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第2章新たな働き方を実現

「サロンワーク以外でも、
稼げる手段を用意したい。」

「今までとは違ったサロンを」という想いで開いたのが「SALON 77」ですね。こちらは単なるヘアサロンではなく、スタッフにとっての「マネジメントサロン」とのことですが?

美容師の働き方として、会社組織に勤める形とフリーランスで働く形があります。会社組織に勤めると保証面などで安心感があるけど、他人のために時間を取られたり会社にしばられる部分もある。フリーランスは自由があるけど、よく考えてみると仕事に従事している時間は勤めていたときと変わらないか、むしろ長くなることもあります。働くだけ収入になるとはいえ、結局いっときの収入が上がるだけで人生の充実感が本当にあるかは人それぞれです。

こうした会社組織とフリーランス、その両方のいいところを混ぜ合わせたサロンを目指しました。それが「マネジメントサロン」です。「ヘアデザイナーの24時間・365日の価値を創造する」というのが、メインコンセプトです。

「2つの働き方のいいとこ取りをする」というのは?

美容師のメイン収入はサロンワークです。でも、そこにすべての比重を置くと、歳を重ねたりライフステージが変わったりしてサロンワークができなくなった場合に食べていけなくなりますよね。だから僕はいろんな稼ぐ手段を用意していくことが大事だと思っています。ヘアメイク、セミナー講師はもちろん、美容業以外ではオリジナルアクセサリーの制作販売、コピーライティングなど、ヘアデザイナーの感性を活かしサロン以外でも活躍できる場を持つわけです。

サロンワーク以外の活動をするためには、時間が必要です。たとえば、これまで月20日間のサロンワークで給料分の売上を稼いでいたなら、15日間に短縮しても同じだけの売上を稼ぐ。そのためには自分の価値を高めなくてはいけませんよね。「サロンワークは自分のやりたいことを叶えるためのものだ」という意識をもって働いてもらうようにしています。

そのために、どういったマネジメントをされていますか。

サロンワークに割く日数を短縮するには、まず「単価を上げる」のが一つの手段であり、「その人だけの価値を作る」必要があります。実力が足りないなら技術を学ぶセミナーがあるよと伝えたり、「この人に切ってもらいたい」と思われるような作品づくりのサポートもします。

美容師って「サロンの売上」を上げることはうるさく指導されるのに、意外と「自分の価値」を高める教育を与えられることが少ないと思います。だから僕は、スタッフ個々の価値を高めるサポートをしています。

「スタッフ個々の価値を高めるサポート」とは?

成長するためには、対価を自腹で払って学ぶべきだと僕は思うので、技術を外に学びに行く場合はスタッフ個人が受講料を支払います。うちは新卒よりも経験者がメインなので、学ぶ技術も基礎的なものではない。自分の可能性を伸ばすためのプラスαの勉強だから自腹なんです。ただ、現状の給料では勉強したいけど厳しいと言われたら、報酬の歩合を引き上げたりしますし、会社として出来る助成金制度を利用したり、契約方法や内容はスタッフ一人ひとりに合わせて変えています。

「きっかけ作り」の具体的な内容は?

うちは給料システムも他社よりもいいものだという自負がありますが、お金の面だけをうちで働く理由にする人はほしくないし、そこはあまり強調して主張していません。スタッフがワクワクするような働き方をする「きっかけ作り」の方に自信を持っています。

こちらは新卒よりも経験者がメインなので、技術を学ぶといったら基礎的なものではなく自分の方向性にあったプラスαの部分である。だからこそ自腹で学ぶべき、ということでしょうか。

そうですね。だからスタッフからはまず、「何をやりたいのか」「どうなりたいのか」という想いを引き出します。

たとえばセミナー講師としてやっていきたいなら、先方とのギャラ交渉は僕が引き受けてマネジメントをします。うちに来る以前のサロンでスタッフが自分で交渉していたときよりも、ギャラが5倍になることもあります。スタッフの価値が高い方が、会社として得るマージンも多く発生するメリットもあります。

サロンワーク以外の稼ぎは、本人持ち込みと会社が取ってきた仕事で割合が変わりますが、売上金額に応じて本人の収入になる仕組みです。

とてもスタッフ想いですね。労力を惜しむことなく、そこまでスタッフのために動けるのはなぜですか?

一人でやっても自分には意味がないというか…、周りに誰もいないと寂しいじゃないですか(笑)。人生は1度きりなので、いろんな人と、いろんな関わり合いができるのは幸せなこと。その人たちとの時間を得るために、誰かが頼ってくれるなら、それに応えたい。

でも、スタッフには無理にずっとうちにとどまってほしいとは思っていません。「どこに行っても生きていける人になって欲しい」と思ってサポートしています。

  • 本店オープニング時のスタッフとの記念の1枚。同年代の仲間が集い、現在もほとんどの方が「SALON 77」と関わりを持ちながら、多方面で活躍している

  • 自分のサロンを立ち上げたときの古谷さんは34歳。このときから変わらず、現在もスタッフマネジメントやサロン経営をしながらサロンワークも行っている

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