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イノベーターが
見ている未来

vol.43

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

NV7・SALON77
代表

古谷まあやさん (age.42)

個々の美容師人生を応援する
“マネジメントサロン”とは?

北海道で高い人気を集めるヘアサロン「SALON77」。所属するスタッフはサロンワークだけにとどまらず、ショーや広告のヘア&メイク、講師活動などにのびのびと取り組んでいる。そうした個々の活動をサポートするのがサロン代表の古谷さん。彼が「マネジメントサロン」と呼ぶ、スタッフ一人ひとりをプロデュースしていくようなサロン経営に取り組む想いについてうかがった。

1977年、北海道生まれ。美容学校を卒業後、札幌市内3店舗のヘアサロンや面貸し店で経験を積む。2011年にヘアサロン「SALON 77(サロン セブンティセブン)」、2019年9月には、東京・中目黒に2店舗目となるサロン「NV7(ナンバーセブン)」をオープン。また2019年で11年目を迎え、現在では札幌市長から開会の祝辞が贈られるほどに成長した「北海道ヘアデザイナー100人展」の実行委員長を2010年〜2019年、兼任中。
http://www.salon77.jp/

第1章サロン勤務とフリーランスを経験

尊敬できる師匠と出会い、
美容師として生きる覚悟を。

1号店「SALON 77」があるのは北海道札幌市。繁華街のすすきの近くでありながら静かな通りに位置し、喧騒を離れた空間で個性豊かなスタイリストが腕をふるう

北海道札幌市に「SALON 77」をオープンされたのは2011年。まずは、それまでの歩みを教えてください。

僕らの時代は美容師のインターン制度があって、美容学校で1年学び、次の1年はサロンで働きながら資格取得を目指すのが主流でした。それで、資格を取ってからは働いていたサロンにそのまま就職しました。インターン時代はもちろん無給でしたし、初任給もここでは言えないような安さで(笑)。親も「そんなサロンでいいのか」と心配していましたが、サロンを紹介してくれた人から「給料についてどうこういう業界じゃない」と釘を刺されていたので言えませんでしたね。

そんな環境で、辞めたくはなりませんでした?

オーナーが経験豊富で。東京から北海道まで雑誌の取材が来たり、ショーのヘアメイクもするような実力のある方で。レベルの高いサロンでいろんなものを目にしたり経験させてもらう機会があって、勉強になるので辞めたいとは思いませんでした。

23歳のときには2000人規模の会場でやるヘアショーを僕が主導する機会ももらいました。北海道の美容室で作ったグループのスタイリストが参加するショーだったんですが、「これまでにないものを創りたい」という僕の想いを尊重してくれて。「サロン名の看板を出したくない」なんてワガママも聞いてくれて、サロン名ではなく「Maaya(まあや)」という僕のアーティストネームを前面に出させてもらったり。若い僕がそういうチャンスを得られた事は、良い経験になり、当時の勤め先には感謝しています。

そのサロンにはいつまで?

6年間ほど、25歳くらいまで勤めて、そろそろ新しい場で学びたいと思って辞めました。その後はフリーランスになって面貸しサロンで働くことに。

それがもう15年以上前の話ですが、北海道ってシェアサロンや面貸しサロンで働くフリーランスのスタイルが東京よりも早く根付いていたんですよ。だから特に珍しい選択ではなかったんですが、面貸しサロンはあまりにもラクで、「このままじゃ美容師として成長しないな」と思って、次のサロンに勤めたんです。

フリーランスはお客さんを呼んだり、自己管理が大変そうですが・・・。

勤めていたときのように教育だとかで他人のために時間を使う必要がないし、スケジュールも自分のペースで組める。幸いお客さまはいたので、集客面でも困りませんでしたし。ラクすぎて当時は10kgくらい太って(笑)、このままじゃ堕落すると思うようになりました。

ちょうどその頃、「この人に教えてもらいたい」って思える人に出会ったんです。世界中でいろんな経験をされてきた方で、素晴らしい技術をお持ちだというウワサを聞いて、人づてに紹介してもらって。イチから勉強させてもらおうと思って、その方のサロンで働くことになりました。僕より10歳くらい年上で、残念ながら病気ですでに亡くなってしまったのですが、いまも僕が師と仰ぐ存在。師匠のカット技術に近づきたいと思っています。

その方になぜ、そこまで惹かれたのでしょう。

まず、かっこよかったですね。存在感があるし、指の動きもきれい。技術が素晴らしいのはもちろん、人間性にも惹かれました。師事してすぐに、ワンレングスという基礎の形を「切ってみて」と言われたことがありました。そうしたら「一所懸命に切っていないよね」って強めの口調で指摘されたんです。もちろん僕なりに一所懸命にやったつもりでしたが、髪の毛に対する想いとか、お客さまへの想いを見抜かれたんでしょうね。

実際、それまでの僕は「この仕事で一生食べていこう」と思ってませんでしたから。師匠に出会って、美容師として生きる覚悟が初めてできたんです。それから8年ほど、師匠の下で勉強させてもらいました。

尊敬する師匠のサロンから卒業しようと決めた理由は?

会社組織とフリーランス、僕は両方のスタイルの美容師を経験して。それぞれにメリット、デメリットがあることを実感しました。それで色々な出会いやきっかけもあり、もっと面白い今までとは違った形のサロンをオープンしたくて独立を決めたんです。師匠はそんな僕の想いを、すごく応援してくれましたよ。

  • アンティークなインテリアが彩る「サロン77」は雑貨店のよう。洋服やアクセサリー、食器などの雑貨の販売もしており、商品展示スペースの右手に施術エリアがある

  • 今回の取材は、中目黒の「NV7」にて。都内やアジア3カ国での講師経験もあるKINTAさん(中左)とYOSHIKIさん(右)。YOSHIKIさんの右腕OLLIEさん(左)など、「SALON 77」メンバーも中目黒店のオープニングスタッフに。このほかセット面6席のサロンに10名のスタッフを予定し、9時~16時・16時~23時と、2部の勤務体制を試みる

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