちと、筆談やジェスチャーといった少しの工夫が、お客さまの心に響いていることがわかります。

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