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第2章より良い労働環境を目指して

「入社1年目で社長の給料を抜くことも(笑)。
でも、それが本当にうれしい。」

41名の新卒者が仲間に加わった2019年の入社式。恵まれた労働環境や社風は美容師を目指す学生にとっても大きな魅力であり、応募者は200名近くに上ったという。その中から理念を共有できる人材を選び抜いた

THEATERの特徴の一つとして、恵まれた労働環境が挙げられますね。

佐々木●そうですね。スタイリストは最低でも月給24万円。新卒は23歳で月給50万円を目指しています。歩合は、税抜で指名売上の43%です。このほかにも、各種手当や賞与を用意しています。

そうした待遇は最初からですか?福利厚生もしっかりしていますし、手厚い待遇にすると、経営コストが圧迫されますが、それはどうクリアしているのでしょう。

三浦●創業時から、この待遇です。美容師の労働環境を改善し、きちんとした待遇で雇用するというのが最初に決めていたことの一つなので。自分たちの取り分と、スタッフに与える分なら、与えるほうを優先するというのは4人の総意です。最初に価格帯を決めて、損益分岐点を出し、どれくらいなら給与を払えるかを考えて、それに向けてコストも絞っていって…。店舗稼働率、集客、求人、そういったバランスを考えて給与や待遇を決めました。

自分たちの報酬よりもスタッフに、という考えは素晴らしいですね。

三浦●おこがましいですが、もし僕らに優れているところがあるとしたら、ベクトルが自分たちに向いていないこと。後輩とか周りのためにどうしたらいいかってことを本気で考えられる。

自分たちが恵まれているとはいえない環境だったからこそ、次世代のためにこうしたい。そこがブレないんです。僕らのいまの報酬だって、うちにいる若手の売れっ子の給料より低いくらいです。なかには入社1年目で、僕らよりもらっている子も(笑)。それでも「もう少し自分たちの報酬を上げてもいいんじゃないか」って言う人は、4人のなかにはいません。

そうして、待遇を考えるのと同様に価格帯も決めていったわけですね。

三浦●企業経営というのは「求人」「集客」「教育」という3つの土台が成り立っていてこそ回るもの。新規の集客を1カ月にどれだけ呼べるかが、会社の成長にかかわってきます。そこでまず「働いているスタイリストが、より多くの新規のお客さまに入れる環境を用意する」と決めました。そしてそれだけ呼ぶためには…、と価格を決めていった流れですね。

価格を考えている頃に電車に乗っていて思ったのは、「この車内にいる女性たちのなかで、毎月美容室で1万5000円とか2万円を払えるお財布事情で、かつ美容意識が高い女性ってどれだけいるんだろう?」ってことです。きっと10%もいないんじゃないかなって。昔の自分含め、表参道や青山の多くのサロンはその10%を狙うことが当然だし、誇りにも思っている気がします。

でもそれって、自分たち、もしくは店側のやりたいことなんですよね。美容師の成長を考えたら、多くのお客さまを呼べるサロンのほうがいい。おしゃれな人も来たくなるし、これからおしゃれになりたい人も来やすい雰囲気、そういうことを考えて価格帯を決めていきました。

戦略が当たり、すごいスピードで成長しています。創業2年半で8店舗、従業員は9名から約140名に。いまのところ想定通り?

三浦●そうですね、ゴールから逆算して狙ってやってきた結果です。ただ、単にスタッフが増えても、しっかり教育できないと「烏合の衆(うごうのしゅう:規律も統制もなく寄り集まっているだけの集団)」になる。

「THEATERって最近よく聞くし、環境もいいらしい」という感じで、応募してくる人も増えました。中途採用は主に佐々木が担当しているんですけど、面接に2~3時間かけるんですよ。そこで理念とかしっかり説明して、うちとの親和性の高い人を入れるようにしています。入社後も教育に力を入れていて。僕らからすると、集客と求人は一緒で、スタッフもお客さま。スタッフの求めているものを提供するから集まるし、辞めないし、力を発揮してくれるんだと思います。

THEATERと親和性が高いのはどんな人でしょう。

佐々木●自分の人生に責任をもっていて、変化に柔軟な人。つまり、他人事で生きていないこと。居心地がいいから変わらない、というのではダメですね。「毎日なんとなく生きていたら10年後どうなっているだろうね?だったら、いま何をするべきだろう」という考え方ができるように教育しています。

  • 成功している企業の手法を勉強したり、経営に関する書籍をよく読むという三浦さん。新一万円札の肖像に採用されたことで話題を呼んだ、「日本資本主義の父」といわれる渋沢栄一氏の功績から学ぶことも多いという

  • スタイリストで構成された撮影チームを率い、モデル撮影の陣頭指揮をとるSHIGERUさん。「新しく入ってくる若い子たちが何を見てどう行動しているのか、そういう部分から学ぶことも多い」と語り、リーダーでありつつ謙虚な姿勢を忘れない

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