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第4章美容師が「稼げる手段」を増やす

「自分の“肉体”で稼ぐ方法と、
“脳”で稼ぐ方法を用意したい。」

従来の常識にとらわれない働き方を推進している古谷さん。2年前には2週間サロンをお休みして、スタッフ一同でアメリカに研修旅行へ

スタッフの夢を応援するために活動されていますが、会社として、古谷さん自身が思い描く将来のビジョンは?

これから7年間くらい先までの道筋は、すでに考えています。「今あるものが正しいとは思わない」という自身のコンセプトのもと、これまでにないものを形にしたいと考えています。

一つは美容師を育成するアカデミーを立ち上げること。今はサロンに入社してアシスタントが営業時間外に練習するシステムが多いですが、それで心が折れて美容師から離れる人が少なくない。システムとして成り立っていないと思うんです。

その打開策として、新卒のアシスタントがうちのアカデミーに所属して学びつつ、土日はいろんなサロンに派遣されていくシステムを考えています。アカデミー生はいろんなサロンが見られるし、サロン側にはアカデミーに対価を払ってもらいますが社員として採用する前にどんな子なのかを見ることができる。美容師もサロンも、「お互いがお互いを選べる立場」になれたらいいなと思っています。

アシスタントは生産性がないと思われていますが、こうすればアシスタントが外で稼ぎながら成長していくことができるし、将来の選択肢が増えるでしょう。また、ベテラン美容師にとっても、アカデミーの講師になることが、新たな稼ぐ手段になります。

美容師にとってもサロンにとっても、斬新で画期的な試みですね。

あと、美容師は年齢を重ねると自分の体で稼ぐのが難しく、売上は45歳がピークとも言われていますよね。今もスタッフをマネジメントして将来のチャンスを広げるようにサポートしていますが、サロンワークの売上が落ちたときの新しい稼ぐ手段として、出資に応じてリターンを得られるような「組合」を作る構想もあります。そこに、先ほどお話したアカデミー事業だとか、サロン開業に対して出資してもらう。自分でサロンを出すのはリスクも負担も大きいですが、それよりもパワーをかけずにリターンを得られる方法として出資という形があるかなと。

自分の肉体で稼ぐ他に、脳で稼ぐ体制が作れたらと思っています。

どこまでもスタッフ目線で、「美容師のために何ができるか」ということを一番に考えているのですね。

「スタッフの人生を第一に」なんて言いましたけど、それは僕のエゴであって、自分がそうしたくてやっているだけですから。あくまでも、きっかけというか。第一、「お前のためにやっているんだ」なんて、重たくて嫌でしょう(笑)。いい仲間が増えて僕自身が楽しいから、応援できることをしているだけです。

中目黒店のオープンも一人のスタッフの希望が始まりでしたが、何も「その一人」のためにしたわけでなく、きっかけになっただけ。

新しい場所で人とのつながりが増えたり新しい経験をすることで、他のスタッフがやりたいことも応援できる。結果としてそれが、会社としての成長にもつながると思っています。

  • 2009年にスタートし、今年で11回目を迎えたヘアデザイン作品展「北海道ヘアデザイナー100人展」。古谷さんは、立ち上げメンバーの一人でもある。開催2回目からサロンに勤務しつつ実行委員長も務め、協賛を募るための企業への声掛けや参加者集めに奔走する地道な努力を重ねてきた

  • 第1回開催当時はディーラーによるコンペもなかったという北海道から、クリエイティブを発信していく土壌を育んできた「北海道ヘアデザイナー100人展」。現在では、札幌の目抜き通りである札幌駅前通り地下歩行空間で作品を展示するまでに成長

「一番大事なのは、そのスタッフの人生。僕らや会社がどうしたい、ではない」・・・そこまで言い切れるのは、なぜなのでしょう。
古谷さんご自身は、「自分のエゴ」だと言います。そして、必ずしも「自社で長く働いてほしいとも思わない」とも。
スタッフの成長が、サロンを成長させる。それも大事だけれど「スタッフ一人ひとりが、どこに行っても、自ら“稼げる”人になってほしい」。
古谷さんの根底には、その想いが強くあるのです。

インタビュアー
田中公子(ホットペッパービューティーアカデミー)
編集
柳澤真実
ライター
大西智与
撮影
久保田敦

※掲載されている情報は2019年09月23日現在のものです

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