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第2章「須崎流」の組織づくり、人づくり

「美容業に必要なのは、“よりよくしたい”という熱意。
僕の役割は“スタッフの心に火をつけて燃やす”こと。」

個性を大切にしながらの「教育」や「組織化」は、難しい面もあるのでは?

「教育」や「キャリアパスの体制」は明確だとわかりやすいけれど、きっちりつくるほど「人材が平均化」してしまう。だいたい能力や個性が秀でていると、そのほかの部分は平均以下だったりして、かたよった人が多いと思うんですよね。それを一定の評価基準で判断すると、時に個性がある人間の強みをつぶしてしまうことになる。だから一定の基準は設けながらも、あとはさじ加減。その点、「判断基準」が僕のワンマンっぽくなってしまうのは申し訳ないと思うけど。「これは仕方ない」と、割り切っている部分もあります。

能力や個性が秀でていると、ある種、かたよった人間だというのは、何となくわかります。

だいたい僕らトップ3人がそうですからね(笑)。でも、かたよっているけど成り立っている。だから「ガーデン」では、1人がオールマイティにできることは望んでいません。たとえば「代表にしたスタッフにマネジメント力が足りないなら、それを補える2番手を組み合わせる」という人選をします。代表に求めないといっても、不足している点を改善する努力はもちろんするべきだし、何より「サポートしてくれるスタッフに感謝する姿勢が大事」だと伝えています。

「ガーデン」を立ち上げた根源には、「美容業界、そしてお客さまに夢を与える組織にしたい」という想いがあります。スタッフが熱意をもって働く姿、心の底からの誠意が、お客さまにパワーや感動を与える。それが、サービス業の本来のあり方だと思うんです。夢を与える組織の一員である表現方法は、一人ひとりバラバラで構わない。野球だって4番バッターもいれば、守備に優れた選手もいる。それぞれのスペシャリストになって、お互いを認め合いながら夢に向かって走っていけばいいと思うんです。

「ガーデン」がうまく回っているのも、トップ3人の個性がバランスよく機能しているからだと感じます。教育や組織づくりにおいて、須崎さんの役割は?

役割ってわけでもないけど、僕が得意なのは「スタッフのモチベーションを上げる」こと。自分でいうのも変だけど、僕はエネルギーのカタマリみたいな人間なので、それで相手の心に火をつける。得意というか、それしかできない(笑)。だから「マネジメント方法」や「組織論」をたずねられることも多いんだけど、僕はあまり細かくは考えていないんです。

「ガーデン」はもともと意欲や能力のあるスタッフが集まっているので、心に火をつけてあげさえすれば、どんどん自ら動き出します。とはいえ、僕自身が何もやっていない人間ならば、相手の熱意を高めることはできない。だからニューヨーク店にチャレンジしたり、常に前進する姿勢であり続けて、スタッフが進むフィールドを広げていく。それも、僕の役割といえますね。

現在、スタッフは300人ほどの大所帯です。須崎さんが直接、全員のモチベーションを上げるのは難しいですよね?

確かに、全員に直接というのは難しい。だから元から抜きんでている人を、さらに引き上げるようにしています。「エネルギーがない人に与える」のではなく、「すでにある人に与えてあふれさせる」。すると僕がモチベーションを高めたスタッフが、今度は周りの人間にエネルギーを広めていってくれる。そうして、全体的な熱量が高まっていく感じです。

先ほど「熱意を持って働く姿がお客さまに感動を与える」との話がありました。モチベーション高くいることを重視するのは、この考えが基になっているのでしょうか。

美容師の仕事というのは「オートクチュール」です。相手に合わせて、毎回「もっといいものを提供したい!」という意識が欠かせません。そうした意欲があってこそ技術や経験を深めようとも考えるし、結果的にお客さまを満足させることができる。だから美容業にはまず「熱意」が必要で、その「熱意を高められる環境」をつくりたい。それが「夢を与える組織づくり」につながるんです。

  • 「信頼できる仲間がいれば組織は何とかなる」と須崎さん。スタッフが300人ほどに増えた現在も開催している社員旅行も、人間関係を深めることにひと役買っている

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