海外のお客様への取り組み
サロンで始める
インバウンド対応
2020年の東京オリンピック開催に向け、外国人旅行者は今後ますます増加が期待されています。インバウンドと呼ばれる外国人旅行者がお客さまとなる可能性を視野に入れ、美容サロンができることを考えましょう。
第16回 外国人を集客して売上UPへ!
英会話レッスンを始めたサロン
これまで当連載では、インバウンド(外国人旅行者)のお客さまを迎えるための取り組みを行っているサロンを数軒ご紹介してきました。今回は趣向を変え、インバウンド目的ではなく、店舗周辺に住む外国人の方をターゲットにしているヘアサロンをピックアップ。こちらのサロンでは円滑なコミュニケーションができるよう、スタッフに英会話教育を始めたそう。日本在住の外国人の方のための取り組みは、インバウンドにも役立つはず。さっそくその取り組みを見ていきましょう。 ●お話を伺ったのは…株式会社リー(Lee 心斎橋店)
ターゲットは日本在住の英語圏の外国人。
他店にない強みにするために英会話教育をスタート。
新たに日本在住外国人をターゲットにして顧客増加へ。
今回お話を伺ったのは、大阪、兵庫、奈良に21店舗のヘアサロンを展開する株式会社リーの統括本部長、河瀬謙介さん。大阪・心斎橋にある「Lee心斎橋店」のスタッフを中心に、同社では2014年10月より英会話レッスンを始めました。 「英会話レッスンを始めたのは、外国人旅行者のためというわけではなく、日本在住の外国人の方にも当サロンを利用していただきたいと思ったためです。英語での接客対応やカウンセリングができるサロンはさほどありません。ですから英会話ができれば、大阪市内や府内に住む外国人の方を顧客化する際に役立つと考えました」 そして日本在住外国人のなかでも、英語圏の国から来日している外国人をターゲットにするため、英会話の教育を始めたそうです。 都市部の大阪といえども、少子高齢化傾向にある現代はうかうかしていたら顧客が減少していくおそれがあります。日本人ばかりではなく、日本に住む外国人をターゲットに加えるのは有効な手立てと言えるでしょう。
初心者から上級者までレベルごとにわかれて
月2回、本社に集まってレッスン。
時間や内容をカスタマイズできるよう、自社でレッスンを実施。
さて具体的にはどのような英会話レッスンをしてるのでしょう。まずレッスン会場は大阪市の北浜にある株式会社リー本社のスタジオ。そこに講師の方を招いて、約1時間のレッスンを月2回開講しているそう。 受講しているのはレッスンを希望したスタッフ約20名。英語力によってビギナー、ミドル、アドバンスの3つのクラスにわかれて受講しています。レッスン内容も接客対応やカウンセリング時に役立つようにカスタマイズしてあり、それぞれのレベルに応じたものを学んでいます。 既存の英会話教室を利用するよりも、時間に融通が利き、仕事で使える実践的なものが学べる点が自社レッスンの魅力ですね。
一歩ずつ英語力を身に付けて、外国人のお客さまに対応中。
レッスンがスタートしたのは約2年前。現在のところ、受講者の方の英会話力はどれくらい上達しているのでしょう? 「途中参加の受講者もおり、月2回のレッスンでは初心者クラスはまだ劇的に上達したというほどではありません。中級者、上級者クラスは簡単な受け答えはできるようになっています」 これまでご紹介したほかのサロン事例によると、何もペラペラに話せなくても接客では問題ない様子。ですからこちらのサロンも、ひとまずは外国人を受け入れる土台はできた状況だと言えるでしょう。実際、「Lee心斎橋店」を中心に、現在は月に20名ほどの外国人のお客さまを迎えているそうです。 「今後はレッスン回数を増やすこと、普段から英語でのコミュニケーションができる機会や場をつくることを考えています」 _ 河瀬さんもお話されていたように、日本では英語対応できるサロンはまだまだ少数派。そうした状況で「英語OK」を掲げることができれば、外国人に対して強いアピールになるはずです。外国人旅行者、そして日本在住の外国人を呼び込むため、少しずつでも英会話力を磨いてみてはいかがでしょう。
Salon Data
Lee 心斎橋店
- アクセス
- 地下鉄御堂筋線心斎橋駅6番出口から徒歩1分