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第5章仲間と共に目指すゴール

「クリアしたものは、つまらない。
見たことのない世界を見たい。」

芝原さんは、「休みがない、給料が低い」といった美容業界の悪しき慣習を打破する経営をされています。業界では常識とされてきたものに、疑問を持ったのはいつから?

それはもう、ずーっとですよ。僕は「美容師」という職は好きだけど、「美容業界」は大っ嫌いですから。手荒れをしようが手袋はするなとか、忙しくてごはんを食べる時間もないとか、そういうのはおかしい。だから、そういう「ねじれ」を取りたいんです。美容業界を変えよう、なんて大げさなことは思わないけど、せめてうちの子たちだけでも「ねじれ」を解消したい。それが僕の大事にしている「健康的に美容師でいる」ってことです。

今後、目指すサロン像は?

最終的な理想は、いろんなスペシャリストをつくること。ショート、ブリーチ…、そういうスペシャリストのスタッフがいて、お互いのお客さんを紹介できるようにしたいですね。たとえばくせが強くてブリーチが難しいお客さんがいたとしても、仲間にスペシャリストがいたら相談し合って、髪質に応じた薬剤やヘアスタイルを考えることができる。そうしたらお客さんにとっても利益になります。こうして協力するのも、人間関係がよくないとできない。

2019年6月にバーを開業しています。2店舗目が美容室ではないのは珍しいですが、美容室を増やす予定は?

これは最初から決めていることですが、1業種1店舗。美容室は1店舗しかやりません。スタッフを増やすことは考えていますよ、だからゴールは1店舗100名とかの大型店かな。だって店舗を増やすってことは、スタッフがあちこちに分散するわけでしょう。そうしたら僕がみんなと一緒に働けなくなるから、寂しいじゃないですか(笑)。あとは一人ひとりに目が行き届かなくなることが怖い、というのもあります。

いろんな業種を手がける理由は?

バーを始めたのは趣味というか、自分が飲みに行く店を作りたいというのもあって(笑)。自分が行きたいと思えるなら、やる業種は限定しない。その業界に詳しい、とかでは選びません。バーの知識も全然なかったから、料理に関しては経験豊富な料理人を雇って任せています。僕にはひとつ強みがあって、それは周りの人のつながり。料理人や食材の仕入れに関しても、知り合いがつないでくれるんです。

あとバーは「雇用する場を作れる」という考えもありました。たとえば「もっと稼ぎたい」と考えるアシスタントがいたら、バーでバイトをすれば稼げる。うちのサロンは週休2日、月8日の休みがありますから、その休みを使って副業ができます。スタッフにはバーの飲食代を割引にしているので、福利厚生にも役立てられる。

同じように福利厚生の一環として、いまはスタッフみんなでジムに通っているけど、次は自社でジムを経営する予定です。あと大手フランチャイズの飲食店もやってみるつもり。経営本部から店舗へどう情報が伝達されるのかとか、オペレーションの部分を勉強して、自分で飲食店をやる足がかりにしようと。たぶん飽き性なんでしょうね。クリアしたものはつまらない、見たことのない世界が見たいんです。

その先に、想い描いていることは?

スタッフ100人、売上10億という目標はあります。だけど達成時期については急いでいません、10年後くらいには…と思う程度。それよりは、きちんと本質がともなっていることが大事ですから。

事業として儲かるからというよりも、みんなと作り上げていくのが楽しくてこれまでやってきました。だから今後も、みんなで新しい世界を作っていくのが楽しみ。

僕は自分の欲じゃなく、他人のためにしか動けない。こうして取材されて自分がスポットライトを浴びるのも好きじゃないし。それよりも、スタッフのみんなが注目されることのほうが、本気で嬉しいんです。

  • 縮毛矯正の腕に惚れ込んでの女性のお客さまはもちろん、男性のお客さまも多い芝原さん。(株)レバレッジのマーケティング戦略顧問などを務める、田端信太郎氏もその一人

  • 渋谷にあるBAR 「Lm.(エルエム)」は、料理がおいしいバーとしても定評あり。元RADWIMPSのギタリスト・斉木祐介さんが営む「担担担(タンタンタン)」の汁なし担々麺がいただける

IJKに採用される前の職場で給料の未払いがあったスタッフのため、未払い分を取り返しに、前サロンに乗り込んだことがあります。そんな、スタッフのための型破りなエピソードは、枚挙にいとまがありません。
なぜ、そこまでするのか?芝原さんは、こう答えました。
「うちに入社した時点で、その子は僕にとって大事な子。自分はどうなったってかまわない。“なぜ”とかって、考えたこともない。」

中途入社のあるスタッフは、「ここじゃなかったら、もう美容師は辞めていた」とも。
芝原さんが一番うれしいと語ったこと。それは、スタッフが美容師という仕事を好きでいること。
その想いは、一人ひとりにきちんと届いていました。

インタビュアー
田中公子(ホットペッパービューティーアカデミー)
編集
柳澤真実
ライター
大西智与
撮影
久保田敦

※掲載されている情報は2020年02月24日現在のものです

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