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第4章人間性を高めるマインド教育

「美容師は人間相手の仕事。
だから人格形成を最優先に。」

アカデミー制度の難点としては、「週3日はまるまる稼げない=戦力外」になりますね。

三浦●そうですね。だから新人の人件費、アカデミー会場の家賃を考えて、損益分岐にのっけて採用人数を考えています。今年は、いい人材がいれば50人採用目標だったけれど、最終的に41人にしました。パズルみたいなもので、店舗の稼働率や既存スタイリストの生産性、スタイリストが辞めるリスク、そういったことも考え合わせないとアカデミー制度は維持できません。うわべの形だけマネすると、経営が成り立たなくなると思います。

教える側のクオリティも必要ですしね。また、いま半年間という期間にしていますが、技術だけ教えるなら超集中型で3カ月あれば十分なのかもしれない。でもうちが大事にしているのは技術だけじゃなくて、人間性を高めるマインド教育。その点も含めて半年間としています。

大井●価値感の共有は大事ですね。新人のマインド教育だけじゃなく、教える側も「後輩の成長を自分の喜び」としてとらえられるように教育しています。なかなか難しいんですけどね、つい矢印が自分に向いちゃう人も多い。「後輩が伸びることが、自分にとっての幸せだ」という気持ちが芽生える、きっかけづくりを大切にしています。そもそも、仕事の本質は他者貢献ですからね。

THEATERでは「貢献」という理念を掲げ、理念共有の必要性や人間力の育成を大事にしています。具体的にはどのように浸透させているのでしょう。

佐々木●うちの理念、考え方をまず面接でちゃんと伝える、アカデミーでも伝える。そして日曜は全店18時に閉店して、営業利益を削ってでも各店でスタッフミーティングの時間を確保する。その内容も反省会というよりも、理念とビジョンに関する話が中心です。そのほかに幹部や各店店長の教育もしているし、ブランディングチーム、講師チームといったチームごとのミーティングの場でも話したり。THEATERが目指すもの、人生とは、幸福論…、そういう話を常にしています。

教えたことは伝播していくものです。そうして代表や幹部、スタッフの中では「貢献」という考え方が当たり前になる。そこにそぐわない、理念と真逆の自分さえよければいい人、すぐに怒ったりイライラしたりする人などが異端に感じる雰囲気が醸成されていきますよね。

大井●僕らはある種の職人ではあるけど、人と人との仕事です。僕はいったん美容師を離れてICチップ工場の工場長も経験したんですけどね(笑)、美容師が相手にするのはICチップじゃない。だからこそ人間力が求められるし、技術を教えるよりも人格形成の場としての会社作りを最優先しています。

急拡大した組織は幹部層の質が問題になることも多いですが、THEATERでは幹部、店長の教育もしっかりしているんですね。

三浦●佐々木から話したように理念やビジョンの共有をしているほか、月1回は僕が各店店長を食事に連れて行って話したり、相談に乗ったりする場も設けています。それでも規模が拡大するにつれて、幹部層の育成が追い付かなくなっていくでしょう。なので、新しい組織づくりをテストしているところ。

従来は強いリーダーを中心にして組織が形作られてきました。テストしているのは、リーダーはいるけど依存し過ぎない組織作り。表参道の本店は週1回のミーティングだけ僕が出て、店長を置いていないんですよ。すると平均22~23歳のスタッフたちが、自ら考えて行動する。まだ始めて1カ月ですが、うまくいっています。

うちが掲げる究極の命題は「自分が生まれてきて、世の中に何を貢献できるか」。いきなり「世の中」だと大きいから、まずは家族、一緒に働く仲間を幸せにしなさいと話していて。すると、全員がちゃんとそこを考え始めるんですね。週1回、僕が決めたスタッフに「この子をもっと見てあげてね」とか「やってみてどうだった?」とかアドバイスはします。それだけで店がちゃんと回っています。テスト段階ですが、これがうまくいけばサロン運営の新しい姿が実現する。これまでやってきたリーダー教育と、リーダーの影響力に依存しない関係性。この両方を進めているところです。

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